市場動向 2016年01月20日
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【特集2015年総括・2016年展望】タイ経済のカギを握るのは自動車産業
タイの2015年は?
2014年から続く軍政と、タイの主要産業の一つである自動車産業の振興策の合間(2012年に第一次エコカー政策、2016年に第二次エコカー政策)であるというタイミングで、全体的な景気は停滞気味。こういう政治的な理由に加え、2012年からの最低賃金全国一律上昇による人件費の高騰や、近年の合計特殊出生率が1.4と30年前の2.8から半減したことなどが、企業側の経営判断としてタイへの投資は「少し検討が必要」という状況としていた。
2016年のタイ、軍政はまだまだ続く
漏れ聞こえてくる軍と警察の間の権力闘争を始め、総選挙の延期に次ぐ延期といった日本人には「きな臭い」と映る単語がメディアを賑わせる。実際在住していると軍や警察に抗力がほとんどなかった文民政治より、陸軍総司令官である首相自らが率先して組織内浄化が進められることは良い点だと思う。いわゆる「ソデの下でなんとかしてもらう」というものにもメスが入り出した。また、難癖をつけて小遣い稼ぎをする交通検問なども同乗者が携帯電話でそのやり取りを撮影し、世界的な動画共有サイトへ投稿し物議を醸し指導せざるを得なくなった、などは面白い現象だ。軍事政権だからこそ社会的改善が進んだことも多いのが実情だ。
この政権は経済政策に対するよき参謀がいないため、軍事政権というイメージで外国投資が減少した分を国内企業で盛返し、内需を高めて輸出依存を減らすといった策が打てていないのは引き続き課題となっている。
経済は回復を期待
さて、2016年は第二次エコカー政策が開始となる予定。これで新たな企業の投資が開始するだろう。もともとこのエコカー政策というのはヨーロッパ系のロビー活動による「クリーンディーゼル促進策」であったが、このコンセプト自体が虚偽であったことはすでに知られている。そうなると各企業がCSR活動で環境保全宣言をしている日系企業の独壇場。ASEAN経済共同体に参加する各国での市場獲得のための「ASEAN戦略車」の販売も始まりつつある。この件は当社の産業調査部門によって2013年時点で「現状またはそれ以上の品質で価格は4割ダウン」が部品メーカーに通達されていてることが判明しており、実際にそのような価格になっている。
一例だが販売価格を比較をするとA社のSUVが1.4百万バーツ(470万円相当)、同じくSUVでB社では1.01百万(370万円相当)と確実にその通達が現実化しており、B社では納車待ちが1万件以上あるとのこと。価格追求型ともいえる市場だが、早急に浸透しタイにて新たな経済創出の礎となってくれるのを期待している。
<自動車産業の早期回復が望まれるタイ>
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