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海外ビジネス コラム

法律・制度 2014年06月12日

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意外とフェア? 東アフリカの貿易・通関におけるポイントとは

金城 拓真(津梁貿易株式会社)

4ヶ国の玄関口がケニア・モンバサ港

東アフリカの通関について書きたいと思います。

まずは、ケニアの通関。ケニアのモンバサ港に入ってくる商品はケニアで消費される商品だけでなく、内陸国であるウガンダや南スーダン、一部のタンザニア地域に運ばれて行きます。いわば、4ヶ国の玄関口がケニア・モンバサ港なんですね。

そして、ケニアにはちょっとした手続き上の特徴があり、そこを知らないと通関部分で大きく損をしてしまいます。うちの会社のように、そこを利用して価格を安く設定している通関会社もあります。

しかし、その部分は実際に通関依頼を出して、業務を遂行してもらわないと分からない。厄介なのは、一度依頼をした通関会社から他の通関会社に乗り換える際には、すごくめんどくさい手続きを踏まないといけない点です。

ケニアの通関に関しては、きちんとした書類を揃え、きちんとした手続きを行う事にプラスして、ケニア通関の特徴をきちんと押さえておく必要があります。そうしなければ、商品を港から出すまでに多くの手続きと出費を余儀無くされるからです。

アフリカ向けに貿易をしている企業さんは少ないと思いますので、ここで詳しく書くことは避けますが、ケニアやアフリカの通関は賄賂が罷り通っているという間違った認識を日系企業には持って欲しくないですね。

賄賂を要求されれば、その時点で上記のようなキチンとした書類・キチンとした手続き・ケニア通関の特徴をきちんと押さえておく、のいずれかがダメだったということです。ケニアにしても、アフリカにしても、意外とフェアですよ。

数年前に、インターネットによる手続きが始まった

次はタンザニアの通関。タンザニアのダルエスサラーム港に運ばれてくる商品はタンザニアで消費されるだけでなく、以下の内陸国にそれぞれ運ばれて行きます。ルワンダ・ブルンジ・DRコンゴ・ザンビア・マラウィ・一部のモザンビークダルエスサラームでの通関はちょっとした特徴があります。

それは、数年前に、インターネットによる手続きが始まったことです。それまではどんな通関業務だったのかと言いますと、通関士が書類を作成し、その書類を税務署や港湾関係に提出して業務を進めていたんです。

そうすると、どんな事態が起きたのか。通関士の「顔」が何よりも重要だったのです。ある意味密室で行われる通関。きちんとした書類を揃える事より、誰が手続きを行っているかが大切だったのです。

しかし、数年前にその状況は一変します。インターネットでの手続きに変わってしまったため、書類をきちんと揃え、きちんとした手順に従った手続きが重要となったのです。

現在のタンザニア・ダルエスサラーム港の通関で僕が問題視しているのは、過去の手続きをいまだに引きずっている人が多い事です。タンザニア人に通関について尋ねると、いかにも簡単な業務であるかの様な返事が返ってきます。

しかし、実際には彼らの知っているやり方では通関できません。通関ができなかったら、永遠に商品は港から出て来ません。困った荷主は賄賂を払って裏から商品を出すのです。これがタンザニア・ダルエスサラーム港でよく見聞きする問題ですね。これからタンザニアに商品を入れようと考えていらっしゃる方や企業さんはぜひ気をつけて頂ければと思います。

不正をすると、そのしっぺ返しは必ず来る

最後は、特定の通関についてではなく、ちょっとした意識の違いを書きたいと思います。

アフリカの通関は賄賂を払えば何とかなると考えていらっしゃる方や企業さんも少なくありません。確かに、僕もその側面については反対しません。場合によっては、早くて安い通関が実現するのかも知れませんから。

しかし、日本でもそうであるように、税務署は優秀な人の集まりです。彼らがそんな不正を野放しにするはずないんですよね。しかも通関の場合、データや書類を見ると「賄賂を使って通関したのか」が一目瞭然です。数年のデータと書類を集め、ある程度の罰金が見込める段階になると税務署がその会社に監査に入るんです。その結果、通常よりもはるかに高い金額を罰金等で支払わないといけないのです。

不正をすると、そのしっぺ返しは必ず来ます。もし、その責任が荷主ではなく通関会社にあったとしても、通関会社はその責から全力で逃げますので、結局不正の責任は荷主に。それで泣いている人を大勢見てきました。

東アフリカはある面ですごくフェアな社会です。知らなかったでは済まない現実が多くあります。車の所有権の移動や、不動産契約などもその傾向がありますので、アフリカに赴任する方や企業さんはぜひ気をつけて頂ければと思います。

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金城 拓真

(津梁貿易株式会社)

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