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海外ビジネス コラム

市場動向 2013年02月26日

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<アジア・クロスボーダー戦略> 経済特区 インドネシア(1)

堀 明則(Hopewill Group)

前回はミャンマーの経済特区に関する情報まで発信させていただきました。
今回はインドネシアの経済特区情報をお届けします。
前回と同様に、弊社「アジア・クロスボーダー戦略コンサルティングチーム」がまとめます情報を、以下の通り発信させていただきます。

米国財政の崖は、上下院による法案の可決により延命しました。
が、これは単なる先送りです。
日本では自民党政権下、積極的な金融・財政政策「アベノミクス」が展開され、円安基調です。
しかし急激な円安には介入する意向を表明もしていますね。
歴史的にはまだまだ円高です。

米国をはじめとする先進国のぐらつき、日本の先行きの不透明感は依然としてぬぐいさることはできません。
やはり成長余力の大きい「アジアの時代」を感じずにはいられません。

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まずは2010年時点でのインドネシアへの企業進出状況(JETRO統計)を把握したい。
進出企業数は923社で、業種別では、製造業が593社と過半数を占めている。
その内訳は、自動車・同部品の進出が114社と最も多く、次いで電機83社、金属部品75社となっている。
その他では、化学、プラスチック・ゴム製品、繊維・織物、二輪車・同部品等が進出している。

今回は、アセアン諸国の中で手を組み、製造業による経済発展を歩む地域に焦点を当ててみたい。
その地域の名称は、バタム、ビンタン、カリムン自由貿易地域と呼ばれており、隣国シンガポールとの間で2006年の経済特区設置の覚書に調印し誕生した。
現在のところ同地域は経済特区の前段階として、自由貿易地域としての位置づけとなっている。
その内の一つのビンタン島は、シンガポールから南東へ約45キロに位置しており、両国間の交通距離は、フェリーでわずか50分である。
島の北部には世界的な有名リゾート地域があり、工業団地は島の西側に設けられ、工業団地専用の港も設置されている。
シンガポールが有する、開発・人事・営業などの管理機能、そして物流と金融のインフラ整備の優位性と、インドネシアがもつ豊富で賃金の安い労働力、そして広い土地を有効活用した幾つかの工業団地を組み合わせた、国家間の戦略的自由貿易地域である。

この地域のコンセプトは、以下の点にまとめられる。
(1)非課税地域
(2)数多くの投資活動に対しての規制解放(貿易、工業、金融、観光等)
(3)自由貿易地域からの地元への市場参入に対する非制限
(4)他の関税地域から自由経済地域への供給許可
(5)国際物流供給網への支援
(6)事業に係るコストの削減(各地域当局が設けられ、ワンストップサービス化)

また、財務上の優遇措置として、
(1)輸入資本財、交換部品、備品、原材料への関税と税金の免除
(輸入関税、付加価値税、ぜいたく品消費税、物品税)
(2)輸出税の免除
(3)他の通関地域からの備品供給の許可(付加価値税も免除)
(4)自由貿易地域から地元への市場参入の非制限
(関税の支払いがあれば、国内販売も可能)
(5)国営企業への法人税の減税
が挙げられる。

財務以外での優遇措置としては次のようなことがあげられる。
(1)70年間の自由貿易地域の期間設置
(2)ビザ手続きの簡素化(スマートカード制の導入)
(3)輸出入の簡素化(通関書類審査の迅速化)
(4)効率的な各地域の管理サービス
(ワンストップオフィスの設置、苦情対応センターの設置)
(5)豊富な熟練労働力の供給体制の整備

進出する企業に対しては国家的に支援をしてゆく姿勢がうかがえる。
その一方、インドネシアの経済特区に関する投資活動について気をつけなければならない点も多々ある。
新規および拡大投資は国内需要を意識した対象業種が優先的に考えられており、汚職や、不透明な法制と税制などは、早期改善が求められるところである。

(文責)
ホープウィル・グループ
アジア・クロスボーダー戦略コンサルティング・チーム
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次回はさらにビンタン地域を中心にお伝えしてゆきます。

このコラムの著者

堀 明則

堀 明則ほり あきのり

(Hopewill Group)

幅広い事業範囲を武器に

日本企業、個人に対し、香港・シンガポールをハブとした、『日本からア

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