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海外ビジネス コラム

市場動向 2016年02月08日

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アメリカ進出は、まず多様性ギャップの認識からはじめよう

岸岡 慎一郎(I.T.A., Inc.)

アメリカ進出時に留意すべき日本との違いとは?

皆さんはじめまして。

我々は1980年代よりアメリカで日本からの進出企業を数多く支援してまいりました。総合商社時代もそうですが、日本企業の大きな特徴として製品の技術論から入り、販売を模索するという点が顕著だと感じます。

ここアメリカのシカゴを中心とした中西部から南東部にかけては製造業が集積しており、日本からも製造業が進出を目指して参戦してきております。欧米、とくにアメリカ市場では、技術だけではなく、ビジネス・投資というセットで捉えないとならない点が辛い点であるとも感じております。製造業だけでもアメリカには日本の2.5~3倍の企業がひしめき合い、日々海外からの企業が進出してきている市場となっています。

製品の技術・品質・精度を盾に海外進出するのはやや危険であるとともに、マーケットから振り向かれないケースが多々あります。自動車一つをとっても燃費の有無などは規制や規格でどうしてもアメリカでは重量が増したり、安全性や保守面からオーバーサイズに設計をする必要性があるからです。

また、コスト面でも、高コスト体質だったり広い国土をカバーするためのサプライチェーンやロジスティックスの構築が事業展開に大きく影響をしてきます。

つまり、それぞれの製品の設計や品質レベルで、マーケットニーズ、文化、ビジネス(取引条件)、規制・規格・認証、ROI・投資としての多様性を理解する必要性があります。従って、販促時に事業プランの提示を必要とするケースも多いのです。

例えば、りんごと言えば富士か陸奥かつがるかといった程度におさまるのではなく、まずは業務用か家畜用か、農用か、といった用途からはじまり、種類、量、加工方法、包装、サプライチェーンなどを検討しなくてはいけません。そちらに対応することができず、やり取りが停滞するケースを非常によく目にします。

日本の市場はまれに見る単一市場だ

また、下図の文化タイプを示したLEWIS MODELについても学ばれると有意義だと考えます。こういう考え方や視点もあるのだ、というギャップを認識する必要性があるという点を留意されると宜しいかと考えます。日本市場はマーケティングが必要なのか? と思えるほどに単一民族が集積しており、そもそもの嗜好やニーズが限定的な範疇に収まっているといえると思います。

アメリカ進出

日本では、減点主義的な市場特性から技術・品質面において磨き上げられ、研ぎ澄まされた製品が沢山市場に投入されています。勿論、品質や技術も重要な要素ではありますが、海外に出ると更に重要な要素がその他に沢山存在しているということです。また、日本では営業や企画からあがってくる製品の改善が製品に反映されるケースが多く、その為、ユーザーの声が製品に反映されているケースが多々あります。アメリカではユーザーだけでなく、技術サイドからもあがってくるケースも多く、注視すべき点であると考えます。

日本では、顧客や市場の声から反映されて改善されていく製品であるために、機能面におけるアプリケーションや仕様が何故、そのようになっていて、何処が優れているのか、について十分に理解をしている方が非常に少ないようです。加点主義的に本当の強みを理解して実践されたら、業界や市場に脅威を与えることとなり、欧米勢からもその製品や技術の重要性を理解されることとなると思います。

日本の方々は進出手法や取組についても回答を求められるケースが多いと感じます。まずは、何をされたいのか、という自社の方針を確立するとともに、海外プレイヤーや市場、日米の現場に精通していくことです。その上で、海外進出ローンチの際には、これらの様々なセグメントにおける多様性認識のギャップを埋めてからのぞまれることをお勧めいたします。日々のコミュニケーションにおいても、多様性ギャップを認識し、想定しながらの前提で推進することで対話がスムースに進展、アメリカ市場進出への時短にもつながることを祈っております。

アメリカとビジネスしよう!ブログ (http://chicago.dgblog.dreamgate.gr.jp/
I.T.A., Inc. ― アメリカ進出マーケティング ― 商社機能 - テクノロジー支援
http://itaoffice.com/

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岸岡 慎一郎

(I.T.A., Inc.)

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