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カンボジア進出のメリット・デメリット|日本企業の意図・進出動向は?

掲載日:2019年07月23日

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カンボジアへ進出した際のビジネス上のメリット&デメリットについて解説します。さらにはカンボジアに進出した日本企業の意図と最新の進出動向に加えて、カンボジアでの海外ビジネス成功のカギを握る、カンボジア進出を支援する海外進出サポート企業の探し方についてもレクチャーします。

約1,630万人(2018年)の人口において、25歳未満が50%近くを占めており、さらに30歳未満となると人口の70%という、ASEAN諸国においても、非常に〝若い国〟とされるカンボジア。

インドシナ半島の中でも、多くの日系企業が進出を果たすタイやベトナムの間に位置し、さらに両国よりも人件費が安いため、近年は両国に次ぐ「タイプラスワン」「ベトナムプラスワン」としても注目されています。

さらに、2019年5月に来日したフン・セン首相が、東京都内のジェトロ、カンボジア開発評議会(CDC)、みずほ銀行主催の「カンボジア投資セミナー」に登壇した際〝前払い法人税〟の撤廃を宣言したことも話題となりました。(※)

「前払い法人税」とは、毎月の売上高の1%を月次で申告納付しなければならない制度。これまでカンボジア現地の進出日系企業は余分に法人税を支払わざるを得ない状況にありました。フン・セン首相は「2019年末かそれよりも早く、大臣令(Prakas)で発表される」とアナウンスしており、今回の撤廃によって、日系企業のカンボジア進出の障壁がさらに低くなったことは間違いありません。

※参照:「フン・セン首相、前払い法人税の撤廃を宣言(カンボジア)」JETRO

Photo by Fred Bigio on Flickr

1. カンボジア進出 3つのビジネス上のメリットとは?

メリット1 インドシナ半島を横断する南部経済回廊の中心に位置する

カンボジアを含むインドシナ半島の国々を1本の幹線道路でつなぐことで、各国の通関業務を簡素化し、いわば国境を越えたインドシナ半島地域全体で経済発展をしようというコンセプトで作られた、国家間を超えたプロジェクトがあります。

それが「南部経済回廊」です。

従来より、数多くの日系企業が進出しているタイとベトナムの中間に位置し、さらに両国よりも人件費が安いことから、〝タイプラスワン〟〝ベトナムプラスワン〟と呼ばれてきたカンボジア。

この「南部経済回廊」が開通したおかげで、先述のように日本企業が集積する バンコク〜ホーチミンの中間地点に位置するカンボジアの地理的優位性が、今後益々高まっていくことは間違いありません。

メリット2 若年層の数が多く高齢者が極端に少ない

カンボジアの人口は約1,630万人(2018年)。2013年の人口における年齢中央値は23.5歳となっており、非常に若い国となっています。そもそも全人口中で、25歳未満が50%近くを占めており、20歳未満となると約30%の割合で、さらに30歳未満となると人口の70%となっています。

その若年層の数が多く高齢者が極端に少ないという、ある種特殊な人口ピラミッドとなってしまった要因は、1960年代に勃発したベトナム戦争を引き金とした内戦と、その後1970年代に国内の政権を掌握した悪名高いポル・ポト率いるクメール・ルージュによる大虐殺にあります。

ポル・ポトが掲げる「原始共産主義」という特殊な共産主義を背景に、医者や教師や学生といった知識人層を中心に、約170万人相当(※当時の全人口の15〜30%)の国民が虐殺されたと言われています。

そのような悲しい歴史が生み出したのが、先述の〝人口の70%が30歳未満〟という特殊な人口ピラミッドなのです。

しかし、経済的な見方をすれば、若年層の就労人口が多く、かつ高齢者への社会保険などのコストが少ないという、いわば今後の経済成長において有利な点が多々あるとも言えます。

また労働力のみならず、今後の人口ボーナスの恩恵と、それにともなう購買層の増加も期待できます。そのような〝経済発展の伸びしろ〟のポテンシャルに満ちているのが、カンボジアなのです。

メリット3 経済特区の設置による積極的な外貨誘致政策

カンボジア政府は積極的に外資誘致政策をとっています。その代表的なものが、2005年よりスタートした経済特区の設置です。経済特区とは、経済発展を最優先とし、法的、行政的に特別な地位を与えられている地域を指し、英語(Special Economic Zone)の頭文字をとってSEZと称されます。

いわば経済特区(SEZ)とは、経済セクターの発展のための特別地域であり、一般工業区、輸出加工区 を有し、そのほか商業区、居住区などの設定が可能とされている地域なのです。また、政府、民間業者、それらの合弁企業などのいずれによっても開発することができるとされています。

その経済特区(SEZ)に進出した企業は、政府によって適格と判断された投資案件に与えられた通常の優遇処置に加えて、すべての業務において付加価値税が免除されます。

また、土地の取得などを除けば、外資に限定した規制はなく 、多くの業種で 100%の出資が可能となっているのも、進出企業にとってはとても大きなアドバンテージとなるはずです。

2. カンボジア進出 3つのビジネス上のデメリットとは?

