時事 2015年01月28日
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【特集 2014年総括&2015年予想】マレーシアの為替の影響
マレーシアの物価は安い?
日本からみた進出計画国の通貨為替の高低は、イコールその国への投資難易度とある程度連動するかと思いますので、今回は為替変動がもたらすトレンドへの影響について書きたいと思います。
現在、マレーシアの全般的な物価コストは年を追うごとに上昇しており、もはや10年ほど前のキャッチフレーズになっていたような「日本の1/3の低い物価」というような水準ではありません。日本から観光でやってきた友人などがよく言うのは「思ったほど物価は安くない。食事なども少しいいレストランに入ると日本よりも高い感覚だ」ということです。政権が民主党から自民党に戻った2012年以降のアベノミクスで急速にすすんだ円安シフトを振り返ってみると、2012年頭では1リンギット=24.45円だったのが、3年を経て2014年末の時点では1リンギット=34.15円まで円安(リンギ高)がすすみ、対円のリンギレートは実に40%も上昇しました。日本の投資家から見ると、これはすなわちマレーシアの物価コストが一気に4割も上昇してしまったことに他ならず、今後もこのトレンドが継続していくとすれば、日本からの事業投資だけでなく、リタイアシニアの方々の移住、子供の教育のための母子移住、不動産や金融投資など、ヒト・モノ・カネの流れが鈍化していく圧力要因になっていく可能性があります。追い打ちをかけるように、今年2015年の4月からは、6%のGST(付加価値税)の施行が開始されます。そうなるとこれがさらに物価コストの上昇要因になることは間違いないと思います。
円安の流れが途方もない「外需」マーケットを産んでいる
皮肉な話ですが、今マレーシア人の間では日本観光旅行ブームに火が付いており、身近にも毎年大家族で北海道旅行を恒例イベントにしている人もいます。彼らが言うのは、「日本の物価は安い」というひと昔前では信じられないコメントです。日本政府の調べでは、昨年世界各地からの外国人観光客は1300万人を突破し、一人当たり平均約17万円の旅行支出をしているということなので、円安の流れが途方もない「外需」マーケットを産んでいるという見方もあります。そういうことで過去からの様相が一転している状況もあるので、これからの通貨為替の流れを引き続きしっかりウォッチしていく必要があると思います。
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