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海外ビジネス コラム

商習慣 2014年06月17日

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円安にも関わらず増え続ける「海外進出」を『体系化』 その1

冨田 和成(株式会社ZUU)

M&A助言会社のレコフが発表した最近の調査では、2014年1~3月の日本企業による海外企業のM&Aは26・9%増(前年同期比)の132件と、円安にも関わらず依然強い勢いが持続していることを浮き彫りにしました。国内市場縮小の危機感と海外市場の強い需要が各企業を動かしているように見受けられます。

前職ではもちろん、現在の立場でも企業の海外進出をお手伝いするケースが少なくないですが、昨年、海外進出や海外移住に関して、官公庁や民間企業など数回ほど講演をさせて頂く機会を頂きました。その際に、体系的なお話が出来ればと考え本やレポートなど色々リサーチをしてみましたが、あまり海外進出や海外移住に関して体系的にまとまったものが存在しませんでした。そこで、今回は、海外進出にあたって必要なことをなるべく体系的にまとめてみたいと思います。

1.海外進出を考えたキッカケは何か
2.海外進出の5W2H
3.海外進出で必要不可欠な8つのスペシャリスト
4.海外進出の6つのステップ

上記の4つのステップで、順番に説明していきたいと思います。少しばかりお付き合い頂ければと思います。

 

1.企業が海外進出を考えるとき

企業が海外進出を考えるキッカケは様々です。場合によっては、大きなリスクに巻き込まれるケースもありますので、多方面からご自身の立ち位置を考えることが必要になります。
進出のキッカケはだいたい以下の4パターンに集約されます。

◆ 自社発案
最も多いのが自社発案ですが、どこまでを自社発案というのか線引きが難しいかと思われます。例えば「取引先(大手メーカー)から言われて考えた」、「取引のある商社と話をしていて考えた」結果の自社発案を自社発案というのか微妙なところがあります。自社発案のパターンとして多いのは、「少子高齢化に伴う日本国内市場の縮小」、「取引先のグローバル化」を枕詞にした海外進出です。

◆ 日本における取引先からの打診
典型例は大手自動車メーカーの海外進出に付随して、部品メーカー群が進出するケース、或いは総合商社が中小企業群の進出をサポートするケースで共に製造業に多いパターンです。自動車メーカーのケースでは中華圏での進出が一巡したことから最近はあまり耳にしませんが、総合商社が東南アジア等で工業団地を整備して進出を促すケースはニュースで時折取り上げられます。稀に地方公共団体や中小企業の連合体等が共同進出するケースもあるようです。
呼びかける取引先が大手メーカー、総合商社の場合には煩雑な進出手続、インフラ整備等に投じる労力が節減できますが、場所や販売先等で経営の自由度に制限を受けるリスクもあろうかと思います。

◆ 展示会・現地観察の縁
分野にもよりますが、日本で開催される展示会にはアジア各国企業も出展、少なくとも視察に訪れるケースは多いようです。展示会で英語や中国語が飛び交う光景を耳にもすることも多いでしょう。各社ブースには商談スペースを設けていることも多いほか、商社等の取引先が訪れることもあろうかと思います。

◆ 政治的関係・属人的関係を伴うケース
最近では多くありませんが、内外の国会議員・地方議員が現地企業や工業団地を紹介するケースもございます。相手が相手だけに断りにくいこともあろうかと思いますが、この種の話は経済合理性よりも議員の面子や政治的な思惑が優先されるケースがあるので要注意です。「議員の紹介だから大丈夫」と思いがちですが、トラブル時に政治家が解決してくれる保証はありません。
該当国の有名政治家の親族・友人知人を名乗る「コーディネーター」も時として登場します。こちらについては虚偽であることも少なくありませんし、名刺を交換しただけの関係ということもありますので商社や銀行等のルートで「裏を取る」ことをお勧めします。海外進出においては親の自慢や友達の自慢ばかりする方を余り信用しない方が良いかも知れません。

関連記事:
「海外進出した日本企業からの教え Vol1~どの業種がどこに拠点を持つか?~」
http://kaigai.zuuonline.com/archives/344

「企業が海外進出を考えるとき~プロローグ編~」
http://kaigai.zuuonline.com/archives/203

 

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