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海外ビジネス コラム

生活・文化 2016年10月31日

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オーストラリアでの就職活動に成功するポイントは?

永井 政光(NM AUSTRALIA PTY LTD)

オーストラリアで働きたい、自分の力を試してみたい。そんな人は年々増えてきており、その際成功への一番必要な要素は「運」だと述べましたが、これはただじっと待って、棚からぼたもち的な運ではなく、人事を尽くして天命を待つ方の運を指すのは言うまでもありません。それでは、実際にどの様な行動を起こした人が、運を引き寄せることが出来るのでしょうか。

行動力で運をつかみ取る

 
オーストラリアでの就職活動は、徹底的に市場調査を行う必要があります。インターネットの発達により、昔に比べいつでも好きな時に情報を拾い上げることが可能になりました。 オーストラリアの現在の雇用市場、どのような職種の需要があるのかなどを調べるのはもちろんのこと、我々外国人はその他にも政府の方針、外国人の受け入れ推進状況などを調べる必要があります。政府の方針如何では、去年までは問題なかった就労ビザ取得が、今年は厳しくなったなどのルール変更が多々あるからです。

また、以前は自分の履歴書を企業に送付するのには、郵送又は手渡し以外の方法はありませんでしたが、現在はE-mailという便利なものがあるので、履歴書送付もだいぶん楽になりました。 ただ便利になった = 企業側も何百人という人から同様な方法で履歴書を受けるので、よほど目に引く経歴でないと返事をもらえる可能性は以前よりも低くなった側面もあります。

ではどうしたら可能性が広がるのか。それはやはりオーストラリアに乗り込み、企業とアポを取り付け、直接自分を売り込む方法が最も相手にインパクトを与え、確実性が高いと言えるでしょう。インターネット回線を利用した面接が増えているのは事実ですが、オーストラリアは日本とは異なり2週間ないし4週間で簡単に離職出来る背景がある為、出来るだけ早く離職者のリプレイスを行わなくてはならない背景があります。仮に送っていた履歴書が担当者の目に留まり、明日面接の依頼を受けたが、現地に赴くには仕事の調整もあるので1,2週間後では、数少ないチャンスを逃してしまいます。

また現に一部の例外を除いては、大抵の人が現地に直接乗り込む方法でチャンスを手に入れています。当然、渡航費、滞在費は実費で、金銭的な負担も少なくありません。またこれだけの行動を起こしたとしても結果が伴わない場合があります。いやむしろ自分が想い描くような結果を得られるほうが少ないと言えます。でもこれらはやりすぎではなく、オーストラリアに限らず、海外での就職活動では当たり前の話になります。ここまでやって初めて、やるべきことをやった。後は運を待とうと言えるのです。
 

チャンスが多い職業

 
日本に国内での需要が多い職業があるように、オーストラリアでも、需要が多い職業は存在します。それと同時に考慮しなくてはいけない点は、自分の長所、短所を客観的に理解することです。日本と何らかの関係もない企業に応募したとしても、恐らくそこから発展はないでしょう。なぜなら、彼らは日本人を採用するメリットが全く無いうえに、こちらは競争相手となるオーストラリア人と同等の英語力を求められるからです。しかもオーストラリアは少々閉鎖的な考えを持っている国で、ローカルエクスペリエンス(オーストラリア国内での職歴) を求める場合が多いからです。最初のステップとしては、日本と関連がある企業で経験を積み、その後に現地企業へ挑戦する。これが手堅い方法と言えます。

また、以前のオーストラリアは観光立国でしたので、日本からの観光客も多く、旅行業関連の求人が目に付きました。ローカルエクスペリエンスがなくても、旅行業界の経験が日本で3年以上あれば、就労ビザのスポンサーを受け仕事が得られました。ただ現在は残念ながら旅行業界はオーストラリアでは完全に斜陽産業になってしまい、オーストラリアで働きたい日本人の受け皿的存在ではなくなってしまいました。

旅行業に代わって、オーストラリアの根強い景気に支えられ、外食産業がここ数年飛躍的な伸びを続けています。特に和食はもう海外での市民権を得たといっても過言ではないので、日本食レストランのマネジャー職、板前などは、年中人手不足のポジション。これらの業界で仕事に従事していた人で、IELTSのスコアーを取得されている方であれば、すぐにでも仕事が見つかる可能性が大です。

また、オーストラリアは絶対的に技術者が不足しています。水道、配管などの水周り関係の仕事、電気機器の修理、設置業務、日本の国土の20倍もの面積を支えている自動車関連の技術者も常に人手不足です。

実際にあった例ですが、英語力があまりないワーキングホリデービザの方で、IT関係のスペシャリストがいました。ダメもとで、日本語環境のない、完全な現地企業に応募し、とんとん拍子で話が進み、見事採用が決まりました。本人はワーキングホリデービザで就労が許される6ヶ月間だけ働ければいいかなと考えていたようですが、その方の能力が認められたらしく、会社側から 「このまま残ってくれ。就労ビザのサポートはするから」 と言われました。給与を聞くとその金額にびっくり! 私が初めて就労ビザをサポートしてもらった時の金額とは雲泥の差でした。技術職の力をまざまざと見せ付けられた次第です。

ただ本人は、ビザを取得してさらに4年間もオーストラリアに滞在する決心はまだ付いておらず、回答を保留にしています。オーストラリアで何とかして仕事を見つけたいと思っている人には、なんとも歯がゆい感じでしょう。ともかく、語学が堪能でなくても、万国共通の資格やスキルがあれば、オーストラリアでの就職も可能性があります。

このコラムの著者

永井 政光

永井 政光

(NM AUSTRALIA PTY LTD)

<オーストラリアビジネスの専門家

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