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海外ビジネス コラム

その他 2013年09月12日

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東京オリンピックがもたらす経済効果

堀 明則(Hopewill Group)

2020年東京オリンピックの開催が決まりました。
オリンピックによる経済効果は一説によると3兆円だそうです。
1990年から続く日本経済の長い長いトンネルに、少しでもよい流れを運び込んできてもらいたいところですね。

世界中からの訪日観光客を受け入れるための準備も急ピッチで進んでゆくことでしょう。

現在800万人あたりをうろうろしている訪日者数を、2,000万人、3,000万人と増やしてゆくための起爆剤として
オリンピックはたいへんに有効なものなのでしょう。
それは上述の通り、オリンピック関係者、観戦者の受け入れのために、受け入れインフラの整備が進んでゆくため、観光客のリピーター率も高くなることが期待できますし、また話題性も高まり新規の来日者数も増えてゆくことが予想をされるためです。
直近では東南アジアからの来日者へのビザ緩和の影響として、年間200万人の訪日観光客を見込んでいるとのこと。
観光立国をひとつの柱にする日本にとっては、喜ばしいことですね。

1964年に開かれた第1回目の東京オリンピックは、廃墟とかした日本が、その復活ぶりを世界にアピールした大会でした。
瓦礫は撤去され、ビルが立ち並び、東海道を新幹線が走り、東京は首都高速で自動車社会に対応をしていました。
テレビが普及しはじめ、人々はテレビを通じて情報や娯楽を手に入れました。
物価もあがりましたが、何よりも所得が上昇し続けました。
そこから概ね1980年代の終わりまで日本はまさにすさまじい発展を遂げてゆくことになります。
1990年のバブル崩壊以降、日本は精彩を欠く存在となり、いつしかアジアの力点は中国をはじめとして新興国に移ってゆきました。

しかし日本人の記憶から「大復興」と「世界の一流国に上り詰めたのだ」という成功体験をなかなか拭い去ることはできず、それは厳しい現実への直視、その現実に対応してゆく行動力、これらを欠如させ、いつしか様々なことが後手にまわり、気がつくとはるか後方にいた多くの新興国が大発展を遂げ力強く前進し、近づいてくるような状況になりました。

終戦後発展を遂げた日本は、蒸気機関車から新幹線に、自転車から自動車に、ラジオからテレビに、このような20世紀の常識的範疇の最速で駆け抜けてきたのではないかと思います。

一方で、現在伸び盛りのアジアに目を向けてみると。

ODAの名の下に世界中から資金が流入しています。
世界経済、世界金融が強く連動した結果、伸びシロのある市場には目ざとく世界中の資金が流れ込んできます。
そこには資金が流入するだけでなく、その資金に目をつけた政府や企業が、自国、自社の最先端技術を引っさげて市場獲得に動きます。
資金と共に最先端技術も流入してくるというわけです。

結果、いきなり線路が引かれ新幹線が走り、先端技術を詰め込んだ自動車が走り始め、テレビのなかった地域にフラットパネルTVが流通し、さらには電話線がひかれる前に人々は携帯電話を持つようになりました。
もちろん情報入手は画一的メディアではなく、無尽蔵にひろがるウェブの世界にアクセスです。

日本が戦後から東京オリンピックにいきついた19年間でなしえた物や事、それらに近いことや、あるいはそれらを大きくこえることが、何倍ものスピードで起きている、それが今のアジアなのかもしれません。
2020年の東京オリンピック開催に向けて、特にアジアの勢いを取り込んでゆく必要がある日本。

日本の何倍ものスピードとスケールで意思決定がなされ、日本の何倍ものスピードで変化をしている、そういう地域とより深く、近く関わってゆくことになる今後、経済効果以外にも、アジアの勢いが日本経済にダイナミズムとスピードをもたらしてくれることを願ってやみません。

なにはともあれ東京オリンピック招致活動の大成功を、
まずは素直に大喜びしたいと思います。

このコラムの著者

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堀 明則ほり あきのり

(Hopewill Group)

幅広い事業範囲を武器に

日本企業、個人に対し、香港・シンガポールをハブとした、『日本からア

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