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海外ビジネス コラム

市場動向 2014年05月28日

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スペイン人1,000人に聞いた日本への旅行に関する意識調査

野田 彩子(地中海マーケティング研究所)

地中海マーケティングでは、2013年12月のコラム(スペイン人1,000人に聞いた日本に関する意識調査http://www.digima-japan.com/column/market/2002.html)と同じ条件で、スペイン全国の15歳~70歳の男女1,030人に対し、「日本への旅行に関する意識調査」をインターネットで実施しました。少し前に発表したものですが、最近の業界の動きも含め、まとめてみたいと思います。

今回も「1問から簡単に海外の声を聞くことができる」、弊社パートナーであるCint社のサービスを利用し、「旅行」に関する4つの質問を聞いてみました。一つずつみてみましょう。

「アジアへの旅行経験」に対して、「アジアには行ったことがない」人が全体の約65%

1. あなたがこれまで旅行で訪れたことがあるアジアの国はどこですか?(単一回答:N=1,009)
1

2013年11月実施の当社調査リサーチにて、スペイン人の「15-70歳の90%以上が日本への旅行を希望」するにも関わらず、実際にはアジア圏へ旅行をしたことがない人が半数以上の(64.6%)となっています。上位は中国(12.0%)、タイ(8.6%)、香港(5.3%)と続き、日本は4位(3.5%)という結果でした。

アジア全体への渡航経験は、1位の中国を除き、すべて10%(100人)未満。アジアはどの国も訪れたことがない人が全体の約65%占めました。男女別ではほとんどの国で男性のアジア訪問経験が多いですが、「シンガポール」だけは女性が多い結果となりました。前回の調査で、「日本への旅行希望」に対して「行ってみたい」と全体の91%が答えたにもかかわらず、日本はまだまだスペイン人にとって「行きたいけど行けない国」であることがわかります。

最近のことになりますが、2014年5月にスペインから600名の訪日旅行客が訪れました。ニュースで見た方も多いのではないでしょうか?

(トラベルボイス:2014年5月13日)
「スペインから参加者600名の大型インセンティブツアー、震災後の欧州発で最大」

http://www.travelvoice.jp/20140513-21202

これは企業の報奨旅行である「インセンティブツアー」なので、個人のお財布はあまり傷まないはずです(滞在中の費用程度)。今回日本に誘致できたのは、関係者の方の多大なご尽力があると思いますが、スペインにおいて「機会さえあれば日本に行ってみたい!(でも自分ではなかなか行けない)」という人が、実際にたくさんいるということですね。

今回日本を楽しんだ600名の方が、帰国後にそれぞれ周りにお土産を渡したり、話をしたり、SNSにアップしたり、次回は家族・友人と来日することで、日本のファンが一層増えるのではないでしょうか。

「日本に旅行する場合、一緒に訪問したいアジアの国」は「タイ」

2. あなたが日本に旅行する場合、一緒に訪問したいアジアの国はありますか?(単一回答:N=1,008)
2

タイ(24.4%)、次点は「日本のみ訪れたい」(21.2%)。次点は中国(19.4%)、香港(15.0%)、韓国(7.2%)、シンガポール(6.9%)と続いています。

もし私自身がスペインから日本へ旅行するなら、「せっかくなら他の国も」と思うので、その意識を調査してみました(私はヨーロッパに行くときに必ず乗り継ぎ地点で宿泊し、観光したいタイプ)。日本と一緒に訪問したい国はダントツで「タイ」、次点は「日本のみ」。これらは女性の希望が男性を上回る結果となりました。男性が「一緒に訪問したい」と希望するのは「中国」「香港」「韓国」が上位となりました。

もし現地発の「タイと日本周遊ツアー」を女性ターゲットに発売すると、とても人気が出るかもしれませんね(日本での滞在費用が高いことを、タイでカバーできますし)。

「日本に旅行する場合、楽しみたいこと」は「歴史的・伝統的な文化体験」

3. あなたが日本に旅行する場合、楽しみたいことは何ですか? (複数回答2つまで:N=1,008)
3

歴史的・伝統的な文化体験(62.1%)、自然・四季・田舎風景や体験(29.5%)、食事(主に日本食)(29.2%)が上位。次点はショッピング(12.8%)、日本人との交流体験(12.0%)という結果となっております。

日本で楽しみたいことは「歴史的・伝統的な文化体験」が全体の約60%と多数を占めました。自国が世界で有数の「観光立国」であるスペイン人にとって、日本に渡航して経験したいのは単なる観光、食事、ショッピングではありません。やはり「日本ならではの歴史的・伝統的な文化体験」を求めていることがわかります。その内容は、都心や観光都市に限るものではなく、「自然・四季・田舎風景や体験」も希望しています。

次に、2013年末にユネスコ無形文化遺産に登録された「和食(日本食)」が続きます。これも当然の結果ですね。「食事」と「現地(日本人)との交流体験」は、女性より男性の希望が高い結果となりました。

「日本への旅行の阻害要因」は圧倒的に「滞在費用が高い」で、全体の約55%

4. 日本への旅行について、阻害する要因がある場合は何ですか?(複数回答2つまで:N=1,009)
4

多数を占めた上位は「滞在費用が高い(宿泊・食事等)」(54.9%)、「航空券の料金が高い」(38.2%)、「言葉に困りそう」(33.1%)。旅行費用の高さと言語が最大の阻害要因となっているようです。

最後に、「日本に行ってみたいけど実際に旅行した経験が少ない」スペインにおいて、その阻害要因を探ってみました。やはり、「滞在費用(宿泊・食事等)が高い」が最も多く約55%。2位の「航空券の料金が高い」は距離があるのである程度やむを得ないですね。

次点は「言葉に困りそう」で、言語がハードルになっていることがわかりました。最後に、「その他」で9人が原発事故を挙げたのも事実です。

こちらも今月の話ですが、2014年5月1日より、JALのウェブサイトがこれまでの「日・英2カ国語」に一気に10言語(中国簡体字、台湾繁体字、香港繁体字、韓国語、タイ語、ロシア語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語)を追加し、12カ国語対応となりました。

(トラベルボイス:2014年5月7日)
JAL、海外ホームページを多言語化、機内サービス情報を合計12ヶ国語に

http://www.travelvoice.jp/20140507-20808

これは嬉しいニュースですね。訪日旅行者を誘致したい旅行関係事業者にとって、誰もがこの12カ国語を対応できるのが理想です。しかし、多言語化する予算、対応する人的サービスも含め、なかなかここまでは実行できないのが現実です。しかし、まずJALが一気に12カ国語対応されたことは、ようやく日本が「どの国のお客様もどうぞ!」という姿勢を示すことができたようで、とても良いなと思います。

地中海マーケティング研究所では、観光業(訪日旅行=インバウンド)だけでなく、クールジャパン関連等の各ビジネスにおいてアイディアのきっかけになるべく、こうした海外調査を今後も継続して行ってまいります。

■調査概要
・調査日 2014年2月21日(金)~27日(木)
・調査対象・有効回答数 スペイン全国の15歳~70歳の男女1,010人
・調査方法 インターネット調査 *下記参照
・属性 男性=511人・女性=499人
15-22歳=78・23-35歳=281・36-55歳=447・56-70歳=204

以上

このコラムの著者

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野田 彩子

(地中海マーケティング研究所)

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