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海外ビジネス コラム

その他 2012年07月18日

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御社のインドネシア進出は成功するか? チェックしておきたい2つの評価基準

小野 耕司(インドネシアビジネスサポート)

このコラムは3ヵ月間にわたり毎週一回、合計12回の連載でお送りします。

2回目のテーマは、『インドネシアに出て行って大丈夫か』です。

 

取引先の大手企業がインドネシアでの現地調達を進めており、早く現地へ出て来いとの無言の圧力がかけられていませんか?
インドネシアの投資環境は色々と調べてみましたか?
商工会議所や金融機関が主催する現地視察ミッションにも参加しましたか?
現地の高度成長の空気に煽られて、焦ってはいませんか?

九分九厘、インドネシアへの進出が決まっているとしても、もう一度足元を見つめ直してみましょう。
コスト計算や販売見通しを見直すことではありません。
それらはあくまでも結果であって、大事なのはそれらを決める要因なのです。

要因として、企業経営の習熟度、あるいはその中でも主流をなすサプライチェーンの性能を評価することをお薦めします。
幸いこれら二つについては、世界的に普及しており、その効用も実証済みの評価指標がありますので、それらを参考にすることが出来ます。

評価指標については後で説明しますが、ここで大事なことは、まずは現状を評価してみることです。
中には普段聞きなれないような項目もありますが、今まで気が付かなかった自社の強みや弱みを再発見するはずです。

次に、現状の弱みで改善出来るところを探してみます。
これによって、売上増やコスト低減の新たなネタを発見出来るかもしれません。
もう乾いた雑巾と思っていても、視点を変えて見ると、意外とネタは残っているものです。

それではいよいよ、これまでに集めた情報をもとに、インドネシアへ進出した場合の評価を行ってみましょう。
もし、可能であれば、タイ、ベトナム、ミャンマーについても同様に試してみましょう。
二つの評価指標は全て定量値でグラフ化出来ますので、日本での現状、改善後、インドネシア、タイ、ベトナム、ミャンマー、それぞれの結果を見比べてみましょう。

もしかしたら、日本国内でもっと頑張ろうと思い直すことになるかもしれません。
それはそれで一つの選択肢でしょう。
予定通りにインドネシアへ進出するにしても、どこに気を付けなくてはいけないのか、強みとして活かせるのはどこなのか、それらを把握して出て行くのと、売上確保とコストダウンだけを目的に出て行くのでは、大きな違いがあります。

それでは一つ目の評価指標である、企業経営の習熟度について説明します。
これは、企業経営の習熟度を以下に要約される9分野からなる約100項目について、『何も出来ていない』から『素晴らしい成果を出している』までの5段階で評価するものです。

①戦略的計画立案はプロセスで管理されているか
②人材管理および指導は企業文化として根付いているか
③ビジネス改善力が仕組みとして確立されているか
④統合された事業運営が出来るように色々な計画は同期が取れているか
⑤製品およびサービス管理はポートフォリオとライフサイクルに基づいているか
⑥需要管理の情報は可視化されて共有されているか
⑦サプライチェーンの計画と実行はプロセスで管理されているか
⑧内部供給管理によって能力とリソースはバランスが取れているか
⑨外部調達管理によってリスクと優位性はバランスが取れているか

二つ目の評価指標であるサプライチェーンの性能は、前述の⑦と似ていますが、会社のライン業務の根幹を成す部分を、体系化されたルールで測定してみるものです。

話は少し逸れますが、東日本大震災の後、国会においても、そして多くのメディアでも、サプライチェーンの再構築が叫ばれました。
しかし具体的な進め方について語っていたところは、残念ながらほとんど見受けられませんでした。
出てきたとしても、調達先を分散させる、安全在庫の持ち方を変えるなどでしたが、これらは何百とある改善施策の一つに過ぎません。

ここで述べる評価指標とは、これら何百とある改善施策、あるいは全く新しい独自の施策を、正しく選択して、そして正しく実行するためのもので、具体的には以下の五つの観点から洞察します。

①このサプライチェーンはお客様の信頼に応えているか
②このサプライチェーンはお客様が納得出来る時間で応答しているか
③このサプライチェーンは市場の急激な変動に追従出来ているか
④このサプライチェーンは適切なコストで運営されているか
⑤このサプライチェーンは適切な在庫や資産で運営されているか

日本の現場のものづくりの力が、益々厳しくなるグローバル競争において、これからも強力な武器であり続けるため、以上のような観点で、足元をもう一度見直したいものです。

次回のテーマは、3. 立上までの長い道のり、です。ではまた来週お会いしましょう。

 

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小野 耕司

(インドネシアビジネスサポート)

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