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海外ビジネス コラム

法律・制度 2015年03月23日

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マレーシアで飲食店を開業する際の資金計画について

鵜子 幸久(桜リクルート社(マレーシア))

マレーシア起業のためにクリアすべきハードルとは?

 
経済発展と国民の富裕化を背景に、ここマレーシアで起業を計画されている人も多いと思います。最近では日本から飲食業進出の相談もたくさん受けるようになっています。現地生活者のひとりとしてもレベルの高い飲食店が現地に増える事は喜ばしいと思います。しかし反面、過去から何百人の人たちに起業アドバイスをさせていただいてきた中で、目をそむけられない条件とクリアすべきハードルがいくつか存在するのも事実ですので、今回は現実を書きたいと思います。

◆ マレーシア起業のためにクリアすべきハードル
起業の第一歩は自らの会社を設立することです。会社設立自体は、発起人2名以上がいればカンパニセクレタリ会社に依頼して1ケ月以内で簡単に完了します。その時の会社の資本金はわずか2リンギ(約66円)です。仮にオーナーである皆さんが現場に立って就労せず、ローカル人材を雇用してすべてをまかせる、ということならこの状態でも構いません。しかしほとんどがオーナー自ら現場に立ち事業をけん引していったり、日本人の駐在員や現地採用者の力を借りたりするケースだと思います。非マレーシア人がこの国で働く以上「就労ビザ(EP)」の取得がマストですが、ここでEPを取得するために課される壁が立ちはだかります。下記にその条件をまとめます。

◆ 日本人の就労ビザ取得の前段階の具体的要件
① マレーシア国内に法人 (Sdn.Bhd.) が設立されていること
② 現地にその法人の当座預金口座(Current Account) が開設されていること
③ その口座に資本金が払い込まれ、増資登記が完了されていること
(飲食・小売卸売・他サービスは最低100万リンギ:約3300万円)
④ 市役所が認める店舗物件を賃借しビジネスライセンスを取得できていること
⑤ 事業に必要な管轄省庁MDTCCの卸売小売業ライセンスが取得できていること
⑥ 日本人オーナー含むEPが必要な人の現地給与が最低5000リンギ、できるなら8000リンギ以上であること。またマレーシア人ではだめな理由づけがあること。
この6つの要件を満たしていって初めて入国管理局に日本人のEPの申請が許されるということです。

現在検討中の「スタートアップ・ビザ」に期待

特に上記③の条件が大きなハードルになるのは事実です。ただ物価コストがもはや低くないマレーシアで、仮に当初2~3年利益が出ずとも事業を継続していくためには、これくらいの資金は必要だという点、小規模のローカル飲食店を脅かさないため高級な飲食店に限定されるという点で政府のガイドラインは理に叶っています。最近モントキアラという高級住宅エリアでレストランを開業した日本人オーナーの店の例では、約70坪ほどの店の家賃が月に50万円、人件費が月に100万円ほどかかっています。これに食材原価やその他の経費がかかるわけです。そういう意味で、事業計画の中の資金計画が十分に策定できているかということが重要です。なお、政府は条件付き・低資本で外資の小規模事業を許可する「スタートアップビザ」というものを現在検討していますので、この制度がスタートすれば道が開かれ、ビジネスチャンスをつかむ人が多数出るのではと期待しています。

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鵜子 幸久

(桜リクルート社(マレーシア))

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