アフリカで外資系企業がこぞって参入している業界があります。
10年ほど前までは外資系企業の参入する分野といえば資源・エネルギー関連がほとんどでした。
日本の方の頭にも、アフリカといえば資源輸出国としての印象が強いのではないでしょうか。
しかし時代は進み、現在ではアフリカでの外資系企業といえばIT、通信業界を指すことが多くなってきています。

アフリカにビジネス視察に来られる方に、アフリカのイメージとしては未だに半裸の人がほとんどで、電子製品どころか電気製品も持っていないようなことをよく冗談交じりに言われます。
しかし、実際にはアフリカのインターネット事情は大きく発展してきており、その拡大するマーケットを狙って続々と企業が進出してきています。

インターネットを考える際、その通信速度と値段は大きなファクターになります。
その中でも、今回は速度に焦点を当ててみたいと思います。
Net Indexが世界180か国におけるインターネット速度の調査結果を公開しています。
Net Indexでは過去30日の平均を集計して公表しているので、順位は常時変化しているのですが、今回調べた2012年11月13日のデータをもとに書かせていただきます。

1位は香港で、2位は日本です。
では、アフリカで１番通信速度の早い国はといいますと、モーリタニアという国で、18位です。
モーリタニアの次にはポルトガル、デンマーク、ベルギーといったヨーロッパの国が続き、モーリタニアの通信速度の早さを際立たせています。

しかし、モーリタニア以外に100位以内に入っている国は7カ国のみで、まだまだアフリカの通信速度の遅さが現れています。
以下は日本の通信速度とアフリカの1位から10位までの通信速度を表した表です。
日本-37.24 Mbps1位
モーリタニア22.98 Mbps2位
ルワンダ 7.19 Mbps3位
リビヤ 5.10 Mbps4位
マダガスカル 4.93 Mbps5位
エチオピア 4.82 Mbps6位
ケニア 4.33 Mbps
7位-ガーナ 4.31 Mbps
8位-ウガンダ 3.82 Mbps
9位-モロッコ 3.48 Mbps
10位-アンゴラ 3.48 Mbps

日本の37.24Mbpsに比べるとどの国もかなり遅い通信速度に感じますが、
イギリスの18.03 Mbpsやイタリアの5.58 Mbps、フィリピンの4.04 Mbpsと比べると極端に悪い数字とも言えません。

スマートフォンでのスピードを参考にしますと、現在日本では3.5Gの高速データ通信が主流です。
3.5Gの回線は
ドコモ：上り最大5.76Mbps　下り最大14.4Mbps
ソフトバンク：上り最大5.7Mbps　下り最大14Mbps
au：上り最大5.5Mbps、下り最大9.2Mbpsとなっており、
アフリカのインターネット通信速度よりも高速となっています。

弊社は、2007年頃からタンザニアに進出し、中古車販売をメインに行ってきましたが、その時点ではそこまでインターネットが普及しておらず、ごく限られた層の贅沢でした。

しかし、ここ数年でインターネット使用者が急激に増え、それに伴いインターネット回線スピードの改善がなされています。
また、都市部だけでなく地方への普及などを通してインターネットから何か商品を買う消費者や最新のマーケット情報を得る利用者が徐々に増えてきています。

アフリカは現在、携帯電話の市場として世界第2位のマーケットと言われており、携帯電話業界団体のGSM協会が出した最新のレポートによると、2000年にはわずか2パーセントだったアフリカでの携帯電話普及率が、2011年には63パーセントに達しているだろうとのことです。
そして、2012年末には契約者数は7億3500万になると予測されています。

この携帯電話の市場に比べるとまだまだ小さなインターネットのマーケットですが、Internet Usage World Statsによるインターネットユーザ数を比較したデータによると、2000年には約450万人だったアフリカでのインターネット人口は、2010年には約1億1,090万人まで急成長しています。

日本の場合、インターネットの普及率が約80％と言われていますが、人口約10億人を抱えるアフリカで今後インターネットのマーケットがどのような成長をするのかとても楽しみです。

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