法律・制度 2013年09月02日
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アメリカ進出成功のための特許法講座 その5 公表された発明であっても特許され得る?(その4)
引き続きグレースピリオドの3つのケースを説明いたします。今回は3つ目の「発明者・発明者由来の先行公表例外」です。
発明者等又は発明知得者がある主題を公表し、その後グレースピリオド中に公表された同一の主題も102条(a)(1)における先行技術とはなりません。
例 えば、下図に示すように、出願Xのグレースピリオド中に発明者Aが発明イを刊行物D1に発表し、その発表の後、発明者Aとは無関係な第三者Bが同一の発明 イについて刊行物D2に発表した場合、第三者Bによって刊行物D2に記載された発明イは102条(a)(1)における先行技術とはなりません。
発明者・発明者由来の先行公表例外
この規定は、発明者等により先に公表された「主題」に着目するものであるため、発明者等による公表の形態(例えば公報であるのか、刊行物であるの か、公用であるのか、販売であるのか)が第三者による発表の形態と同じである必要はありません。また、発明者等による公表が第三者による発表と文言上全く 同じである必要もありません。例えば、発明者が学会のプレゼンテーションでスライドを用いて主題を公表し、第三者が学会誌において発表した場合において、 その発表の仕方や文言が違っていても本規定が適用され得ます。
また、第三者によって発表された主題のうち、発明者等により公表されていないものについては、本規定の適用はなく102条(a)(1)における先行 技術となります。例えば、発明者等が要素A、B、Cを公表した後に、第三者が要素A、B、C、Dを発表した場合、要素A、B、Cについては本規定の適用を 受け得ますが、要素Dについては102条(a)(1)における先行技術となります。
さらに、第三者により発表された主題が、先に発明者等により公表された主題をより一般化して表現されたものである場合には、本規定の適用を受けるこ とができます。例えば、先に発明者等が下位概念を公表し、その後に第三者がそれを上位概念化したものを発表した場合、第三者により発表された上位概念は 102条(a)(1)における先行技術とはなりません。反対に、先に発明者等が上位概念を公表し、その後に第三者がその下位概念を発表した場合には、第三 者により発表された下位概念は102条(a)(1)における先行技術となり得ます。同様に、先に発明者等がある下位概念を公表し、その後に第三者が別の下 位概念を発表した場合には、第三者により発表された別の下位概念は102条(a)(1)における先行技術となり得ます。
発明者・発明者由来の先行公表例外に該当する場合、出願人は、先行技術であるとされた発表に係る主題が、その発表の前に発明者等又は発明知得者によ り公表されていたことを明らかにした宣誓供述書又は宣言書(先行公表の宣誓供述書・宣言書)を提出することによって本規定の適用を受けることができます (改正規則1.130(b))。
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