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海外ビジネス コラム

営業戦略 2015年06月22日

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海外で販売パートナーを見つけよう(2)「販路開拓の基本プロセス」

大澤 裕(株式会社ピンポイント・マーケティング・ジャパン)

海外販路開拓には一応のセオリーがあります。販売先が欧米であろうとアジアであろうと同じです。以下のような手順を踏んでください。

海外の販路開拓に向けた基本プロセスとは?

販売提携:現地の販売パートナー(販売代理店)との提携
  ↓
自社の販売体制構築:実際に売れると確認。必要なら海外子会社・自社販売店を設置
  ↓
在庫倉庫の確保:必要なら、在庫を現地にもって迅速・安価に配送
  ↓
現地生産体制(工場)の確立:必要なら、現地生産の開始

このプロセスを、より具体的に考えてみましょう。

たとえば、東南アジアに販売したい製品があるとします。

まず、やるべきは東南アジア各国にその製品に適した販売代理店を見つけることです。タイ、インドネシア、フィリピン、マレーシア、ベトナムに適切な販売代理店を見つけて彼らに販売をしてもらうのです。

もしフィリピンの販売パートナーの売上が伸びていったなら、そこに日本から販売・技術スタッフを送りこんで支援するとよいでしょう。売上の伸びは加速するはずです。

また販売代理店契約が切れたタイミングで、関係を解消して自社の販売子会社を設立するという選択もありえます。すでに売上が発生しており、地元の慣習も理解をしている状況ですからリスクはありません(ただし、契約の解消には注意が必要です。詳細は『中小企業が「海外で製品を売りたい」と思ったら最初に読む本』をご参照ください)。

さらに製品が売れるようであれば、フィリピンに在庫倉庫を持ちます。輸送費は安くなり、配送期間は短くなります。もっと売れるようであれば、最終的にはフィリピンでの現地生産を開始します。

無謀なプロセスを踏んではならない

以上のような流れが、一番無理のない海外販路開拓のセオリーと言えます。
ときどき次のような相談を受けます。

「この製品を東南アジアに売り込みたいのですが、日本で生産して向こうにもって行って販売しても利益が出ません。だから、まずは東南アジアに工場を建設しようと思うんです」。

ですが、これは無謀というものです。

まだ製品が売れるか、売れないかまったくわからない状況で、莫大な投資が必要な工場建設はリスクが大きすぎます。まかり間違えば、日本本社が傾きかねません。

ここで言っておきたいのは、私は東南アジアに工場を持つこと自体を否定しているわけではない、ということです。会社および市場の全体的な状況から判断して、「フィリピンに工場を作った方がよい」という判断はありえるでしょう。

私が問題にしているのは「フィリピンにモノを売り込む目的で、フィリピンに工場を作る」という“目的”の部分です。それはリスクが大きすぎはしないでしょうか。

まずは販売先を確保することが先決です。そして、販路開拓の第一歩は、海外に適切な販売代理店をみつけることです。その候補会社とミーティングの場を設けて、提携の可能性を協議するだけでも大きな情報が得られます。

多くの場合、当該国で複数の販売代理店候補の言うことは一致するからです。どの製品に可能性があるか、どういった市場に売り込めるか、製品の機能や形状や色が適切かどうか、といった点については、まるで打ち合わせしたかのように一致する場合が多いのです。

もちろん、エンドユーザーに直接にアプローチできればよいのですが、エンドユーザーにとっては知らない日本企業からのアプローチはただの売り込みにすぎません。「売り込み」と分かった瞬間にドアを閉めてしまう人が多いのは世界のどこでもいっしょです。特に、海外の聞いたこともない中小企業からの売り込みなど、一顧だにされないのが普通でしょう。

エンドユーザーではなくビジネスチャンスを探している販売代理店候補だからこそ、こういったミーティングが可能になるのです。では、どんな販売代理店があるのか、自社の製品や体制に合う販売代理店はどのように選べばいいのか、次回以降でご紹介していきます。

【筆者からのお知らせ】
この度、上記のような内容を詳しく解説した「中小企業が『海外に製品を売りたい』と思ったら最初に読む本」(ダイヤモンド社、1600円)を刊行しました。
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また6月24日に東京原宿のダイヤモンド社で出版記念セミナーも行います。

申し込みはこちら→ http://diamond.jp/ud/bkseminar/5566bf3ab31ac91c8d000002

このコラムの著者

大澤 裕

大澤 裕

(株式会社ピンポイント・マーケティング・ジャパン)

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