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海外ビジネス コラム

時事 2013年01月30日

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5年後に起きてもおかしくないBig Shift! グローバル化とは何か?

出井 伸之(クオンタムリープ株式会社)

グローバル化する社会の中で、日本企業の取るべき戦略はどういったものなのでしょうか? また、中小企業の生き残る道は? 「新維新コラム」では、いち早くアジアの可能性に言及し、日本とアジアの「人」「技術」「資本」を掛けあわせてイノベーションを起こそうと考えている元ソニーCEO・出井伸之氏に、世界のビジネス事情や、海外の会社と日本企業の違いなどについてご執筆頂きます。

5年前にスマホはなかった。過去の成功にとらわれるな!

2018年の1月、今からちょうど5年後、私たち日本人がどんな生活を送っているか、想像してみてください。
東京オリンピックを2年半後に控え、胸を躍らせているのか?
それとも、相変わらずの不景気に喘ぎ、何も変わらない政府に嫌気が差しているのか?
そして、今と同じように、新聞を読んだりテレビを見たりしながら、電車で会社まで通い、働いているのか?

おそらく、そこには想像もつかない世界が広がっています。
例えば、5年前にスマホはなかった。今、ソニー、パナソニック、シャープといった日本を支えてきた企業が苦しんでいます。その原因はテレビが売れなくなったからではなく、スマホに乗り遅れたからです。もちろん日本企業だけではありません。あのマイクロソフトも苦労している。ノキアもボロボロです。過去の成功にとらわれてはダメなのです。次の次を捉える。
テレビで負けたというならば、もうやめればいい。だからといって、今からスマホを開発しようというのはあまりにもナンセンスです。ただ、日本の大企業たちは平気でそういうことをしているわけですが……。グーグルやアップルだって5年後どうなっているかはわからないですよ。

グローバル化の意味は変化する! アジア中心の経済へ

そして、現在急速に進んでいる経済のグローバル化についても5年後には大きな変化が起きているかもしれません。そもそもグローバルという言葉の意味するところは、時代によって変化しています。そのことは、グローバルという言葉を「世界標準」という言葉で考えてみるとわかりやすい。世界標準は時代によって移り変わっています。そういう意味で、日本のグローバル化が最も進んでいた、つまり日本が世界標準に近かったのは大正時代から昭和の初期にかけてだと思います。

その後、第二次世界大戦の敗戦を経て、日本は欧米を目指したグローバル化を推進してきました。そうこうしている内に、いま出てきたのはアジアを中心とするグローバル化。いつの間にか、世界標準が変わってきていたのです。
「今でも欧米が世界の中心だ。現にアジアビジネスでも英語が使われているではないか」と言いたくなる人もいるかも知れません。もちろんグローバル化において、英語は今でも必須。しかし、それは単なる標準語というだけに過ぎません。少しずつですが、着実にアジアへと主導権が移ろうとしています。

ピンチはチャンス! Uniqueな企業が主役の時代が来る

さて、こうした大きな変化は、大企業にとってはピンチです。でも小さな会社にとってはチャンスであるはず。情報に惑わされず、どっしり構えて、5年後に起こりそうな変化に備えて動く。もっと言えば5年後の変化を自分たちで生み出していくことを目指すべきなのです。そう考えると変化に強い、大きくはないけれどUniqueな企業が、主役になってくると思います。もちろん、大企業でもそうした事業が立ち上がる可能性はあるでしょう。

技術が変われば、産業が変わります。そうした産業を育成する政府がいなければいけない。これから政府の役割は重要になってくるでしょう。中小企業を中心に日本の経済システムを変える必要があるかもしれません。それでも、おそらく日本が5年後に世界経済のトップ5から落ちることはないでしょう。現状を見ると、相対的に良い位置につけていますから。

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出井 伸之

(クオンタムリープ株式会社)

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