法律・制度 2014年06月03日
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IT企業必見! マレーシアの優遇措置制度「MSCステータス」とは?
大きな4つの特典がある「MSCステータス」とは?
マレーシアでは、今から18年前の1996年のマハティール首相時代から国家プロジェクト「マルチメディア・スーパーコリドー(MSC)計画」を打ち出し、自国をITハブにしていくべく、海外先進国から関連産業の誘致を積極的に行っています。それを推進する手段として、進出企業のうち然るべき要件を満たした企業に対しては、各種の優遇措置や特典を与えており、これらを総称して「MSCステータス」と名付けています。主な特典は下記となります。
(1) 最長10年間、法人税を免除
(2) 日本人を含む外国人の自由雇用
(3) マルチメディア関連機器の輸入税免除
(4) 外資規制の撤廃
このMSCステータスを取らなくてももちろんIT事業やマルメディア関連事業を行うことはできます。しかし上記の優遇措置はかなり魅力的な条件のため、現在日本から進出してきた関連産業の多くの会社がこのステータスを取り、有利な条件で事業運営を行っています。日本からはNTTやKDDIなどの大手通信会社から、個人経営の小規模なソフト開発会社やマルチメディア関連会社、ゲーミングやアニメーションの制作会社、あるいはCADやプリント基板設計会社、コールセンターやBPO関連に至るまで適用されており、顔ぶれも多彩です。
取得ハードルが高くなってきている
このMSCステータスの取得にあたっては応募のガイドラインが決められています。この領域を管轄する、政府のマルチメディア委員会 (MDeC)に対して、3年間の事業計画と収益予測、開発内容や移転技術のバックグラウンド、現地社員の採用・育成計画、日本人駐在員の学歴や職歴など、相当詳細で具体的な英文での事業計画書の提出が求められます。また書類審査だけでなく、政府担当者への口頭説明や、担当者が事業所に出張してきての現地審査も行われる場合があり、かなり取得ハードルは高いのが現況です。
MSCステータス制度が始まったばかりのころは、ものの1ケ月で取得できていた時代もありましたが、正直現在では相当に厳格な資格となり、MDeCからは不十分を理由に申請書類を何度も突き返されて、認可に数年かかったという事例も出ています。要は無税措置や日本人の就労ビザの無制限取得などの「美味しい部分」を得ることしか眼中にない中身のない企業を振るい落としていくためのプロセスを政府が作っていることは当然かつ健全だと思います。
ありのままを書きましたが、そのうえでマレーシア国家への技術移転や人材雇用育成を前提に共存共栄していきたいと考える日本企業はどんどん申請にチャレンジしてこの特典を享受されるべきだと考えます。
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