デメリット1 市場規模が小さい

カンボジアの人口は約約1,630万人(2018年)、首都であるプノンペンの人口は183.5万人程度で、その人口は他のASEAN諸国と比べて、決して多くはありません。

そして国全体の市場規模も大きくはありません。また1人あたりGDPも1,000USドル程度です。端的に言ってしまえば、市場規模にアングルを絞った場合、ほかのASEAN諸国と比較すると、その魅力は半減してしまうことは否定できません。

しかし、近年の傾向として、1人あたりGDPは、年々増加傾向にあり、実質GDP成長率も、2011年から3年連続で平均7.0%で推移しているなど、今後も高い水準をキープしていくことは容易に想像できます。

デメリット2 現地従業員を採用&育成する際のコストが高い

カンボジアの人口は約1,630万人(2018年)。15歳〜59歳までの労働人口は約889万人とされています。

過去の悪名高いポル・ポト政権による大虐殺で、約170万人相当の国民が殺害されてしまったカンボジアは、現在にいたるまで、伝統文化や技術の担い手がいなくなってしまったという厳しい現実があります。

そもそもカンボジアは国民の70%以上が農業に従事するという農業国です。また近年の国の発展を支えてきたのは花形産業と言われる縫製業であり、国の産業全体としては未発達な分野も多いのが現状です。

現地進出を試みる際は、どのような業種業態であっても、根気強く現地での採用および従業員の教育を続けていく心構えが必要不可欠と言えるでしょう。

デメリット3 全体的に物流インフラが弱く、特に電力インフラは脆弱

カンボジアの都市部においては、水道設備および下水処理を始めとする生活に必要な社会インフラは整備されています。ただ、農村部では、それら生活インフラの整備はいまだ不充分であり、衛生面においても劣悪な状況であることは否めません。

物流コストに直接的に関わってくる、国内の道路や港湾施設の整備はもちろんですが、進出企業にとっては、特に電力インフラの脆弱さは大きなウィークポイントです。

カンボジアの電力供給は、国営電力公社が送電と配電を担当し、発電はおもに民間企業の独立電力事業者が担当しています。そもそも国内の電力需要規模自体が小さい状態で、いまだ全国を連携する送電線網もなく、発電所および発電機の規模も大きくありません。

その結果、国内の電力消費量の6割を輸入に頼っており、おもにベトナムとタイから輸入している状態なのです。また電気料金にも地域差があり、先述のように隣国から電力を輸入できる国境近辺の州の方が安価となっています。

カンボジアにおける電力供給の安定性と電気料金については、同国進出の際には、充分に考慮すべき案件であることは言うまでもありません。

3. カンボジアに進出する日本企業の進出動向

カンボジアに進出している企業数は309拠点(2017年10月1日時点)

このセクションでは、カンボジアに進出している日本企業の意図と進出動向について解説します。

2017年10月1日時点でカンボジアに進出している日系企業数は、前年比+14.4%増となる309拠点となっています。拠点数こそ少ないかもしれませんが、前年からの増加率はめざましいものがあります。

その内訳としては、カンボジアの現地法人が196拠点(本店89拠点・支店等36拠点・合弁企業34拠点・日本人が海外で興した企業37拠点)となっており、本邦企業(現地法人化されていない日系企業)が71拠点(支店29拠点・駐在員事務所および出張所42拠点)となっています。※区分不明が42拠点

※外務省「海外進出日系企業実態調査(平成30年要約版)」より

4. ASEAN経済共同体と南部回廊が後押しする更なる経済成長

カンボジアはインドシナ半島でもっとも重要な国のひとつ

結論から言ってしまえば、カンボジアは、インドシナ半島のASEAN諸国の中で、もっとも重要な国のひとつとなる可能性を持っています。

2015年12月に発足したASEAN経済共同体(AEC)によって、ASEAN(東南アジア諸国連合)に加盟する10ヵ国間における、貿易の自由化と市場の統合が進んでいます。

