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海外ビジネス コラム

市場動向 2014年01月28日

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マレーシア進出成功のために知っておきたいのリアル賃金事情

鵜子 幸久(桜リクルート社(マレーシア))

想定よりも高水準なマレーシア賃金事情

初めてマレーシアに進出し、現地のスタッフを雇用するために採用活動に入る際に「意外と人件費水準が高い」ことに気付く日本人投資家は多いと思います。当初計画ではもっと低い人件費で計画を立てていたのが、実際募集してみるととてもその水準で応募してくれるローカルがおらず、慌てて経費計画を上方修正したというケースを多く見ています。政府が正確な人件費の統計を取っていないこともあり、日本で入手できる賃金情報がすでにかなり古くなったデータであることも原因だと思いますが、進出企業に人材紹介を行っている当社の実感値でいっても、この10年で賃金水準は「ダブルスコア」になってしまっているとさえ感じます。

というのも、インフレや早いピッチの経済成長と連動して、毎年の平均昇給率はコンスタントに4~6%で確実にアップしていっていることに加えて、リンギ円の為替が円安リンギ高のトレンドで作用しているため、日本円ベースで計算すると人件費水準が近年急上昇していっているということになります。現在の相場では、就業経験のない大卒新入社員の平均初任給は大体2700リンギ(=およそ86000円ほど)です。また高度な人材になればなるほど、企業間での取り合いとなっており人材不足が顕著なためさらに給与相場が上がっているのが現状で、当該業務の専門経験者や高い日本語能力保持者、さらには日本人投資家に代われる管理責任者などを求めていけばいくほど、へたをすれば日本国内で日本人を雇用するのと変わらないような高いコストをオファーしないと手がまったく挙がらないということにもなります。

古いデータを盲信せず、自らの眼と耳を駆使せよ

その国の人件費水準は、一人当たりのGDPときれいにシンクロするという側面がありますが、マレーシアの人件費は、シンガポールの半分以下であると同時に、アセアンの周辺国の何倍も高いという現状です。そのため、いわゆる「労働集約型」のビジネスを持ってきても、なかなか利益を出しにくいことになるという局面となっており、この先もさらに「シンガポール型」の経済構成に近づいていくと思われます。いずれにしても、今後は人件費だけでなくアジアではどの国においても様々なコストの上昇がすさまじいと思われます。従って、古いデータを盲信せず、自らの目と耳を駆使し、その国その国におけるリアルタイムの定点観測と現状認識をしっかり行うことが重要です。

このコラムの著者

鵜子 幸久

鵜子 幸久

(桜リクルート社(マレーシア))

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