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海外ビジネス コラム

市場動向 2015年06月19日

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【円安特集】最近のマレーシアリンギと円のトレンドは?

鵜子 幸久(桜リクルート社(マレーシア))

対リンギでも円安が進んでいる

 
本コラムを執筆した2015年6月5日時点では、マレーシアリンギは日本円に対して強含みで、円安トレンドに入っています。昨対比で見るとちょうど1年前の2014年6月5日が、1リンギ=31.7円であったのに対して、本日時点では33.5円であり、10%ほどリンギが上がっているということになります。

ちなみに、ここ10年間での推移の中では、リーマンショック前の2007年6月につけた1リンギ=36.6円が天井だったので、世界経済全体の戻りとの相関では、中期的にはこの水準にチャレンジしていこうかという流れであるように思います。

事業投資や個人の移住などに影を投げかけはじめている

さて、このまま円安リンギ高が進行していくと仮定して、どういう影響を及ぼすかということについて2点書きたいと思います。

ひとつめは、日本からの投資の鈍化への懸念です。10年スパンで振り替えると、民主党政権だった時の2011年9月につけた1リンギ=23.9円というのが最も対リンギ比円高でした。このあたりの時期は強い円を背景にマレーシアの新規大規模進出や現地企業の買収などの投資が旺盛だったと記憶しています。

しかし現在は、実に40%も円安がすすみました。言い換えると日本から見た際のマレーシアの物価コストが4割も値上がりしてしまい、たった4年間での投資額の明暗が分かれてしまっているという気がします。もちろんこれに加えて、人件費ほか様々なコストの上昇や、5月から導入されたGSTの影響で物価も上がっているため、ボディブロー感はさらに強いかも知れません。

同時にこの事象は、MM2Hや子供の留学、不動産購入などきっかけとした個人のマレーシアへの移住にも影を投げかけはじめているのが気になります。

やはり日本観光と事業投資がマレーシアでも増え始めている

正反対に、リンギ高を背景に昨年よりマレーシア人の日本観光ブームが加速しており、日本行のフライトは常に満席という状態です。首都圏のマレーシア人世帯の月額平均所得は現時点で8000リンギ(=約27万円)と日本人のそれと変わらない水準まで来ましたので、今後富裕層の増加にともないさらに日本観光者は増え続けていくと思われます。

最近あった現地のMATTA FAIRという旅行博には、誘致を当て込んだ日本からの観光セクターの企業や、自治体に至るまで多くのブースが並びました。それに加えて、日本への逆投資もしやすくなったということなので、マレーシア財閥企業による日本のホテルや不動産物件の買収などもスタートしています。これは日本の内需マーケットの活性化には追い風になっていくと思います。

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鵜子 幸久

(桜リクルート社(マレーシア))

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