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海外ビジネス コラム

生活・文化 2015年02月25日

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ベトナムビジネスで乗り越えるべき「認知の壁」について

黒川 賢吾(株式会社Asia Plus)

以下の二つはどちらも当社でベトナム人に行った調査の結果の一部です。

「ニキビ予防の為に何をしていますか?」⇒「たくさん水を飲む」
「あなたの紫外線対策を教えてください」⇒「青い服を着る」

どちらも日本人から見ると「何、それ?」というような結果なのですが、どちらもベトナム人の間ではある程度信じられている事です。これらの回答にはどちらも日本製品が付加価値を売っていく為の障壁となる「価値の認知」の問題が隠されていると思います。

ベトナムは2020年に中流・富裕層が3000万人に達するという予想もあり、また帝国データバンクが先日発表した「今後販売先として注目する国」の4位に入っていたりと、中期的には大きな注目と成長が見込まれています。

日本製の商品はほとんどの場合ローカル製品よりも高い価格で販売されています。ベトナム人が日本が大好きなため日本のブランドというだけである程度のプレミアムを感じてはくれますが、実際の効能や製品の特長は実はほとんど伝わっていないかと思います。

日本だと例えばYahoo!だったりとかワイドショーなどで取り上げられたりする情報は驚く程の早さで消費者に浸透します(しすぎだとも思いますが……)。ベトナムではそういった情報源となるメディアがほとんどありません。

情報ソースについてベトナム人に調査をすると、上位に上がってくるのはネットやFacebookだったりします。ただ特に生活関連商品に関して、購買に最も影響を与えているのは「家族からの情報」と言えると思います。ベトナム人は日本人の感覚からするとびっくりするくらい家族を大切にします。地方からホーチミンのような大都市に出てきているほとんどの若者が週に数回親と電話で話をして、時間が出来れば数時間の距離をバイクで週末帰郷します。そんな家族からの情報の擦り込みは影響力が非常に強く、一方で親世代は新しい技術や製品に疎いのでなかなか情報の新陳代謝が行われず、昔からの迷信のような行いが信じられてしまっています。

こういったベトナムで、新しい付加価値商品を売っていくにはどうするのか。やはりカギはオンラインでのコミュニケーションだと思います。スマホ・ソーシャルメディアが爆発的に成長しているベトナムですが、広告市場はというと実はネット広告の市場は全体の数%ほどでしかなく、企業の投資はほとんどテレビに向いています。これは、ベトナム等の新興国の経営陣がマーケティング出身者が少なくネットリテラシーが弱いといった内部事情によるところも多いように感じます。ローカルや欧米企業ではネットの活用でベトナム消費者の囲い込みに成功している企業も多くおり、この点は日本企業の課題の一つだと感じています。

このコラムの著者

黒川 賢吾

黒川 賢吾

(株式会社Asia Plus)

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