商習慣 2013年01月17日
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インドネシア進出問答集⑥「1998年のような暴動が再発する危険性は?」
本連載では、インドネシア進出に関する問答集という形で、実際によくいただくご質問をご紹介しています。今回は、カントリーリスクに関する問答集となっております。1998年のような暴動が再発する危険性はあるのでしょうか?
社長:1998年の暴動の際は多くの日本企業が操業停止や帰国措置を取ったと聞きますが、またそのような事件が起きることはないでしょうね?
小野:絶対に無いと断言は出来ませんが、当時とは政治体制が大きく変わっていますので、当時と比べると可能性は低いと言えるでしょう。
1998年の暴動は、その前年にアジア通貨危機が発生し、物価の急上昇などで生活が追い詰められた民衆と、それに抗議した学生デモに対して何者かが発砲して死傷者が出たことが直接の原因でした。その責任を取って30年間にわたり独裁政権を続けたスハルト大統領が辞任に追い込まれました。
その後、短命の大統領が3人登場するのですが、2004年に初めて国民の直接投票により選ばれた、現在のユドヨノ大統領が推し進めて来た、民主化と経済政策が功を奏し、危険性の少ない現状に至っていると思われます。
社長:あの暴動の時には、多くの中国系インドネシア人が迫害されたそうですが、今でも彼ら華僑は以前と同じような境遇にあるのでしょうか?
小野:華僑と呼ばれる中国系インドネシア人は、人口に占める割合は3%くらいですが、昔からインドネシア経済の90%を支配しているとされ、永い間インドネシア人から反感を持たれていたので、あのような暴動が起きると真っ先に攻撃の対象にされて来ました。
暴動の直後は彼らの多くが他国に移住したり、資本も国外に移したりしたと聞いています。
しかし、インドネシア経済は依然として華僑資本に支配されています。そればかりか、以前は禁止されていた中国語のメディアが堂々と登場するようになり、2012年秋の選挙では首都ジャカルタの副知事に中国系インドネシア人が当選しました。
これらも現大統領の推し進めて来た民主化の成果であると思います。
このように、尖閣諸島問題などで海外進出先のカントリーリスクへの注目は高まるばかりですが、日本にとってのインドネシアは比較的安定した状態にあります。
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