Digima〜出島〜

海外進出に関わる、あらゆる情報が揃う「海外ビジネス支援プラットフォーム」

海外進出に関わる、あらゆる情報が揃う「海外ビジネス支援プラットフォーム」

海外ビジネスサポート企業はこちら

検索フィルター

検索コンテンツを選ぶ

検索したいコンテンツを選んでください

国を選ぶ

検索したい国を選んでください

業種を選ぶ

検索したい業種を選んでください

課題を選ぶ

検索したい課題を選んでください

海外ビジネス コラム

市場動向 2012年11月16日

  • share

ドバイ進出の鍵になる! UAE全体の一世帯当たりの平均所得は○○万円?

蘇畑 浩憲(株式会社レントラックス)

全高828メートル、世界一の超高層ビルであるブージュ・カリファや、約1300店舗がひしめきあう世界最大規模のショッピングモールであるドバイモール、そしてやはり世界一の高さを誇る「7つ星」ホテルのブルジュ・アル・アラブなど、もはや未来都市とも言えるようなユニークな国造りでその名を世に知らしめたドバイですが、みなさんはどのようなイメージをお持ちでしょうか。

最近人気ドラマの映画版第2弾「SEX AND THE CITY 2」において、ドバイの隣国のアブダビが舞台に選ばれていた影響もあってか、ドバイ・ショック後に少し落ち着いてきていた豪華で華やかなイメージが、また再燃しているようです。

5つ星ホテルが乱立する市街を、フェラーリ、ポルシェ、ランボルギーニにマセラティといった超高級車が当たり前のように走り抜け、スキー場や巨大水槽、スケートリンクなどを有した巨大なショッピングモールは、グッチやプラダなどの高級ブランドの買い物袋を手にした買い物客で賑わっています。

その様子は誰が見ても「景気がいい国」としか感じられないのではないでしょうか。

初めてこの国を訪れた際、私の頭に浮かんだのは、「景気が良く余裕がありそうな人ばかりに見えるが、一体この国の平均年収はどのくらいなのだろう?」という疑問でした。

正直まったく想像がつかなかったのです。
私も多くの方のように、あまりに華美でスケールの大きいドバイの街並みとオイルマネーという言葉を安易に結びつけてしまっていましたので、もし平均所得1億円と言われても当時なら信じたかもしれません(実はUAEにおける石油産出は9割が隣国のアブダビからであり、ドバイは1割程度しか石油は産出せず、2015年には枯渇すると言われています)。

滞在中に知り合った居住者の方からの断片的な情報が、更に訪れた者の極端なイメージを煽ります。

「ドバイ人の若い女性は、香水代だけで毎月20万円使う」とか「王族の結婚式のご祝儀は一人数千万円単位」とか「公務員の平均年収は約4000万円」とか頭がクラクラするような話が出てきます。

そこでインターネットで調べてみようとしたのですが、なかなかしっかりした情報が見つかりませんでした。

UAE全体の一世帯当たりの平均所得を約480万円とするものや、ドバイ居住者の平均年収を400万円とするものなど数字がバラついているだけでなく、ドバイで見たイメージに数字がそぐわない気がしました。

これには理由があります。

ドバイの人口は現在約200万人と言われていますが、実はUAE国籍を有さない外国人の比率が8割を占めています。
多くはインド、フィリピン、パキスタン、バングラディッシュ、などアジアからの出稼ぎ労働者の方々です。

彼らもドバイで仕事をするために居住ビザを得ているれっきとしたドバイ「居住者」です。
そして職種にもよりますが、彼らの賃金はUAE国籍を持つドバイローカルのそれに比べて各段に低いのです。

あくまで私個人が知る範囲ですが、タクシー運転手や建設現場で働く方々、レストランやバーのスタッフですと月収は約5~7万円くらいです。
その一方でドバイローカルの公務員の方々の年収が1000万円を超えているケースがほとんどなのも、これまでの滞在経験から間違いなさそうです。

このように極端な年収格差がある複数の層を「居住者」としてカウントして平均を出しているので上述のような「意外と少ないな」と感じる数字になっているものと思われます。

公務員で年収1000万円以上がほとんど、というのも確かに私には驚きでしたが、もうひとつ忘れてはいけないのはここドバイはいわゆる「タックスヘブン」であり、所得税がゼロだということです。

つまり、UAEで「年収1000万円以上」=「手取りが1000万円以上」なのです。
もし、日本の税率下で同額を手取りで得るためには、額面で約2000万円の年収が必要になります。

こう考えると、「ドバイは豊かな国」というイメージは、少なくともUAE国籍を有するドバイの方々に関しては間違っていないようです。

さて、ではこのような恵まれた年収と消費力を有した彼らは、一体何にお金を使っているのでしょうか?

日本企業から見たドバイのビジネスチャンスについて、次回からお話できればと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

このコラムの著者

蘇畑 浩憲

蘇畑 浩憲

(株式会社レントラックス)

コラムニスト詳細

ジャンル別 新着コラム