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海外ビジネス コラム

商習慣 2013年03月18日

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日本の行く末は暗い――最後の希望は、海外進出が多くの中小企業に力を与えること

吉越 浩一郎(吉越浩一郎事務所)

権限を持った、優れたトップの必要性

さて、今回の連載の締めくくりに、これからの日本についてお話をしたいと思います。
みなさんは日本の未来についてどうお考えでしょうか。明るいのか、このまま、暗い状況が続くのか? 私は、今のままだったらさらに暗い世の中になると思っています。
なによりの不安は、政治です。バブル崩壊から20年以上たったにも関わらず、景気は上昇しない。自民党から民主党に政権が変わったところで、財政悪化に歯止めはかからず、年金や原発、TPPに消費税、尖閣諸島や竹島問題など、課題は山積みなのに、判断を先送りにするばかり。震災から1年半以上経つのに、瓦礫の処理すら進みません。それもこれも、国のリーダーである首相にリーダーシップがない上に、権限がないことに起因しています。権限を持った、優れたトップがいるべきです。日本の首相はここ20年で17回も変わっています。ではこの20年だけ首相が頻繁に変わっているのかと言えば、そうではなくて、野田首相ですでに95代目なのです。1885年末に初代の首相に伊藤博文がなってから平均して一年半弱で変わっているのです。そんなに短い期間で何が出来るのでしょう。ですから簡単にいえば、制度そのものが拙いのです。それを直すのも政治家の筈です。いつも日かまともな政治家が出てくることを祈るものです。

真のリーダーは組織をガラリと変える

会社などに関して、「トップが変わっただけでは何も変わらない」というようなことを言う人がいますが、それは大間違い。それは真のリーダーを見たことがない人の意見です。組織はリーダーによってガラリと変わります。日産をV字回復させたのは、ルノーから来たカルロス・ゴーン、というのは日本中誰もが知っていることです。最近でいえば、日本航空の稲盛和夫です。
だから、国に関しても権限を持ち、国を導いてくれるリーダーの登場が不可欠です。橋本大阪市長は、確かに勢いもあり大いに注目していますが、まだまだ国政に関しては経験不足。うまく乗り越えていって欲しいものです。本来なら、5年間で900もの改革を成し遂げ、2012年5月にフランス大統領を退いたサルコジなんかが、引き受けてくれればいいのですが、日本の首相は日本人でないとなれないそうですから、諦めざるをえません。

変化の大きな時代にカギを握るのは、中小企業

さて、日本の未来を考えるときに、もう一つ私が注目しているのは、中小企業です。今は変化が大きい時代です。大きな企業は変化に対応しにくい。巨大化によってかつて地球を支配したものの、変化に対応できず滅びてしまった恐竜と一緒です。小さい企業のほうが変化に対応しやすいのです。これからの時代、大きな資本を武器にするよりも、トップダウンによるスピード感ある経営が主流になってくるはずです。そうした中小企業が、大企業を潰していってほしい。そういった動きがあって初めて世の中が変わっていくのです。そういった中でいかにたくましく生きていくかです。
この連載で何度もお伝えし、繰り返しになりますが、海外での経験はこの世界で戦っていくための武器になります。また、海外進出が、多くの中小企業に力を与えるでしょう。その恩恵に預かり、日本を変えていく。そうならなければ、日本の未来は本当に面白いものにはなっていかないと思います。だからこそ、頑張って欲しいと思います。

※取材日は2012年9月

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