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海外ビジネス コラム

生活・文化 2022年04月08日

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【経験者が解説】海外で日本食を売るために抑えておきたいポイント3選

荒島 由也(株式会社スター・コンサルティング・ジャパン)

今回の記事では、海外で日本食を売るために抑えておきたいポイント3つをご紹介します。

スタコン1

日用品や電化製品などと違い、食品や食事は、
現代においてもその土地固有の文化や好みが色濃く残っており、
海外に展開して果たして売れるのか、需要を見極めることが非常に難しいですよね。

「当社の製品は海外で売れるのか、見極められず、不安だ」
「当社の製品を海外展開していくために、どのような取り組みが必要だろうか」
「地方自治体の担当者として、地域の食品産業を活性化させるために、
海外進出を促進していきたいが、どのようにアドバイスしたらいいかわからない」

そのような疑問に、ベトナムで、ゼロから料理教室や洋菓子製造・販売会社を創業し、
スターバックスやセブンイレブンと取引するまでに成長させてきた筆者がお答えします。

実際に、筆者が海外で事業を展開し、
ベトナムにおける現地の食嗜好や食品業界にどっぷり浸かる中で感じた、リアルな情報です。

5分程度で、
ベトナムに限らず、海外において日本食を売るための考え方や、
需要を見極めるための視点を掴めますので、ぜひ最後までご覧ください。

 

 

1. そもそも、なぜ日本市場で需要があるのか?を分析する

 

案外見過ごされがちなポイントですが、

筆者の経験では”日本で売れているから世界でも売れる”というのは暗黙の前提のように置かれることが多いような気がします。

 

まず、海外展開を検討している商品が、なぜ日本でニーズがあったのかを分析することが重要です。

 

なぜなら、その上で、商品の付加価値を言語化しないと、

海外でどのようなターゲット層に、どのようにセールスやプロモーションをしていけばいいのかについて、

戦略を立てられないからです。

 

ここでは、レトルトカレーをベトナムに展開する企業を例にして、ご説明します。

 

スタコン2

 

レトルトカレーが日本市場でニーズが高い理由について、

例えば下記のように整理できます。

 

「子供から大人まで、多くの人がカレーが好きだから」

「電子レンジで手軽に調理できるため、忙しい社会人や共働きの親にとっては、時間を短縮できるから」

「外食するよりも、お値段を抑えられるから」

 

このように整理することで、

下記ののような、海外展開における仮説や、検証ポイントを洗い出すことができます。

「ベトナムにおいても、多忙なサラリーマンや、共働きの親などに商品が刺さるのではないか」

「ベトナムでは、価格をいくらに抑えると、外食よりも割安感が出るだろうか」

「ベトナムにおいて、多くの人が好むカレーの味とはどのような味だろうか」

 

 

このように、海外における需要を見極める前に、

日本市場でのニーズから、商品の付加価値を言語化し、仮説や検証ポイントを明確にしていきましょう。

 

 

2. 進出先の現地で需要があるかどうかを5つの観点から分析する

 

進出先の現地で日本食の商品の需要があるかどうかについて、

下記の5点から分析することが重要です。

一般的に把握するとともに、可能な範囲で、年齢層や地域層、所得層ごとに整理しているのもいいでしょう。

スタコン3

 

①ライフスタイル

ライフスタイルは、食生活を大きく左右します。

 

「都市において一人暮らし世帯は多いのか」

「外食と自炊の割合はどの程度なのか」

「食事は家族と食べることが多いのか」

 

例えば外食が多く、さらにお手軽で安価に食べられるようなベトナムでは、外で買ってきたご飯に輸入品のレトルト食品は負けてしまう可能性は高いです。

 

このように、現地の人々のライフスタイルを把握した上で、彼らの生活の中で商品を取り入れてもらいやすいのか、ニーズを分析しましょう。

 

②味覚

「現地の人々は、甘味・辛味・酸味・苦味などの中から、どのような味を好むのか」

「甘い味の中でも、どの程度の甘さを好むのか」

「普段から外国の食事を口にするなど、異国の食事に対する柔軟性や好奇心はあるか」

 

「日本食」を売り出す場合、一度は物珍しさから現地の人に食べてもらえるかもしれませんが、

継続的に食べてもらうためには、現地の人の味覚にあっているかどうかが重要です。

 

