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海外ビジネス コラム

市場動向 2012年10月02日

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飲食業でインド進出! 人口12億人超の巨大市場への各国企業の取り組みは?

安宗 哲也(株式会社イノセス)

「インドでレストラン事業は面白いのか?」
インド関連ビジネスについて話す際によく質問されます。もちろん大きな可能性がありますが、競争も激しい市場です。

インド外食産業の市場規模は2010年が4,300億ルピー(約6,450億円)となっており、2015年には6,250億ルピー(約9,375億円)に成長すると見込まれています。
この成長を支えているのが組織型(Organized)レストランです。
この“組織型”というのは、簡単に言うと、個人経営(Unorganized)とは違い、近代的な経営をしている飲食店のことです。
外資系のマクドナルドやサブウェイ、インド系のCafe Coffee Dayなどは組織型レストランに分類されます。
マクドナルドやドミノピザなどは10年以上前にインド市場に参入していますが、ここにきてスターバックスやダンキンドーナツもインド市場への参入を表明しています。
収入が増えて外食やレジャーに使えるお金が増えたことやライフスタイルの西洋化が進んでいることが市場の拡大につながっています。

日本ではマクドナルドやドミノピザなどはファストフードと呼ばれて、中高生・大学生を中心とした若い世代が主な顧客層ですが、インドではQSR(Quick Service Restaurant)と呼ばれ、若い世代だけではなくファミリー層も多く来店します。
このようなQSRの顧客単価は100~200ルピー(約150~300円)となっており、ボリュームゾーンである中間所得層をターゲットにしています。
実際、私もインド出張中に何度もマクドナルドを利用している家族を見かけました。
一部のマクドナルド店舗などは自社の看板に“Family Restaurant”と表示しており、日本とは違った形で訴求しているのが新鮮でした。

また、アッパー層をターゲットにしているレストラン・チェーンとしてはTGI Fridayがあります。
こちらも多店舗展開しており、アメリカをイメージさせる内装でゆっくりと食事を楽しむことができます。
価格も高めに設定され、従業員の接客もQSRとは違って丁寧です。
ただし、店舗はまだ少なく、今のところは大都市のみに展開しています。

さらにニッチな市場として、インド在住の日本人向けのレストラン(居酒屋)があります。市場規模は小さいですが、今後も日系企業の進出は続くためニーズが確実にあり、参入する余地があります。インドの富裕層をターゲットにするよりはニーズを掴みやすく、クチコミも広まりやすいので、インド人向けにレストラン事業を展開するよりは敷居が低いです。

これからインド市場に参入する企業の動向ですが、ダンキンドーナッツは既にリサーチ等を終えており、1億2千万ルピーを投資してデリーを中心に8~10店舗をオープンし、それからインド全体に展開する予定です。
スターバックスは年内にムンバイとデリーに店舗をオープンする予定です。
インドのカフェでもスイーツやパン類が販売されており、あくまで個人的な感想になりますが、日本よりもかなり味が甘いという印象です。
こういったカフェのような業態もこれから増加するでしょう。

欧米の企業はインド進出を加速させており、インド企業も活発に投資しています。
食文化の違い、各種の許認可制度、高騰するコストなど乗り越えるべき壁はたくさんありますが、12億人の「食」は大きな可能性を秘めたマーケットです。

※ 為替は1ルピー=1.5円で計算しています。

このコラムの著者

安宗 哲也

安宗 哲也

(株式会社イノセス)

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