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海外ビジネス コラム

生活・文化 2014年09月08日

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インドネシアのリアルをレポート ― インドネシア人はどんな人?

江崎 晃司(TIS株式会社)

こんにちは。TISの江崎です。
(本コラムを初めてご覧になる方、初めまして)

前回の、インドネシアの天候や住居についてのコラムはいかがでしたでしょうか?日本とは気候が違うために色々と大変な面がありますが、そういった違いも楽しみながら海外での仕事をハッピーなものにしていければ良いことだと感じております。

さて今回は「インドネシアで生活する人たち(ローカル編)」についてお話いたします。こちらで仕事をする上では、やはり現地の人たちと仲良くなることが大切です。特にインドネシアはコネクションの世界。私も仕事をしている中で、非常に強くこれを感じます。何か困り事があれば「知り合いの会社に聞く」、何か仕入れるときは「知り合いの会社から」が当たり前。そういう世界でビジネスをしていくには、我々外国人もローカルの人と仲良くなる必要があります。

インドネシア基本情報

本コラムの読者は既にインドネシアへの興味をお持ちの方が大半だと思いますが、簡単に基本情報を。インドネシアはイスラム教徒が9割を占める国です。国の決まりとして、インドネシアで生活する人は何かの宗教を信仰しなければなりません。ですので、ムスリム以外にもキリスト教徒や仏教徒も(少ないですが)います。

人口は約2.4億人であり、日本の2倍の人口です。こういった人口の多さもビジネスチャンスになりうるため、多くの外国企業がインドネシアへの進出を考えています。また、インドネシアには多くの人種・民族が存在しています。ピュアインドネシア(プリブミと言います)もいるし、華僑の人もいます。もちろん、ハーフだって多い。ルーツが違うため、一概にインドネシア人は○○とは言えません。

華僑については、非常にクレバーでしたたかな人が多いと感じます。インドネシアの経済を支えているのは華僑であるとも言われ、財閥のほとんどが華僑系の人によるものであり、企業のトップも多くは華僑が占めています。(華僑は他の国にもいますし、皆さんもイメージがしやすいと思います)ピュアインドネシアについては、3つの視点から詳しくお話いたします。

事実その1:基本的に優しい人たち

インドネシア人は非常に優しい人たちだと思います。まず怒らないし、困っている人には優しく接してくれます。(前回のコラムで書いた、「傘をさしてくれる人」も親切心からなのかも?)

特に子供へは非常に優しいようで、日本では絶対に怒られるだろうことを子供がしても、ニコニコとして怒りません。子供は怒られずに育つとも聞きます。その結果なのか、よく言われる「怒られることに慣れていない」という話に繋がるのだと思います。怒るとすぐに会社を辞めたり、逆上してとんでもない行動をしたりする人もいます。

この国では、「命ほど安いものはない」と言われています。日本人駐在員の妻がメイドにきつく当たりすぎたため、恨みを買って殺害された事件も以前発生しました。ビジネスの場でもつい熱くなってしまうことがあるかと思いますが、感情に任せて怒鳴るようなことは避けたほうが良いでしょう。指導をしなければいけない場面では、個別に部屋に呼び出し、周りに誰もいない中で冷静に指導し、彼らの面子を保つことを心がけましょう。

勝手に交通整理員
(一台がやっと通れる小さいトンネル、そこを交通整理する彼は親切心から? それともビジネス?)

事実その2:ゆっくり、のんびり

インドネシア人は非常にゆっくり・のんびりとしている印象です。例えばモールを歩く際、前を歩くインドネシア人は非常にのんびり歩いていることが多く、せっかちな私はついイライラとしてしまいます。

また、この性格はビジネスにも表れます。仕事上、仕入先と見積書のやり取りをする場面が多くあります。日本人のビジネスパーソンからすると理解しがたいですが、見積もりの数量を変えるだけで1週間もかかったことがあります。のんびり屋なのか、優先度付けができないのか。理由は定かではありませんが、非常にゆっくり・のんびりしている人が多いということがお分かり頂けるかと思います。

余談ですが、家を建てる際の工期も延びるのが当たり前のようです。私の友人で半年延びている人がいます。半年で済めばいいですが、どうせまた延びるだろう、と本人は言っていました。そういった忍耐力もこちらでビジネスをするには必要なのかも知れません。

事実その3:生活水準の格差は激しい

成長真っ只中のインドネシアですが、生活水準の格差は非常に激しいです。同じインドネシア人(プリブミ)であっても、一方は週末にモールでブランド物を買い、一方は路上で物乞いをする。一方は高層マンションに住み、一方はその高層マンションの横にある長屋に住む。

ジャカルタ市内であってもこういった状況であり、郊外はもっと貧困層が多い印象を持っています。郊外で物乞いの親子を見かけたのですが、同じ子を持つ親として非常に心が痛かったことを覚えています。それと同時に「今の自分はとても幸せなんだな」と、日本では気付けないことに気付かされました。

ただ、噂では彼らはそれをビジネスにしているとも聞きました。あえて痩せこけて、子供もどこかから借りてくる。子供のレンタル業者もある、と聞きます。イスラームの教えとして「喜捨(ザカート)」というものがあります。これは「富める者は貧しき者に富を分け与えよ」というものですが、これに甘えているだけのケースもあるとか。一方で視点を変えれば、そうまでしないと食べていけない現実があるのだろう、と私は考えます。

長屋
(私のマンション(21F)からの光景。すぐ隣には長屋街が続く。)

最後に

今回のコラムはいかがでしたでしょうか。インドネシア、と一言でいっても色々な人種・民族がいます。それぞれが考え方も違えば、ビジネスに対する取り組み方も違います。信仰に配慮しなければいけない場面も多くあると思います。彼らを深く知ることで良好な関係を作り、ビジネスを発展させていかなければならない。今回のコラムがその一助となれば幸いです。

次回は視点を変えて、「インドネシアで生活する人たち(日本人編)」についてお伝えいたします。それではまた。

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江崎 晃司

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