例えば、ベトナムでは、同じ日本食の麺類でも、

ラーメンは好まれないのに対し、うどんは好まれます。

うどんは、ベトナム料理のフォーにはない、特別感もありつつ、

ベトナム人が好む、塩分や油分が少ないあっさりとした味付けですが、

ラーメンは、ベトナム人が好む味ではないからです。

 

現地の人々の味覚に合うかどうかについて、

市場調査だけに頼らず、リアルな情報を収集しながら、把握していきましょう。

 

③食に対する価値観

何を飲むか、何を食べるかを選ぶときに、

どのような観点を重視するのか、現地の人々の食に対する価値観を把握することが重要です。

 

例えば、下記のような観点があるでしょう。

「美味しさ」

「健康、ダイエット効果」

「手軽さ」

「流行り、インスタ映え、パッケージデザインの印象」

「伝統」

 

④品質・安全面での価値観

品質面において、「新鮮さや、美味しさはどの程度こだわることが多いか」

安全面では、「遺伝子組み換えや、保存料、加工食品に対する考え方や価値観はどのようであるか」

などという点について、現地の人々の価値観を探りましょう。

 

例えば、ベトナムでは、その場で調理されていない、

加工食品は、新鮮でないイメージがあり、嫌悪感を抱かれるケースが少なくありません

そのような価値観を把握した上で、加工食品の需要を判断する、

あるいは現地の人々のネガティブなイメージを取り除いていく努力が必要になってきます。

 

⑤価格面での価値観

「どういう食品にお金をかけるか」

「食事にお金をかけるのは特別な時はどういうときか」など、

現地の人々が食に対して、どのような時にどの程度のお金を費やすのかについて把握し、

展開する商品が、どの程度の価格であればニーズがあるのかを検討しましょう。

 

例えば、ベトナムでは、

国内で手に入るような類似した輸入食品には、富裕層であっても高いお金を払いません

例えば、日本の高級みかんジュースを見たベトナム人が思うことは、

「ベトナム産のみかんも十分甘くておいしいのに、

なぜわざわざ高いお金を払って生搾りではない加工品(新鮮ではない)を買わなくてはいけないのか」ということです。

このように、現地の人々が、どのような食品に価値を感じてお金をかけるのか、について

リアルな感覚を理解することが重要になってきます。

 

3.提供価値を再定義する

スタコン4

 

一般的なニーズが認められない場合でも、

提供価値を再定義し、日本市場とは異なる方向性で商品を売り出すことで、ニーズを生み出せる可能性があります。

例えば、

ベトナム人は加工食品に対してポジティブなイメージを持っておらず、

便利さや手軽さが売りのレトルトカレー商品の需要がないという見立てである場合でも、

富裕層向けに、日本和牛をふんだんに使った高級レトルトカレーとして売り出した場合には

ニーズが生み出せるかもしれません。

 

「ベトナム人は加工食品に対して保守的であるから、この商品は売れない」ではなく、

 

「ベトナム人は加工食品に対して保守的であるが、保守的でない層は一定割合存在するのではないだろうか」

「ベトナム人は加工食品対して保守的であるにも関わらず、この商品を買いたくなるとしたら、どのような理由だろうか」

 

このように、一般的に言われている見立てに対して、逆転の発想を取ることにより、

需要を生み出す道が拓くことができます。

 

企業の余力に応じて、需要がないという保守的な見立てをするのが良い場合もあると思いますが、

余力がある場合、日本市場とは大々的に異なるブランディングで商品を展開する方向で、

意思決定をすることもできるかもしれません。


需要を冷静に見極め、日本食を海外に展開しよう

 

ここまで、日本食関連の企業が、海外展開していく上で、

抑えておきたいポイントを3つご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?

 

今回の記事では、一般的なポイントをご紹介していますが、

筆者のYoutubeでは、「ベトナムでレトルトカレーは売れるか?」など、

個別の事例を掘り下げて情報発信しています。

ベトナムに限らず、食品分野で海外展開をしていく上でも、参考になる動画がたくさんありますので、よろしければぜひご覧ください。

 

また、筆者が代表を務める株式会社スター・コンサルティング・ジャパンでは、

ベトナムにおいて、食品分野でビジネス展開を希望される企業様のご相談もお受けしています。

 

個別の企業様の商品に合わせて、アドバイスをいたしますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

 

 

このコラムの著者

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荒島 由也

(株式会社スター・コンサルティング・ジャパン)

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