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海外ビジネス コラム

市場動向 2017年12月24日

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世界は今、日本食を求めている

兒嶋 裕貴(株式会社Resorz)

海外現地での楽しみのひとつはやはり「食事」でしょう。その国でしか食べられないものを口にするという喜びもありますが、もうひとつ「その食事を通して歴史に浸る」という楽しみ方もあります。例えば、クロアチアに行った際には、パスタやトルコ料理に似た料理がたくさんありましたが、それはクロアチアが過去イタリア(ベネツィア)やオスマン=トルコ帝国の支配下にあったことを意味しています。そんなことに思いを馳せていると眼前の食事がまた違って見えてくるでしょう。その国の食文化には実は歴史が色濃く反映されているという訳です。

その視点で見た場合、日本食はどうでしょうか? ガラパゴス国家と称されるように食事も海外から入ってきたものが独自の進化を遂げているのが特徴です。世界から取り入れた料理が日本人の「物事を突き詰める気質」とも相まって、それぞれ昇華されているのが特徴です。

中国のタンメンが日本では味噌ラーメン、とんこつラーメン、醤油ラーメンといったように地方ごとに昇華された例や、ミシュランで東京の星の数が世界一になったこと、そしてその星を日本料理店だけでなく、フレンチやイタリアン、中華料理でも獲得したことがその証左と言えるでしょう。

様々な国で色々なものを食してきましたが、きちんと出汁から調理をする料理はほぼありません。乱暴な言い方ではありますが、基本は素材そのものを焼くか煮るか。そしてそれに香草をミックスというのが世界の料理です。(自分が日本人だという贔屓目抜きにして)やはり日本料理は間違いなく世界に誇れる日本文化だと思います。小さな、そしてそれぞれにオリジナリティをもった飲食店がこんなにもあるのは日本だけだと断言できます。

日本食の海外展開はもう飽和状態だとする意見もありますが、私はそうは思いません。確かにアジアではここ数年で一気に日本食レストランが増えました。ほぼ日本と変わらない味を楽しむこともできます。しかし欧州を始めとした多くの国ではいまだ似非日本食が主流です。大体は日本に来たこともないようなアジア系のオーナーが「とんでも日本食」を出していてそれがウケている状況です。

彼らは日本人である私が見たこともないような寿司や丼ものを喜んで食べているのですが、実はほとんどの人が「本物の日本食」でないことは知っています。彼らは本物の日本食に憧れながら似非日本食を食べています。それほどまでに日本食が食べたいのです。欧州では「ファストフード」や「ジャンクフード」から「オーガニック」「ヘルシー」に方向転換をしたということもあり、日本食がブームということもその理由のひとつでしょう。

これはとてもすごいことで、この「日本食」への憧れこそが日本食の海外展開の可能性だと思います。そしてこの憧れは本物の日本食への渇望に変わっていくでしょう。日本への旅行者増加(インバウンド)に伴い本物の日本の味を知る人が世界中で増えるからです。

間違いなく世界中に日本食マーケットがあります。あとは職人気質の料理人の意識をいかに変えていくかということになるがこの点はまた次の機会に。

世界は今、日本食を求めています。

このコラムの著者

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兒嶋 裕貴

(株式会社Resorz)

海外ビジネス支援プラットフォーム「Digima〜出島〜」主宰者

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