法律・制度 2014年07月24日
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【ベトナムの真実】2014年ベトナムGDP成長率
旧正月が終わると、ベトナムの新年が始まります。田舎に戻ったワーカーの皆さんが戻ってきて、工場が通常稼働に戻るのは3月からだとは思いますが、証券会社やアセットマネジメント会社の人間は、かなり積極的に動いている感じがします。完全にストップしていた住宅プロジェクトの再始動や新規の工業団地の建設など、不動産関係でも徐々に前向きなニュースが出てきています。
2013年のベトナムのGDP成長率は5.42%で、計画投資大臣は「国内外に様々な課題・混乱があった中で、合理的な成長スピードとなった。輸出額が1320億ドルを越え、FDIも約230億ドルに達し、過去10年間で最低の消費者物価指数(5.6%)も実現できたことは、非常に明るいニュースだ」と自己評価していました。
ベトナム政府は、2014年の実質GDP成長率を5.8%と設定(2016年は6.0%)しており、2013年⇒2014年⇒2015年と彼らの考える合理的な経済成長が可能と見ています。外部の専門機関は、アジア開発銀行が5.5%/世界銀行が5.4%/HSBCが5.6%と予想する一方、伊藤忠経済研究所が政府見通しの5.8%も可能と見ているようです。
伊藤忠経済研究所のレポートでは、ここ数年大幅下落を繰り返してきたベトナム通貨ドンの安定性に注目しています。ベトナム国家銀行は、2013年5月の利下げ以降、政策金利を据え置いていますが、米国の金融政策次第では切り下げ圧力を強く受けることになります。また、5.8%の成長という国家目標の達成のためにも、金利切り下げを求められる可能性も高く、ベトナム通貨ドン相場の安定と景気回復の微妙なかじ取りが今年も要注目です。
伊藤忠経済研究も当然ながら注目している、もう1つの重要ファクターが、「銀行の不良債権処理問題」の行方です。ベトナム国家銀行が発表している銀行の不良債権額は、2013 年9 月末時点で142.3 兆ドン(約7,000 億円/融資残高の4.62%)で、年々大幅に増加しています。公表されている数字は氷山の一角だという見方も有力です。2013年7月にやっと国家債権買取会社(VAMC)が設立され、不良債権の買い取りが開始されています。公表されている計画通りに進めば、年内にも不良債権のVAMCへの移管が終了するはずですが、ベトナムで公表計画通りにモノゴトが進むはずもありません。移管した不良債権の処理方法や財政負担についてなども不透明なままですし、不良債権問題に目途がつくまでには相当の時間と紆余曲折が予想されます。こうした課題や世界経済の行方に翻弄されながらも、ベトナムが6%近い経済成長を2014年に実現できることを心から期待しています。
続きは次回、ヘンカップライ!
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