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海外ビジネス コラム

市場動向 2012年10月15日

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団体戦活用による海外事業展開のリスク分散事例

堀 明則(Hopewill Group)

海外への事業展開を進めるにあたり、目前に広がる大市場に期待が膨らむと同時に、想像を容易にはさせてくれない散在するリスクに対し、期待を越える不安が脳裏・胸中を埋め尽くす、このようなことはよく話題に上がることであり、概ねの進出案件において、経営者・責任者・担当者の口からきかれるところです。

さりとて、この海外への活路を見出すことはもはや必達のミッションであり、何とかして海外への進出を成功裏に進めてゆかねばならぬ、というような不退転の決意も皆様がお持ちです。

海外への進出を考えるとき、頭をよぎること、それは「進出へのリスク」ではないでしょうか。

集客性の高い立地に店舗を出すとなれば、数百万円の家賃に、契約金、保証金といった大きな初期費用が必要となり、会計、労務、食品の輸送、品質管理など問題もついてきます。
これらの問題をクリアし、やっとスタートを切ることができれば、そこから商売を継続させるための本当の勝負が始まります。

このような高いハードルの海外進出から個々のリスクをうまく軽減する方法、それが「団体戦によるリスク分散」といえるのではないかと考えます。

2010年シンガポールで誕生した「らーめんチャンピオン」。
日本でトップクラスのらーめん店がひとつのフロアに集まり、1年間競い合い、投票制により最下位1店舗が新規チャレンジャーと入れ替わります。
数店舗が共同で出店するために、シンガポールのチャンギ空港と、有名デパートという好立地に出店を実現しています。
実際に多くの現地の方々が来客し、たとえ最下位の店舗でも入れ替えが悩ましいほどの大成功をおさめられているようです。

その「らーめんチャンピオン」が今年10月香港にもオープンします。

香港のらーめん市場は現在右肩上がりで、常に行列のできている
「豚王」、「一風堂」や、デビット伊東氏の経営する「でびっとらーめん」、「長浜ナンバーワンラーメン」等日本のらーめん店が次々と進出をしています。

しかし、その反面撤退をしていくらーめん店が多いことも事実です。
香港やシンガポールは、土地に制限があるため賃料が驚くほど高く、固定費が多くかかり、経営に負担がかかることは明らかです。
進出した店舗の体力が長く続かない、ということも事実としての一面です。

そのような厳しい環境の中、らーめんチャンピオンは、海外に進出済みの企業体の支援の下、強い意思と覚悟をもって出店される日本のらーめん店が
なるべく新しい地のランディングをスムーズにできるよう、トータルでのサポートをされています。

食品の仕入れルートから経理までを管理してもらえる日本のらーめん店は、自社の味の提供に専念しながら現地での市場開拓を実現することができます。
これが長く体力を持続させる秘訣になるわけです。
さらに、日本各地から出店する豊富な日本のらーめんを現地の方々に味わっていただくことで、日本の各都道府県に興味を持って頂き、らーめん主導の観光客誘致につなげるという狙いもあるようです。

このような団体での進出は、一店舗のみで最初から最後まで全て自己負担するという形式ではなく、輸送路や食品の集約によるコスト削減、そして各テナントによるコスト分散で進出リスクを低減させること、このようなことを上手に実現することができる優れ技と言えるかもしれませんね。
「らーめんチャンピオン」を例とする団体進出は、リスクマネジメント、コスト低減等の強みを十分に発揮することで、競争が激化する市場の中でも生き残ることが可能な一手段となりそうです。
また、日本企業が海外への進出を行う新たな経営戦略としても、大いに注目に値する手段とも言えるのではないでしょうか。
「同業種連携」という切り口から紐解いてみてもとてもおもしろいですね。

このコラムの著者

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堀 明則ほり あきのり

(Hopewill Group)

幅広い事業範囲を武器に

日本企業、個人に対し、香港・シンガポールをハブとした、『日本からア

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