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海外ビジネス コラム

市場動向 2013年08月05日

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進出成功のために知っておきたい 「ミャンマー投資環境」を総ざらい

迫川 敏明(株式会社VACコンサルティング )

はじめに

2010年11月7日の総選挙後、ミャンマーは民主化に向け動き始めました。2012年4月1日の補欠選挙でアウンサンスーチー女史が当選すると、その動きは加速していきEU・アメリカの制裁解除へと繋がっていきました。まさに今年はミャンマーの国際舞台復帰年といえるのではないでしょうか。アジア最後のフロンティアといわれるミャンマーのゴールデンタイムの幕開けだったと10年後に語られているかもしれません。さてこれから4回にわたり「ミャンマー投資環境」・「会社設立」・「税務/会計」・「労務」について現地最新情報を踏まえご説明させて頂きたいと思います。まず、第1回目の今回は、ミャンマー投資環境と題し、基本的なインフラ環境を中心にご説明させて頂きます。

 

オフィス状況

ヤンゴンのオフィス状況は極めてタイトであり、なかなか希望するような物件を探すことは難しいと言えます。例えば日本企業の入居率が高い「サクラタワー($90/㎡)」「FMIセンター($80/㎡)」などアジアでもオフィス賃料が極めて高い国となっています。それでも空きがない状況となっています。もちろん安い事務所もあるものの設備を見るとなかなか日系企業の希望を満たすものではありません。仕方がなくホテルの1室を借り切り事務所にしている会社もみうけられます。

 

サービスアパートメント

サービスアパートメントに関してもオフィス事情同様に厳しい状況と言えます。ヤンゴン市内で外国人用のサービスアパートメントは10件もなく金額も非常に高騰しております。例えばこの前まで$3,000であったコンドミニアムがつい最近、$5,000になったそうです。このように3,000-5,000ドルはしますが、それでも200~300人待ちと言われています。今年に入り少しはサービスアパートメントも建設はされていますが、ここ1・2年はこの状況が続くものと思われます。

 

工場団地

ヤンゴン市内・周辺には19箇所の工場団地がありますが、インフラがある程度整備されており外国企業が入居出来る工場団地は1990年代に日系商社が開発した「ミンガラントン工業団地」のみでしょう。しかし、既に今年3月の段階で完売している為、日本企業が進出できそうな工業団地はなかなかないと言わざるを得ません。多くの日系企業は2015年に販売が予定されているティラワ工業団地を待っている状況です。しかし第1期売り出し区画(420ha)はまだ手つかずの状況にあります。

 

電力インフラ

今のミャンマーに進出する際の最大のネックになっているのが電力の問題です。元来ミャンマーでは発電所が少ないということもありますが、その大部分を担っているのが水力発電のため、乾季の終わりの3、4月になると、至るところで電力不足になり停電しています。今年の3、4月も郊外の工業団地は政府からの送電が完全に止まっており、各工場は自家発電をフル稼働で活用している状況にあり、その費用が企業経営を圧迫しています。製造業でミャンマーに進出を希望される企業は自前での発電設備を完備しておく必要があります。

 

通信インフラ

電話・インターネットなどの通信インフラもまだまだ良いとは言えません。

特に電話に関しては、混線もある上、国際電話がつながりにくく海外向け料金も非常に高いという状況です。またインターネットはADSLサービスがあるにはありますが、こちらも速度が遅く良いとは言えません。昨年から始まっているWiMAXサービスは比較的良い状況で使用でき、弊社でも活用しています。先日、通信インフラの入札があり、残念ながら日本企業は獲得出来ませんでしたが、かなり力を入れているのは明白で、数年すればかなり良くなってきていると考えられます。

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迫川 敏明

(株式会社VACコンサルティング )

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