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海外ビジネス コラム

市場動向 2013年02月25日

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中小企業の海外進出では、「誰にアドバイスを貰うか」を見極めるノウハウを手に入れろ!

出井 伸之(クオンタムリープ株式会社)

大切なことは1960年代から何も変わっていない

若い頃の経験で言えば、当時は企業の海外進出に関しては、商社が進めていくという形でした。それが、ソニーくらいの規模になると、自分達でやろうということになります。ただ、これは大企業的発想ですね。基本的には商社が主導していました。
それが今では、社長が「エイヤッ」と決めて出ていくケースが多い。中小企業でも自分達で頑張らなければいけません。また、必ずしも現地のことを十分理解して出ていくわけでもありません。

私のソニー時代の話をしますと、1960年代、私はまさに海外事業部にいました。アフリカ、アメリカ、ヨーロッパ、中南米などに試行錯誤しながら進出していた部署です。その当時、日本の企業を育てていたのは、華僑やユダヤ人と揉まれる現地の環境でした。
当時は、情報を得るにも時間がかかりました。今は違う。ネット社会になり、情報が飛び交っている状況です。しかし、情報を得るだけで、かなり進んでいる気がしても、実は大して環境は変わっていない。結局、現地にはライバルがたくさんいるし、信頼できる人を見つけて戦っていかなくてはいけないからです。

「この国だったら、この人」という人を見つけ出せ!

私は結局、10年ヨーロッパにいました。その時私が経験したようなことが、今のアジア各地で起こっているんだろうなぁ、と感じています。
ソニーは、当時すでに結構大きかったのですが、20代の頃に私の部署の先輩方が全員クビになったんです。そして、代わりに26、7歳の人が5名配属され、先輩たちは帰ってしまった。皆、ヨーロッパのことなど何にも分からない中、サラリーマンなので給料だけ勝手に入ってくる状態です。何とかしなくてはいけないのですが、事業計画・ビジネスプランの立て方も知らない。英語もろくにできない。その時のことを考えると、イギリスで初めて東インド会社という会社ができた時と同じなんじゃないかと思いますよ(笑)。
しかし、60年代はそもそもイチから作り上げていく時代でした。ノウハウがないのは当たり前だと思って、気にもならなかった。そこで学んだのは、誰にアドバイスを貰うかが非常に大事だということ。この国だったらこの人、といったものがあるんです。今でも必ずそうしたものがあるはず。

あたかも海外営業部が昔からあったかのように――

そして私が代表を務めるクオンタムリープは、あたかも海外営業部が昔からクライアント企業にあったかのように海外進出をお助けしたいと考えています。誰にアドバイスを貰うか、といったことをこれまでのノウハウによってサポートするのです。
40年ほど前でしょうか、大企業が中心となり東南アジアにバッと出ていったとき、「新アジア論」といった内容の本がありました。アジアのカルチャーを伝え、それに慣れなければいけないと戒める内容です。
こうしたものが今も求められていると思います。これは、絶対に現地にいる日本人が書くべきです。経済評論家などに書かせてはダメです。観念論ではありませんので。
そうした意味では、この「新維新コラム」には参考になる記事が数多くあると思います。逆に言えば、そうした情報を発信していくことがコラムニスト達の使命なのでしょう。

このコラムの著者

出井 伸之

出井 伸之

(クオンタムリープ株式会社)

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