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海外ビジネス コラム

その他 2012年07月05日

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『「まずは代理店!」海外への販路拡大、成功のための4つのステップ』

大澤 裕(株式会社ピンポイント・マーケティング・ジャパン)

 

海外でも売れそうなユニークな製品を開発した中小企業が共通してとる失敗パターンがあります。

まず誰しもが考えるのは「海外展示会に出してみよう」という事です。

ところが、ほとんどの中小企業にとって海外展示会出展は骨が折れる仕事です。

展示会の申し込みから、英文カタログの準備、製品の配送、現地での受け取り、ブース準備、期間中の顧客対応等々、始めての経験ばかりで展示会が終わったらドッと疲れが出てしまいます。

売り込みの本当の勝負は展示会終了からです。

ブースに来てくれた見込み客をフォローアップしなければならないのですが、現地にフォローアップするセールスマンはおろか、連絡先の現地での国内電話番号もないのが普通です。はるか海を離れた日本から1ヶ月後に下手なメールでフォローしたところで売れるほど現実は甘くはありません。

結局、「展示会は盛況だったが売れなかったね」という結果になりがちです。

 

この段階を経て、お金がある企業はこう考えます。

「やはり、海外に売り込むためには現地にフォローアップするスタッフが必要だね。」 で、いきなり中国上海や米国ロサンゼルスに支店や子会社を設立したりします。

日本語と現地語ができる人を社長にして、若いセールスマンを2人、秘書を1人雇うと、経費は馬鹿になりません。会社設立費用やオフィス代も含めると、年間1000万円単位の出費となります。結果、数年たっても思うようにうれず、数千万円以上の赤字を出して撤退する企業は後を絶ちません。

さらに極端な例になると、日本から製品輸出をしたのでは価格が高くなるからと、いきなり現地生産を検討する会社もあります。まだ一つも売れていない国に売り込むのに現地生産体制を構築するのは明らかに行きすぎです。こんな方法しかなかったのでしょうか?

 

海外販路網構築にはセオリーがあります。

1.現地企業(複数)との販売提携(代理店契約)

2.よく売れる地域では、代理店契約を解消して自社販売店の設立

3.更に売れるようなら在庫倉庫の建設

4.更に売れるようなら製造工場の建設

というのが手順です。はじめから自社販売店や工場を建てるのはセオリーに反するのです。まずは現地に代理店を持ち、試しにいろんな製品を出してみて、少しづつ販売実績を積み、現地事情を十分に理解した上で、良く売れる国や地域から徐々に自社販売に切り替えていくのです。さらに売れるようなら在庫倉庫・工場建設と進展すれば、どこかで失敗してもリスクは格段に低くなります。

その第一ステップである現地の「販売代理店」との提携。日本では「代理店」という言葉を商社や問屋と定義上の区別がなく使っています。

しかし海外では製品を購入し再販売する「ディストリビューター」と、販売の手伝いだけをして総売り上げの%をコミッションとしてもらう「セールスレップ」に分けられる事が多いです。

その定義上の差は販売店が「売る物の所有権を持つか否か」です。しかし、そこから普通の日本人には及びもつかない様々な違いやメリット・デメリットが生まれてきます。

広大な国土にモノを売り込むために販売代理店網の構築が必須だった諸外国では、そういった区別をつける必要が生じたのです。

それに対して国土が狭く単一言語の日本では代理店網構築の必要性もそれほどなく結果として外国への代理店網ノウハウもたまっていません。

「いいモノを作れば勝手に売れる」とモノづくりに励むばかりです。口コミの要素が強い日本では通用しても海外では無理な話です。

本コラムでは「海外の販売代理店網の構築はいかにあるべきか」という視点を中心として様々な実例やその裏にあるセオリーを説明していきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

 

このコラムの著者

大澤 裕

大澤 裕

(株式会社ピンポイント・マーケティング・ジャパン)

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