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海外ビジネス コラム

市場動向 2012年11月14日

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アフリカ進出は今を逃すな! 新興国が支配を目論む「アフリカ市場」

金城 拓真(津梁貿易株式会社)

現在、尖閣諸島問題などによって、中国でのビジネス環境が変化している中、中国に代わる市場へ目を向ける企業の数が急激に増えています。
次の市場とは、インドに始まり、タイやバングラデッシュ、ミャンマーといったアジアの国々が挙げられます。

日本だけでなく、欧米諸国もまた、現在生産拠点を徐々に中国から移設させています。
そして、それらの国々は集まった投資で発展し、次第に経済力が上がってきています。

現在では、そうした国々が、自国以外の国へと投資をしています(金は天下の回りものの象徴ではないでしょうか)。

 

その対象がアフリカです。

さらに、最近ではアフリカの資源に注目が集まり、中国だけではなく、欧米の資源メジャーも投資を始めています。

それに比べると、日本の投資はまだまだ少なく、依然、援助対象として見ている感が否めません。
最近になってようやく、アフリカをビジネスの対象として捉えようとする動きが目立ってきたという状況です。
この波に乗り、アフリカ進出のタイミングを見計らっている企業も多いのではないでしょうか。

 

このように、最近注目を集めているアフリカですが、実は中国、インド、中東諸国と古くから関わりを持ち、様々な商売が成り立ってきました(一例を上げると、香辛料の貿易、象牙、そして、産業革命を支えた奴隷など)。

特に、インド洋に面している東アフリカは、これらの国々と密接につながりながら、発展してきた地域です。

 

さて、その東アフリカだけに注目してみますと、元々はイギリスの植民地だった国で構成されています。

そのため、自動車のハンドルは日本と同じ右ハンドルで、当然街中を走っている自動車のほとんどは日本車。
そして、イギリスの植民地だったということで東アフリカとインドとの関わりは想像以上に深いものになっています。

例えば、東アフリカのタンザニアを例に挙げますと、イギリスの植民地時代にインドから多くの人が、タンザニアに移り住み、今ではその子孫がタンザニアの経済を支えています。

また、インドからの投資は目を見張るものがあります。

奴隷貿易や、植民地政策などの暗い歴史もありましたが、古来の商売に加え、いわゆる新興国からの投資にも支えられ、現在のアフリカの経済成長には目を見張るものがあります。
これは数字にもあらわれています。

 

このグラフは、東アフリカのタンザニアという国と、日本の経済成長率を比べているものです。

このグラフを見ると、日本がバブル崩壊以降、景気低迷に陥っている中、タンザニアは高い成長率を今も維持し続けています。

この高い経済成長の牽引役、そして、新興国の投資の魅力となっているものは何でしょうか。
その一つに、活発な消費活動があると言われています。
全体的な所得向上により、消費者の購買力が活発になっています。

皆さんは「ブラックダイヤモンド」と呼ばれる人たちをご存知でしょうか。
「ブラックダイヤモンド」とは、アフリカのミドルクラスのことです。
彼らの特徴は、比較的裕福な家庭に生まれ、ヨーロッパに近い教育を受け、そして、愛国心が強いということです。

近年、この「ブラックダイヤモンド」の数が次第に増え、経済界に影響を与えるまでになりました。
彼らは、先進国の生活を知っているので、その高い生活水準を求めるようになります。
つまり、競い合うように家を建て、車を買い、ブランド物を身につけようとします。

この「ブラックダイヤモンド」は、やがて役人や政治家になり、経済界だけでなく、様々な制度改革などに影響を及ぼし始めます。
そして、彼らによって、今よりもっとしっかりした外資の誘致制度が整えられると言われています。

それだけでなく、今の腐敗した政治体制(自分の出身地域へのひいきや、現行制度の非効率性など)の変革などが期待されています。

これらの変革によって、アフリカのビジネス界はこれまでに比べ格段に進出しやすくなります。
これはつまり、競合が一気に増加するということであり、さらにマーケットの成熟が早まるということです。

ですから、アフリカに進出するタイミングを間違えてしまうと(躊躇してしまっていると)、気づいたときには、自分たちが投資してきた国々によって、アフリカのマーケットを支配されてしまっているという事態になりかねません。

現在、きちんとした制度が整えられていないアフリカだからこそ、「今」に進出のチャンスがあるのです。

このコラムの著者

金城 拓真

金城 拓真

(津梁貿易株式会社)

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