市場動向 2016年09月02日
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ベトナムの市場の「本当の」大きさを見極める
当社では多くのベトナム進出企業のサポートをさせていただいていますが、残念ながら一番多くあるケースは「これからはベトナムだ」と期待して視察目的でベトナムにきたものの「ベトナムはまだまだだ」と感じて帰国されるケースです。これは9000万人を超える人口や、平均年齢28歳という若者の多さなどを取り違えてしまっているケースです。
■ホーチミンとハノイの二大都市で1500万の人口
ベトナムは9000万人を超える人口がいるのは事実ですが、進出企業にとってベトナム全土の開拓は非常に難易度の高いターゲットです。脆弱なインフラや、120万もの伝統小売を中心とした販売形態などの独特の特徴などから、地方開拓は難易度が高く、ディストリビューターなどのパートナー選びと人力を上手く使ったオペレーションの確立が必要になります。世帯収入の格差も大きなことから、ホーチミン・ハノイの二大都市がターゲットになるケースが殆どではないでしょうか。ホーチミンの人口は800万人強、ハノイはハノイの人口は750万人程度。合計で1500万人ほどがエリアで絞った場合のターゲットとなります。
■月額世帯所得が1500ドルの富裕層は都市部でも5%
この1500万人の中で、全ての人々がターゲットとなるわけではありません。特にベトナムを含めた新興国は貧富の差が激しく、付加価値は高いが価格もローカルの製品よりも高くなる日本の商品・サービスを購入できる人々は限られています。ボストンコンサルティングでは、月額世帯収入が7.2万円を超える家庭を中間層、14万円を超える家庭を富裕層と位置付けていますが、ホーチミン・ハノイにおいては、中間層に当たる家庭は約半分の約70万人強、富裕層となると5%の約75万人程度しかおりません。例えば、海外旅行に行ける人となると、後者の75万人がターゲットとなり、東京の練馬区の人口とほぼ変わりません。これらの人口の中で購買ターゲットを20歳〜50歳と仮定すると、対象は更に半分程度になります。
■2020年には中間層が2倍、富裕層が4倍
ベトナムの市場サイズは殆どの人が期待されているよりも実際は小さく、また、チャネルの問題もあり、ベトナムに進出をしてすぐに大成功を収めたという話は実際なかなか耳にすることがありません。しかしながら、ベトナム市場に魅力がないと言っているわけでは全くなく、その逆です。前述のボストンコンサルティングの調査では、2012年と2020年を比較すると、中間層が2倍、富裕層が4倍増加すると予想しており、中期的な市場の広がりは大きく期待できます。ベトナム進出を考える場合には、ある程度の胆力が必要で、時間がかかる点を覚悟しておいた方が良いと思います。市場、消費者をしっかりと見極め最も効果的な戦略を実行していく事が必要です。
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