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海外ビジネス コラム

市場動向 2014年03月02日

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『日本企業の多くは中国市場に期待』

堀 明則(Hopewill Group)

対中関係における緊張状態が緩和されません。
領海問題をめぐり極東アジアが安定しませんね。
アメリカの対中政策の影響か、韓国もTPPに名乗りを上げ、日中韓、ここにアメリカも交えての駆け引きがヒートアップしています。
尖閣問題にはじまる近年の日中の緊張状態。
これまでも幾度となくあった日中関係の問題。
しかし今回は長引きそうですね。
何よりも中国国内における共産党の求心力の低下は、この度の日中関係のように外交面にも大きな影響を及ぼします。
現在の中国内の共産党政権への不満、関連した地方政府への不満、シャドーバンキングの問題、汚職の横行、中国国民の不満を吸収してゆくためにも、領土・領海問題での共産党の弱腰外交は考えられません。
共産党は国民のために大きな利益を確保するため、世界外交のステージで正々堂々と戦っている、こういう印象は中国における治安安定に一役かうとするならば、中国への経済依存度の高い周辺諸国も、難しい外交の舵取りの中で、しばし現状のバランスを維持というところでしょうか。

私は政治評論家でも研究家でもありませんが、現在のアジア・世界のバランスが集約されたような極東アジアの状況に、何かと思い、そして考えるところは大です。

尖閣問題より以降、日本企業における関心事は、中国への進出よりも中国からの撤退、あるいはチャイナ・プラス・ワンへとシフトしました。
チャイナ・プラス・ワンの候補は何と言っても東南アジアです。
しかし東南アジアもまだまだこれからの市場、思うように成果を上げるには時間を要します。
また中国のような巨大市場を見出すこともこれは非常に難しいわけです。
そして、中国に続く巨大市場を検討するとき、政治国境ではなく「イスラム」という宗教国境が議論されるようになりました。

では、本当に日本企業の中国への関心は完全に冷え込んでしまったのでしょうか?

少しデータを紐解いてみます。
「2013年度 日本企業の中国での事業展開に関するアンケート調査」
(ジェトロ海外ビジネス調査)より数字を抜粋します。

まずは、中国のビジネス・リスク認識について。
2012年秋の反日デモ勃発以降の日中関係を踏まえ、
「中国におけるビジネス・リスクが高まった」との回答は52.2%。
反日デモ勃発直後の2013年1月時点の69.8%より低下はしているが、
引き続き高い水準でリスク認識。

続いて、対中ビジネスの拡大意向について。
今後のビジネス展開について「既存ビジネスを拡充、新規ビジネスを検討する」
との回答は微増(58.1%→60.7%)。
2010年の65.1%には及ばずとも、引き続き対中ビジネスへの意欲も高水準。
対中ビジネスの拡大を考える理由は、
1位が「販売面でビジネス拡大を期待できる」(70.1%)、
2位が「事業が確立し軌道に乗っている」(42.8%)。

日中関係の冷え込みですっかりなえてしまったようにも見える
「対中ビジネスへの想い」ですが、
実はまだまだ中国市場に期待をしているという調査結果となっています。

中国の沿岸部と内陸部の所得格差、経済格差は深刻ですが、沿岸都市部の1人あたりGRPなどはすでにUSD1万を超え、マレーシアと同じく「ミドル・インカム・トラップ」ゾーンにさしかかり、たいへんにしっかりしたものとなってきています。
このGRPがUSD1万を超える都市は45都市存在し、人口計では2億3,659万人とのことです。
日本の約倍の人口が、本格的中間層にさしかかっているわけです。
同じGRPレベルのマレーシアに比較し、市場規模では約10倍です。
そしてそのような都市にほぼ共通する問題が、環境問題、高齢化の問題です。
環境問題、高齢化の問題へのアプローチは日本が何歩も先に進んでいます。
中国に目を向けると、顕在化している問題が明確で、しかも多くの問題が日本が向き合ってきたもの、あるいは向き合ってきているものと同様・同質であること、さらにはその市場規模が極端に大きいこと、これらを考えると中国でのビジネスをそう簡単にギブアップするわけにはゆきません。

コラムでもよくお伝えしていますが、
中国に顕在化する機会を獲得するためにも、
中国への別のアプローチ、つまり香港の活用を検討に加え、
中国市場をいかに獲得するかを、ぜひ継続検討していただければと考えます。

このコラムの著者

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堀 明則ほり あきのり

(Hopewill Group)

幅広い事業範囲を武器に

日本企業、個人に対し、香港・シンガポールをハブとした、『日本からア

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