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海外ビジネス コラム

法律・制度 2012年10月03日

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『ベトナム進出成功のために「税金」を知ろう――自分の分類は? 損しないための基礎知識』

石川 幸(AGSホーチミン事務所)

【ベトナムでのPIT】

前回ではこのコラムの概略とベトナムのPITに注意すべき理由を述べました。
今回はベトナムのPITを具体的に見ていきましょう。

ベトナムのPIT概要は次のとおりです(詳細は割愛します)。

分 類 課税対象 課税税率 要  件
居住者 全世界所得 

(日本を含む)

累進課税 

(5%〜35%)

1)183日 

2)90日

非居住者 ベトナム源泉所得 

(日本を含まない)

一律20% 居住者以外を非居住者となる

 

ここで「非居住者」とはベトナムの居住者以外を指します。したがって、ベトナムでのビジネス実施に伴いベトナム国内に滞在する場合には、「居住者」扱いになるのは当然であります。

 

ポイント① : 居住者扱いの場合の個人所得税について知っておくことと(滞在者の扱い)

ポイント② : 非居住者扱いとはどういう場合か(つまり居住者に該当しない場合)を知っておくことになります。

今回は、②非居住者扱い(つまり居住者ではない場合)に関して、居住者となってしまう懸念事項を解説して参ります。
通常、ベトナム居住者となる要件を踏まえて滞在を開始すれば、ベトナム個人所得税法上の居住者にはなりません。
しかし、居住者要件を正確に知らないこと等に基因して、知らないうちにベトナムの居住者に該当している方が散見されます。

 

<居住者の要件>

※    「居住者」とは次のいずれかに該当するもの

1)        「183日ルール」 : 連続する12ヶ月でベトナム国内に183日以上滞在 (最初の1年目は暦年:1月1日〜12月31日ではありません)

2) べトナム国内に定常的な居所を有するもの
(a)恒久的住所
(b)「90日ルール」 : 暦年で契約期間が90日以上の賃貸住所等(ホテル、本社、作業場所を含む) なお、契約者名義の如何を問わない。

 

【ベトナムPITで居住者扱いの懸念とは?】

注意をすべきは、上記(2)(b)にある90日以上の賃貸住所等の契約であります。
出張ベースであっても、上記(2)(b)の要件に該当しない注意が必要なのであります。
居住者要件は(1)か(2)のいずれかに該当するものということでありますから、非居住者となる場合にはいずれにも該当しないことが必要となります。

具体的にはベトナム国内で賃貸借等で滞在場所を確保しているケースが考えられます(ベトナムでのビジネスを進展させたい場合、利便性を考えるとそのような場合が多くなると思われます)。
そのような場合、居住者要件の認定は(1)の183日よりも、90日以上と厳しくなっていることに注意して下さい。
もし、出張の都度、ホテルに宿泊/支払する形態でのベトナム出張であればこれに該当しません。

また、Official Letter 3473号により、外国の居住者であることを証明できない場合にはべトナムの居住者として扱うということが明確化されています。
ベトナムに90日以上183日未満のベトナム滞在者/出張者は特にご注意頂きたいと思います。

細かい条件で恐縮ですが、ご理解いただけましたでしょうか?

次回はPITの税率や免税制度、進出後のアドバイスについてお話します。

このコラムの著者

石川 幸

石川 幸

(AGSホーチミン事務所)

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