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市場動向 2016年01月05日

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【特集2015年総括2016年予測】ベトナム、めまぐるしく変化した2015年と今後の動向

黒川 賢吾(株式会社Asia Plus)

ベトナムの2015年ですが、マクロではGDPが6.68%成長と他の東南アジア諸国と比べても堅調、ここ数年懸念だったインフレ率も0.63%に収まり、消費者信頼感指数も上昇した1年でした。

また今後に関しても、先日政府が2020年までのGDP成長率について年平均+6.5~7.0%に加速するとの見通しが示されました。2020年の一人当たりのGDPは3750ドル(約45万円)という目標値が示されています。これは現在のインドネシア以上の値で、ホーチミンに関しては20年末に9800ドル(約118万円)という目標値が議論されていたりします。

「力強さが増す国内需要と強固な輸出、低いインフレに消費者指数の改善などベトナムは中期的な成長にむけての基盤が固まってきたようだ( 世界銀行ベトナム担当ディレクターVictoria Kwakwa)」なんていうポジティブな発言を聞くといよいよベトナムの時代が来たかなと感じてしまいます。

この1年を通したベトナムの変化

しかしながら、実際にベトナムで仕事をしている人々の中で好景気を実感できている人は意外と少ないのではないでしょうか?経営層に話を聞いてみても微妙な反応が返ってきます。2015年のベトナムは「成長著しいベトナム」と「まだこれからのベトナム」が入り混じっていた一年と言えるのではないでしょうか。

まず、成長を感じる面としては、「目まぐるしく変わる街の風景」が挙げられます。2020年に向けて地下鉄が建設中という事情はありますが、街中至るところで新たな建物が建設中です。また大きなビルだけではなく、通りの汚らしいストリートカフェがお洒落なカフェに変わっていたり、コンビニになっていたりといった変化が至る所で見られました。また、ホーチミンで建設中のビンホームズ・セントラルパークの一部が販売され最高級高層ビルすぐに売り切れた、などの景気の良い話も聞かれます。

一方で、消費者の購買力が一気に高まったのか、というとそうとも言い切れません。2015年はスーパーマーケットやコンビニなどのマスマーチャントが出店を急拡大した年でしたが、必ずしも全ての店舗がうまくいっている訳では無いようです。実際当社がサポートさせていただきベトナムに視察に来たお客様も「ベトナムはもう少し先かな」という印象を持たれた方は少なくありませんでした。ベトナムで月額世帯収入1000ドルを超える家庭はまだ10%強に過ぎず、日本企業が期待するような購買力をもった家庭の数はまだ十分ではない為、全体の購買数でいったときにはどうしても他の東南アジア新興国と比べると見劣りしてしまいます。

2016年の動向を予測

そんなベトナムですが、FRBの利上げや原油安等の不安要素はありながらも2016年も堅調に成長するという見方が大勢を占めます。先日の帝国データバンクの「中小企業の海外進出動向調査」でベトナムが「新たに進出したい国」で1位を占めたように、TPPの影響でベトナム進出を意識する外国企業は増えると考えられ、日本の企業にとってベトナムが一層身近に感じる機会が増えるのではないかと期待しています。

また、2016年はチャネルの変化が加速する年ではないかとも感じています。元々伝統的小売店が圧倒的なシェアを占めているベトナムですが、2015年に続き、2016年もデパート、スーパー、コンビニの出店ラッシュが続きます。そこに加わるのがオンラインチャネルです。市場は前年比数十%の伸びを見せており、大手ECの売上の半数はスマホからに映っています。先日行われたアメリカのブラックフライデーを模倣したオンラインのみの1日限定プロモーションでは、売上が25億ドルと昨年の同イベントから3倍増えたそうです。個人でネットショップ等を展開する若者なども増えており、オンラインを含めた消費者のチャネル選択肢が更に増える一年となりそうで、企業側のマーケティング方法も変革を迫られそうです。

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