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海外ビジネス コラム

市場動向 2014年01月08日

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「国際仲裁(アービトレーション)センター」としての香港

堀 明則(Hopewill Group)

国際仲裁(アービトレーション)
聞きなれない言葉ですが、その意味は次の通りです。

まずは仲裁の意味。
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仲裁(ちゅうさい)とは、当事者の合意(仲裁合意)に基づき、第三者(仲裁人)の判断(仲裁判断)による紛争解決を行う手続をいう。
裁判外紛争解決手続(ADR)の一種。仲裁判断は確定判決と同じ効力があり、当事者は拒否することができない。
また、控訴や上告等の不服申し立ての制度はなく、仲裁がなされたケースについて裁判を起こすことはできない。
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続いて国際仲裁の意味。
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国際商取引における紛争解決には、仲裁が利用される場合が多い。
その理由としては、外国仲裁判断の承認
及び執行に関する条約(ニューヨーク条約)が多くの国によって批准され、仲裁判断に基づく執行が裁判所の判決に基づく執行より容易な点や、裁判によると必ずしも専門ではない裁判官によって判断されるのに対し、仲裁の場合はその分野に精通した法律家による判断を得ることができ妥当な解決が図られる可能性が高い点などが挙げられる。
アジアでは、シンガポールと香港が仲裁地として広く利用され、イギリス法系の法律家にとって巨大なリーガルマーケットにつながると同時に、金融、保険、海運なの関連産業とのシナジーを発揮しているが、一方で、日本が仲裁地として利用されることはまれである。
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(共にウィキペディアより)

ウィキペディアにも記載があるとおり、香港は国際仲裁センターとしての地位を確立しています。
東南アジアではシンガポールですが、「国際仲裁」を政策的産業としてより明快に打ち出しているのは香港です。

仲裁と調停は従来の訴訟に頼ることなく紛争を解決する代替手段として一般的になってきており、今後も需要は急増をしてゆくことが予想されます。

アジアでは様々な侵害事案が発生しており、中国国際経済貿易仲裁委員会(CIETAC)の取り扱い件数は1985年の37件から2008年には1,230件、香港国際仲裁センター(HKIAC)では、1985年の9件から2008年には602件と急増しています。
HKIACにいたっては、直近2007年の447件から、2008年の602への増加という具合です。

香港が国際仲裁センターとして広く注目されるに至った経緯には、やはり中国の存在は大きいと思われます。
中国のWTO 加盟は、海外投資家や貿易業者と中国との取引を加速させました。
そして、同様に紛争件数の増加をもたらしたわけです。

当事者は当然の事ながら中立地における紛争解決を選択します。
1)
香港は、高度に発達し、充実した内容の法律制度を完備しているため、商事紛争解決の主要な場所となっている。
2)
香港には経験豊富な法律専門家が多数おり、仲裁及び調停によって執り行われる商事紛争解決の支援が可能である。
3)
香港で行われた仲裁裁定は、世界の貿易経済圏のほとんどの裁判所において法的強制力を有する。

以上の理由から、香港は中国-海外企業プロジェクト関連の
紛争解決の場所として選択をされることになります。
国際仲裁サービスにおいては、香港が主導的存在であるという結論から、国際商業会議所(ICC))はアジア初の事務所を香港に開設しています。

世界の工場、そして世界の大市場となった中国の隣に位置する、高度な法治体制を有する香港。
その地政学的条件が、香港を国際仲裁センターたらしめ、長年培われた経験とノウハウは広く世界で評価され、「国際仲裁センターとしての香港」はますますその機能を強化しています。

大量の時間と資金と人材を投入して作り上げたれた技術、ブランド、製品、そしてそれらを流通させる商売。
これらを無防備に市場にさらしては、大変なリスクになります。
そのようなことで悔しい想いをされたという話は枚挙に暇がありません。

日本が誇る金型や、機関電子部品、制御装置、これらを安全に国際製造展開させ、さらには国際市場展開をさせてゆくためにも、「転ばぬ先の杖」としての機能を誇る香港を、うまく事業インフラに組み込んでおくことは有効です。

このコラムの著者

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堀 明則ほり あきのり

(Hopewill Group)

幅広い事業範囲を武器に

日本企業、個人に対し、香港・シンガポールをハブとした、『日本からア

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