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海外ビジネス コラム

法律・制度 2014年04月17日

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マレーシアでも「ハラル」ブーム。その中で御社が採るべき戦略は?

鵜子 幸久(桜リクルート社(マレーシア))

ハラルとはなにか? ハラル認証とはなにか?

最近になって「ハラル」という言葉を耳にされた人も多いと思います。ハラルとは簡単に言うと「イスラム教徒に対して安全であり有害でないもの」という意味です。経済成長著しいアセアンを市場ととらえ、昨今日本から多くの飲食ビジネスや卸売小売ビジネスなどが上陸してきていますが、隣国インドネシアも合わせるとアセアンには実に多くの人口のムスリム(=イスラム教徒)がいます。そういう彼らをメインマーケットにするのならば、提供する食品などの「ハラル認証」をまず取得することが避けられない状況があり、毎月のように日本からハラル視察団体が押し寄せてきているのを目にします。

マレーシアでは人口の65%がマレー系民族であり、それはイコールその人口のムスリムがいるということですから、例えば日本のなんらかの食材を日本から輸出、あるいは現地生産する際に、ムスリムを客として取り込もうと想定する場合はハラル認証を取得し、パッケージに認可されたマークを入れないと安心して購入してくれません。認証の申請先はJAKIM(マレーシアイスラム開発局)という役所になり、かなり厳格な審査を経て、商材ごとに認証の可否が出されます。味の素やヤクルト、最近ではキューピーなどこちらでハラル認可をとりマーケットを拡大し、現地で根付いている食品メーカーもあります。

「ハラル認証を受ければ、売れる」は大きな間違い

一方でハラル認可取得は義務ではありません。マレーシアの人口の約35%が「非ムスリム」であり、その主たる構成員が、富裕層が多く購買力の高い「中華系マレーシア人」です。彼らの多くは豚やアルコールなども好み、かえってハラル対応のレストランに入ったりはしません。少し前からラーメンブームが始まっていますが、日本の有名な「とんこつスープ」を売りにしたラーメンチェーンに多くの非ムスリムマレーシア人や外国人が溢れているのをみると、それも別の当を得た戦略になっていると考えさせられます。

もうひとつ、日本人の中には「ハラル認証さえ取得すれば、自社の食材や調味料は間違いなくイスラム圏で売れる」と鬼に金棒のように思い込んでいる人が少なくないようですが、せっかくハラルを取得したにもかかわらず、中には見向きもされない商材もあるのが事実です。見落としてはならない大切なこととして、「ハラル」という言葉に踊らされすぎず、認可申請の前にその食材や調味料がそもそも現地人の食文化や味覚に合い本当に受け入れられるものか? 価格帯はどうか? というマーケティングと検証がまずは大切なのでは、と考えます。

このコラムの著者

鵜子 幸久

鵜子 幸久

(桜リクルート社(マレーシア))

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