ASEAN経済共同体とは、ASEAN加盟国の経済を発展させるために、単一の市場と経済圏の形成、さらに公正な経済開発を目的とした、ひとつの共同体のこと。

それを端的に言ってしまえば、「ヒト・モノ・カネの動きを自由化する」ということになります。

そして先述のASEAN経済共同体(AEC)の発足によって、各国の貿易の自由化は後押しされることになったのです。

もちろんカンボジアも例外ではありません。むしろASEAN経済共同体の発足によって、カンボジアの経済成長はさらに加速されます。そのもっとも大きな要因となるのが、カンボジアを含むインドシナ半島ASEAN4ヵ国を結ぶ「南部回廊」です。

南部回廊とは、カンボジアの首都プノンペンを含む、ベトナム南部の大都市ホーチミン、インドシナ半島最大の都市であるタイのバンコク、ミャンマー南東部の都市ダウェイをつなぐ産業道路。

その距離は、ホーチミン(ベトナム)〜プノンペン(カンボジア)〜バンコク(タイ)〜ダウェイ(ミャンマー)を経由する約1,200キロとなります(※ちなみに、日本にたとえると、東京〜福岡間が約1,200キロ)。

カンボジアは、多くの日系企業が進出しているタイとベトナムの間に位置しており、首都プノンペンは、南部回廊の中間地点でもあります。

もともとカンボジアは、海岸線が短く、湾口設備が、タイのバンコク港やベトナムのカメイップ港などに遅れをとっていたこともあり、カンボジアに拠点を置く進出企業にとって、この南部回廊の開通は、物流における大きなアドバンテージとなり得ます。

さらに近い将来、この南部回廊こそが、インドシナ半島のみならず、ASEAN経済共同体(AEC)における経済発展をになう国として、タイやバンコクに匹敵するポテンシャルを、カンボジアが獲得する可能性を高めていくことは言うまでもありません。

5. 「タイプラスワン」「ベトナムプラスワン」としてのポテンシャル

両国の中間に位置するカンボジアに白羽の矢が!

多くの日系企業が進出を果たしてるタイやベトナムの間に位置するカンボジア。さらに両国よりも人件費が安いため、「タイプラスワン」「ベトナムプラスワン」と称される地域としても注目されています。

そもそも「タイプラスワン」「ベトナムプラスワン」という言葉は、それより前に話題となった「チャイナプラスワン」にルーツを持っています。

「チャイナプラスワン」とは、製造拠点を中国のみに集中されるリスクを回避すべく、中国以外に生産拠点を持つことで、分散投資をはかる戦略を指します。

近年、中国との尖閣諸島問題の影響もあり、中国進出を画策していた日本企業が東南アジアに向かうケースも多くなることで、チャイナプラスワンは加速していきました。

その結果、多くの日本企業が東南アジアに進出を果たし、そのなかでもタイやベトナムが生産拠点に選択されるようになりました。

しかし、東南アジア諸国の経済発展に伴い、タイやベトナムにおける、従業員の最低賃金や、拠点となる土地・建物賃料など諸経費の高騰が大きく問題視されるようになります。やがて多くの日本企業は、タイやベトナムに変わる新たな進出国を模索するようになります。

そういった背景を受けて、かつてのチャイナプラスワンから、現在の「タイプラスワン」「ベトナムプラスワン」という進出戦略が広まっていき、それらの最有力候補として、両国の中間に位置するカンボジアに白羽の矢が立つようになったのです。

先述のように、カンボジアの人件費は、タイやベトナムはもちろんのこと、ASEAN諸国の人件費と比較しても安価な傾向があります。さらに労働人口の減少問題においても、カンボジアの人口ピラミッドにおける年齢中央値は23.5歳と若く、近年の経済発展の影響もあり、生産労働人口の安定した増加が期待できます。また、いまだ市場規模の大きさおいては、タイやベトナムに劣りますが、国民1人当たりGDPは年々上昇を続けており、労働力・購買力・消費のそれぞれが堅調に増加しています。

近年、国内における所得格差が問題視されていますが、中間層は毎年増加傾向にあり、カンボジアに進出している各企業は、ハイエンド戦略と同時に、中間層向けの商品開発に余念がありません。

また、カンボジア政府は積極的に外資誘致政策をとっており、その極めて自由な外資規制によって、自国通貨であるリエルよりも、USドルが流通していることでも知られています。

さらに、海外からの進出企業にとって大きなインセンティブとなっている、経済特区(SEZ)の発展も見逃せません。

そして、2014年よりスタートした、カンボジアの国家戦略開発計画である「四辺形戦略」(レクタンギュラー・ストラテジー / ① インフラの復興と整備 ② 農業セクターの強化 ③ 民間セクターの開発 ④ 人材の開発 という4つの辺を基本)は、2018年まで延長されました。

