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時事 2014年03月17日

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【海外進出白書 番外編】現地専門家が、ブラジルの進出トレンドを徹底分析

萩島 貴(アヴァンテ株式会社)

自動車・石油・旅行関連のニュースが目立った2013年

2013年に日本企業のブラジル進出の動きが活発だった業界として、まずは、自動車業界が挙げられます。トヨタ自動車、本田技研工業、日産自動車が相次いで、ブラジルでの新工場の建設を発表し、大手自動車メーカーの活発な投資に影響される形で、日清紡がブレーキ摩擦材の工場を新設するなど、自動車関連の部品メーカーなどの進出が増えた年にもなりました。

また、自動車以外では、ブラジル沖合での海底油田の開発に携わる日本企業のニュースが目立った年にもなりました。日本郵船・三菱商事、IHI・日揮・ジャパンマリンユナイテッド、東洋エンジニアリング、三菱重工業など多くの企業がブラジル沖での石油設備の建造プロジェクトに携わる動きを見せております。

ブラジルでは2014年にサッカーワールドカップ、2016年に夏季リオデジャネイロオリンピックを控えており、これらのイベントを睨んだ動きも出てきております。旅行会社のJTBはブラジル大手旅行会社と合弁会社を設立し、法人向け、個人向けの旅行商品の販売を拡大しております。また、カード会社のJCBもブラジル大手銀行と提携し、2014年4月からクレジットカードの発行を開始します。

進出済み企業の投資拡大の流れが活発化

2013年は2011年から2012年にかけてブラジルに進出した企業が、投資を増やすなどして、ブラジル市場開拓を加速する動きを見せた年でもありました。2011年にブラジルビール業界2位のスキンカリオール(現ブラジルキリン)を子会社化したキリンHDは新たに約150億円を投じ、ブラジル現地工場の生産能力を2倍程度に引き上げることを発表しました。また、買収したブラジル企業を母体に2012年から仮想商店街の出店を始めた楽天は、店舗数を今後1年で3倍弱の1500店に引き上げることを発表しています。

人口増が見込める新興国市場の成長を取り込む動きとして、育児用品メーカーの動きも活発になっております。ユニ・チャームは2014年春からサンパウロ州に現在新設中の自社工場で乳児用紙おむつの生産を始め、ブラジル市場での販売を開始します。ピジョンも得意とする哺乳瓶などの主力商品の販売を開始します。まずはタイや中国などからの輸入品で対応し、2017年1月までに現地生産を始めることを発表しています。

第2次ブラジル進出ブームの兆し? 再進出案件が増加

ブラジルへ進出した日本企業の数は2013年中に約400社となりました。1980年から1990年にかけて日本企業のブラジル進出ブームがあり、最大で1000社ほどの日本企業が進出していました。しかし、1980年代のブラジル債務危機とそれに伴うハイパーインフレ(1992年 年率1119%、1993年 年率2477%)に耐え切れず、多くの日本企業が1990年代後半に撤退しました。近年、一度撤退した企業の再進出の動きも増えてきており、再びブラジルへ進出する日本企業の動きが活発になってきております。

2014年は2013年に進出の動きが活発だった業界に加え、ブラジルで雨不足によって露呈した水力発電に頼ったエネルギー供給体制を補うために、エネルギー関連企業の投資が増えるのではと予想しております。また、オリンピックに向けた、交通、街づくり、通信整備などのインフラ事業への参入、高齢者が徐々に増えてきているブラジルの介護関連事業への参入などの新たな動きも活発になると思います。
底堅いブラジルの国内消費が支えとなり、衣料メーカーや飲食企業など、ブラジル内需を取り込むための、日本企業の進出も増えるでしょう。

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