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海外ビジネス コラム

市場動向 2012年12月22日

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『アセアンでもビリヤード方式』

堀 明則(Hopewill Group)

このコラムで、折に触れてお伝えをさせていただいている
「ビリヤード方式」での中国進出。
中国市場を攻略するためには「香港」を活用すること、つまり日本からの玉を、香港の玉にあて、香港の玉が中国の玉をつきにゆく。
文化も、商習慣も、言語も、なにもかも違う中国市場。
ここに日本から直接アプローチすることはなかなかの難易度です。
一方で香港玉は、その歴史的な背景もあり、日本玉との相性は大変に良好です。
そこで、中国の文化、商習慣を理解し、言語も共通である香港玉に中国玉を取り扱ってもらう。
こうすることで中国市場における成功確度をあげてゆく。
そういう方法で効率的にリスクをヘッジし、成果をあげられている例は多くあります。

この「ビリヤード方式」、アセアン市場へのアプローチにも大変効果的です。
ただし日本玉がつくのは香港玉ではなく、シンガポール玉です。

旧来より、東南アジアにおけるハブ機能として、その存在感を世に知らしめてきたシンガポール。
昨今の東南アジア経済の発展とともに、にわかに注目を浴びるシンガポールの存在です。

特に日本企業にとって東南アジアへの検討は必須ともいえる状況です。
理由はもちろん、昨今の日中関係の悪化に伴う、製造拠点戦略、販売戦略への影響です。

しかし、急発展する東南アジア、アセアン諸国における事業難易度も、中国のそれと酷似しています。
急発展にはそもそも理由があり、大方が一党独裁社会、軍事政権社会、民主社会主義社会における改革・開放の恩恵がそれにあたります。
いわゆる一般的資本主義政策をしく地域ではないところに、資本主義原理が急速にもちこまれることによる資本の流動化が経済を大きく膨らませているわけですね。
しかし社会システムの整備は追いついていなく、日本で商売をすることと同じ感覚では、とても理解できないようなことが日常的におきるわけです。

さりとて、この市場には一日も早くアプローチをしたい。
これは理解できる心理であるわけです。
このようなときに、旧来より東南アジアのハブとして成長をしてきたシンガポールの存在が、大変重要になってきます。
シンガポールは華僑経済圏であり、華僑は東南アジア・アセアンの津々浦々の経済に深く入り込んでいます。
それを統括し、また成果物を持ち帰る先がシンガポールであるわけです。

シンガポールは香港同様に、租税上非常にメリットがあることはよく知られるところですが、それよりも上述の歴史的背景により周辺諸国との租税協定の整備が非常に整っており、日本からではなく、シンガポールから東南アジア・アセアンのビジネスを統括することで、様々な税制上のメリットが享受できるわけです。

今後東南アジア・アセアン市場への参入を検討される皆さんには、ぜひシンガポールの活用を検討いただければと思います。
日本から東南アジア・アセアンの新興市場に直接投資するのではなく、まずシンガポールにタッチダウンし、シンガポールからこれら新興市場に網をかけてゆく。
この立て付けをぜひ念頭ください。
情報流通、人材獲得、事業管理、投資効率、さまざまに日本からの直接投資に比較して、多くのメリットを実感されることになるでしょう。

シンガポールの人口は400万人強。
この人口の10%程度をインド人が占めるとのことです。
アセアンではありませんが、中国に続き注目されるインド市場。
シンガポールも香港に同様、大変に日本との相性はよいところです。
そこに住まうインド人も比較して相性がよいケースも多いでしょうから、インド市場へのアプローチにおけるシンガポールの活用も有効ですね。
シンガポールには、東南アジア・アセアン市場に留まらず、インドや中東に向けても作り上げられているインフラがあります。

「経済は西に向かう」と言う言葉と重ねあわせるならば、今後の日本経済が「進路を西にとる」ときに、シンガポールと言う小さな国家は、その発展において大きな大きな力となってくれるのではないかと考えます。

皆さんはいかが感じられますか?

このコラムの著者

堀 明則

堀 明則ほり あきのり

(Hopewill Group)

幅広い事業範囲を武器に

日本企業、個人に対し、香港・シンガポールをハブとした、『日本からア

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