アジアでも屈指と言われる、7%という高い経済成長率を維持し続けているカンボジアですが、さらなる成長のカギは、日本を含む海外進出企業からの投資であることは間違いありません。

6. カンボジア進出成功の秘訣は進出サポート企業の活用にあり

進出サポート企業に依頼するという選択

アジア屈指の7%という高い経済成長率を維持していることからも、カンボジアが経済的伸びしろのある可能性に満ちた未開発の市場であることは間違いありません。そのような状況において、カンボジアという国への理解を深めつつ、さらに自社のみでカンボジアでのビジネス市場を調査することは、なによりも“時間”という最も重要なリソースを消費することに他なりません。

そもそも、リサーチ及び準備作業と一口にいっても、そのタスクの内訳は多岐に渡るはずです。それらは市場調査およびフィジビリティスタディ(企業が作成した事業計画を実行に移す際に、実現可能性を検証・調査すること)に始まり、あるいはカンボジアならではの商習慣や法令についてであったり、会計・税務関係に及ぶこともあるでしょう。当然ながら現地での会社設立や登記代行のリサーチも重要ですし、それこそ項目を挙げていったらキリがありません。

海外展開の準備とリサーチを専門家にアウトソーシングする

そこで、ひとつの選択肢として浮かび上がってくるのが、「自社の海外事業における準備及びリサーチに必要なタスクを専門家にアウトソーシングする」ということです。

そもそもカンボジアに限らず、海外での拠点設立には専門的な知識が必要です。行いたい業務によって、法人登記が必要かどうか、営業ライセンスが必要かどうかも変わるからです。あるいは、現地での事業可能性を調査するためには、的確な市場調査や現地視察、テストマーケティングなどが必要になります。また、展示会への出展なども有効な手段です。事業計画立案のため、カンボジア進出専門のコンサルタントに相談するのもいいでしょう。

もちろん、その全てをアウトソーシングする必要はありません。これまでに培ってきた自社の強みは活かしつつ、知見が乏しい分野においては、その道のプロの専門家のサポートを受けるという選択も充分に効果的なのです。もし御社が初めてカンボジア進出に挑戦する段階であるならば、なおのことカンボジア専門の進出サポート企業の支援を検討することをオススメいたします。

7. カンボジア進出サポート企業の探し方

進出サポート企業を探す際は、複数企業の比較検討を

そんなカンボジア専門の進出サポート企業を探す際に、もっとも手間のかからない方法は、やはりインターネット上のオンライン検索になります。ただ、先述したように、各進出サポート企業のHP上に記載している情報だけでは、なかなか判断に悩むところですし、それだけで決めてしまうのは早計です。

また、知人からの紹介といった探し方も有効ですが、自社の事業及び相談内容が、お知り合いの方のケースとぴったり一致することは難しいでしょうし、そのサポート企業の担当者との相性もあるでしょう。関係性が近いため、何かトラブルがあった場合、かえって断りにくい…というケースもあるかもしれません。

結局のところ、進出サポート企業を探すにあたっては、どんな選択をしたところでリスクは避けられません。だからこそ、1社だけに絞るのではなく、複数のサポート企業を「比較する」ことが重要なのです。オンライン検索でも知人の紹介でも、あるいは口コミでも、候補先の企業が選定できたら、まずは「問い合わせ」をすることが大切です。

自社の海外事業について、その道の専門家と話をするだけでも、新たな気づきがあるはずです。仮に具体的なソリューションの提案にまでは至らなくても、それは御社の事業にとって、とても大きな一歩なのです。

8. 優良なカンボジア進出サポート企業をご紹介

御社にピッタリのカンボジア進出サポート企業をご紹介します

今回は「カンボジア進出のメリット・デメリット」に加えて日本企業の意図・進出動向について解説しました。

「Digima〜出島〜」には、厳正な審査を通過した優良なカンボジア進出サポート企業が多数登録しています。当然、複数の企業の比較検討も可能です。「カンボジア進出の戦略についてサポートしてほしい」「カンボジアでの事業計画立案のアドバイスがほしい」「カンボジアに進出したいが何から始めていいのかわからない」…といった、多岐に渡るカンボジア進出におけるご質問・ご相談を承っています。

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この記事を書いた人

SukegawaTakashi

助川 貴

株式会社Resorz

「Digima〜出島〜」編集部・コンテンツディレクター。 雑誌編集・書籍編集・WEB編集を経て現職。 これまでに、アメリカ・イギリス・インド・中国・香港・台湾・ベトナム・ミャンマー・カンボジア・マレーシア・シンガポール・インドネシア・フィリピン・エジプトなどの国・地域へ渡航。趣味は、音楽・スノーボード・サーフィン・ドローンほか。

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