法律・制度 2013年09月19日
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カンボジア進出時の合弁会社設立において知っておきたい最新事情
今回は、合弁会社設立に関する最新の運用上の課題について、共有させて頂きます。
株主総会に関する規定を明確にすることが大切
現在、カンボジアでは合弁会社の設立案件が徐々に増えてきています。合弁契約書や株主間契約書の作成に際しては、取締役会や株主総会など機関に関する規定を明確に定めることが非常に重要となります。
カンボジア会社法上、通常株主総会は、会社設立後12ヶ月以内に実施する必要があります(会社法206条)。特別(臨時)株主総会の開催は、株主もしくは取締役の請求により、いつでも開催することが可能です(同法206条、207条)。
会社法上の定員数と議決権については、以下の表の通り規定、解釈がなされています。まず、そこで注意しなければならないのは、株主の頭数も定員要件となるかという問題です。
例えば、シンガポールなどでは、2名以上の株主が出席しなければ、決議は成立しない旨が規定されていますが、カンボジアではどのように規定されているのでしょうか。仮に株主の頭数も定員要件に含まれるのであれば株主の人数なども考慮して、株主間契約や合弁会社を設立する必要があります。
この点、カンボジア法上においては、株主総会決議において株主の頭数は考慮されず、議決権を有する株式数のみを基礎に判断されます。したがって、契約書作成や合弁会社の設立に関しては、特に株主の頭数を考慮する必要はありません。
合弁契約に関する落とし穴にも注意が必要
決議に関しては、運用上において重要な問題があります。会社の合併、解散や定款の変更に際しては、法律上、特別決議(下記表の通り)を実施することが義務付けられています。
しかしながら、各種定款の変更や解散手続きの開始など商業省を通じる申請、登録に関しては、議決権を有する株主全員の合意および署名が求められています(事実上、それを証明する書面がないと商業省は各種申請を受け付けてくれません)。
つまり、「出席株主の3分の2以上」という特別決議の規定は完全に無視されており、カンボジアでは、現地パートナーの合意を得られず解散や撤退の手続きが取れないといった事例が多く発生しています。
この法律と運用の乖離を踏まえ、現地パートナーの選定や合弁契約書の締結には慎重を期す必要があります。合弁契約については、「急がば回れ」を合言葉に、腰を据えて交渉に望まれて下さい。
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