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海外ビジネス コラム

商習慣 2013年03月04日

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グローバルスタンダードの欠如こそ問題だ。心の豊かさをもっと活かせる仕組みをつくれ

吉越 浩一郎(吉越浩一郎事務所)

一方で無視され、一方で賞賛される。日本という不思議な国

今回のコラムでは、海外の人が日本をどう見ているのか、ということについて少し述べてみましょう。世界の中での日本の立ち位置を確認することは、海外でビジネスをやっていく上で、非常に大切でもあります。その中で改善すべき問題や、活かしていくべき強みも見つかるはずです。

さて、以前このコラムでも述べましたが、残念ながら今は、ジャパン・ナッシングの時代。経済関係で日本の話題は、ほとんど出てこなくなってしまいました。韓国のほうが存在感があるのが現実です。ほんの少し前までは、日本の影響力というか、存在感には本当にすごいものがありました。しかし、バブルが崩壊し、失われた10年が20年になり、このままではさらに30年、40年、と続いていきそうな状況です。東日本大震災が列島を襲い、復興のための増税19兆円が、国民納得の上で行われました。しかし今、国内のニュースで話題になるのは、そのお金の無駄な使い道。リーダーシップを取れる人がおらず、お金を有意義に使う能力がないのです。

それにもかかわらず、海外にとって日本は憧れの的です。確かに、経済面での魅力というのはほとんどなくなってしまいました。しかし、震災時に見せた日本人の持つ我慢強さとか心の豊かさというのは、世界中から賞賛されています。マンガや寿司は、世界中から愛され、知らない人はいません。犯罪も少なく、安心して暮らせる社会は世界のスタンダードから言えば、素晴らしいという事なのでしょう。

決断できないリーダーたちが招いた「この国は特殊な国だな」というレッテル

一方で無視され、一方で賞賛される。そんな状況が生んでいるのは、グローバルスタンダードをクリアーしているかどうかという問題だと思います。もちろん、決断できないリーダーたちが招いていることなのですが、日本という国には大きな欠陥が幾つもあります。

例えば、危機管理という面でグローバルスタンダードを取り入れることができていないこと。東日本大震災での福島第一原発の事故の話になりますが、国会事故調査委員会によると、国際原子力機関では5層の安全対策を考慮しているのに対し、日本の原発のそれは三層までしか対応できていないのです。さらには、それが拙いと認識されていたにも拘わらず、黙殺されていたのだそうです。しかし、あのような惨事が生まれてしまうと、今度は、それを「想定外」であったと言うのです。ですから、その事故調の報告書には、その点を明確にするために「人災であった」と明確に書かれています。
ということで、この安全対策のグローバルスタンダードはなんだと言われれば、間違いなく五重の安全防御だということなのです。日本でもそのようなシステムが組まれていたら、結果は間違いなく大きく違っていたに違いありません。アメリカを初め海外からのせっかくの情報が、活用されなかったという報道もあります。海外から見たら、日本は特殊な国であるとしか言えません。日本人が海外の国を見て、この国は特殊な国だな、と思うことがあると思います。しかし、今では、日本こそがそう見られているのです。
そしてこれは国だけの問題ではありません。あらゆる面で、日本の企業も、最低でもという感覚で、グローバルスタンダードを身につけておくことが急務であると思います。

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吉越 浩一郎

(吉越浩一郎事務所)

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