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海外ビジネス コラム

時事 2013年03月16日

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【特集 各国の治安状況】割に合わない事はしない! 実は悪くない中国の治安

福田 完次(株式会社グラブポット)

中国の治安はコントロール範囲内で管理されている

世界のどの国に行っても、一定のリスクはあります。そういう意味では日本と言うのは治安を含めて、世界でも有数の安全で快適な国です。という事は、世界に出る時に日本のレベルで比べてしまえば、どこに行っても不満が出るし、不安にもなります。この事は海外進出する場合は安全性も含めてある程度のリスクを覚悟しないとならないという事ですし、その上でどうやってそのリスクを下げる努力をしておくかという事につきます。

このところの中国については、尖閣の問題や反日デモなどの影響でその安全性について揺らいでいる所がありますが、相対的に見れば、中国の治安も決して悪くありません。勿論、奥地まで入っていき、公安(警察)などの目が届かない所に行けばリスクは増えます。また、他国の危険なエリアと同様に、灯りのない、犯罪が置きやすい場所に行けば、中国でも犯罪リスクは増えますが、それは日本以外の何処の国でも同じことです。

確かに、反日デモの報道などを見ていると、国民の暴動が抑えきれず、それが日本人に向かうという風にも見え恐怖感を覚えますが、本質的に自らそういう行動を取る人たちではありませんし、コントロール範囲内で管理されているというのが、現地を良く知っているものの見方です。

確かに反日教育を続けてきましたので火が点きやすいベースはありますが、政治の意思として煽っている部分があるからこそ、火が点いてしまうという事であり、本来、当局が許さない限り、ああいう暴動はおきません。

むしろ、身の安全という意味合いでは、中国は高いレベルを維持しています。特に公安などに強い恐怖感を持っており、逮捕される様なことを望みません。公平な裁判というのが難しい背景でもありますから、逮捕された場合、どのくらい重い罪になるか予測しがたいということでもあります。まかり間違って極刑が決まってしまえば、ひっくり返すことも出来ません。

あるいは、もともと彼らは自分の利害感覚で損をするようなことを好みません。よって、犯罪についても窃盗などのお金が絡んだ微罪が多いのが特徴。お金が欲しい時に相手の命を脅かす様なことを行い、自分の命を危険に晒すような事は、普通の中国人はしないということです。結果的に多くのこの手のトラブルはお金で解決がついてしまう事柄です。

もう外国投資を減らしたくないという本音

尚、反日デモについても、私の見立てでは、少なくとも暴動を伴う様な物や、日本人に危害を加えるようなことが起きる可能性は殆どないと思います。前回のデモに伴う暴動により、中国は世界の多くの国から、危険な国と見られ、投資リスクを再認識させてしまいました。

現在は、欧州危機や米国の経済状況、日本との尖閣問題などで、外資投資が極端に減っており、これ以上、外国投資が減るような危険な賭けにでられる状況にはありません。また、当初の目的である、国民は怒っているというデモンストレーションとしては既に役割を果たしましたし、暴力行為に結びつけたデモについては、中国内でも随分批判的な方々も多くなっています。それらを総合的に考えた場合、国益に合わない為、その部分については十分コントロールするだろうと考えます。むしろ、ありえるとすれば、既にそういうフェーズを終え、尖閣周辺などの直接の軍事行動という事になります。

尚、これは何処の国でも同じですが、赴任する日本人としての原則は、危険なエリアには近づかない、誤解されるような行動(相手を馬鹿にしている等々)を取らないという事に付きます。例え日本であっても、自ら暴力団関係者に喧嘩を売りにいったら無事に居られる訳はありません。外国であるからこそ、行動と言動に注意し、よりシビアに自らを律する、これが大前提であることは言うまでもありません。

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福田 完次

(株式会社グラブポット)

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