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海外ビジネス コラム

ネットビジネス 2018年01月31日

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中国人旅行者の4割は訪日後、越境ECを利用している

大塚 孝二(株式会社デジタルスタジオ)

昨年12月12日、日本貿易振興機構(ジェトロ)が「中国の消費者の日本製品等意識調査」公表した。報告書よると、中国の越境ECで日本の商品をを購入した経験が「ある」と回答した割合は67.7%と前回調査と比べて1.1ポイント上昇しており、越境EC利用者数は高い値で推移していることがわかった。

また、越境ECで購入する理由については、「日本へ旅行した時で購入して気に入ったから」が4割を占め、インバウンドと越境ECの関係が明らかになってきている。今回は日本貿易振興機構の「中国消費者の日本製品等意識調査」を中心に中国の越境ECの現況などを見ていこう。

◆ 日本に対する中国人のイメージは?

日本貿易振興機構(ジェトロ)が公表した「中国の消費者の日本製品等意識調査」は北京市・上海市・重慶市などに住む20~49歳の中国人1224人を対象にしたアンケート調査によるものである。アンケート調査は中国の調査会社「上海インサイツ」が2017年8月に実施したもの。

まず、日本や日本人に対しての中国人のイメージは「礼儀正しい」「サービスが良い」「エコ」などのイメージが定着しているようだ。

下記表は、「技術力が高い」「ファッショナブル」をはじめとする9つの項目について、日本、中国、米国など9カ国について、何をイメージするかを回答してもらったものである。

例えば、「技術力が高い」については、米国(42.0%)、ドイツ(20.2%)に次いで日本(15.0%)が第3位という順位である。この順位は5年間変わらないが、日本だけが、初回調査の2013年(米国50.9%、ドイツ24.4%、日本9.9%)に比べ、ポイントが上昇していると記している。
 

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◆ 今後、中国人が行きたい国では日本がトップ

「中国消費者の日本製品等意識調査」の対象者1224人のうち、海外旅行経験者は76.9%で、さらに日本へ行ったことがる人は61.1%。この数字は回答対象の9カ国のうち、トップである。

また、今後行きたい国・地域(3つまで複数回答)では日本が40.2%で調査開始以来、初めて第1位となった。日本に行きたいか、行きたくないかの質問に対しても、行きたいと答えた人は88.9%と日本は高い支持率であったようだ。
 

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また、訪日目的の内容を見ると、トップ3の1位は「遊園地、テーマパーク、娯楽施設等で遊ぶ」(60.8%)、2位は「食事」(51.7%)、3位は「買い物」(50.6%)の順だ。

さらに、第4位に桜鑑賞が入っており、季節限定のイベントが人気が高いことが明らかになっている。季節はこれから春に向うが、桜鑑賞などの要素を取り入れた、お花見旅行プランの提案などで多くの中国人旅行客を集客することも有効だろう。
 

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◆ 中国の越境EC利用経験者は約7割、訪日旅行で気に入った商品を再購入している

越境ECで日本商品、購入経験の有無については67.7%が「購入したことがある」と回答している。また、「ない」と答えた人も4割以上が今後越境ECで購入したいと答えており、越境ECを介して日本商品を購入したいというニーズは高いことが示されている。

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越境ECで商品を購入する理由としては、「中国の店頭で販売されていない製品だから」44.4%、「日本に旅行をしたときに購入して気に入った製品だから」(40.4%)、「ニセモノではないから」(32.4%)、「価格が安いから」(30.1%)などが挙がっている。

特に注目は、「日本に旅行をしたときに購入して気に入った製品だから」を理由として挙げた人(40.4%)が前回の2016年よりかなり増えている点だ。これは、中国訪日観光客を取り込み越境ECに繋げる重要性を示唆している数字と言える。
 

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◆ 越境ECでは何を購入しているのか?

越境ECで購入した商品は、1位が「化粧品」(48.5%)、2位が「食品」(41.6%)、3位が「医薬品」(35.5%)、4位が「電気製品」(31.5%)、5位が「健康食品」(27.8%)となっている。

購入場所は「百貨店」、「家電量販店」、「免税店」、「ドラッグストア」などが上位で、以前、買い物をした銀座のドラックストア「マツキヨ」などは化粧品、薬などを爆買いする中国人で溢れていた。
 

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今後越境ECで購入したい商品は、1位が「電気製品」(47.6%)、2位が「化粧品」(40.9%)、3位が「食品」(29.9%)となっている。結果を見ると、実際に購入している製品と順位が異なる内容となっており、今後は越境ECで「電気製品」の購入が伸びだろうと予測される。
 

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記事参考:日本貿易振興機構(ジェトロ)「中国の消費者の日本製品等意識調査

◆ 関税が減税になり中国越境ECは拡大する

2017年11月22日、中国・国務院関税税則委員会が一部の消費財の輸入関税を調整すると公示した。その内容は、2017年12月1日から暫定的に輸入関税を減税にするというものだ。

今回、関税調整が行われるものとは、主に食品・健康食品・薬品・日用品・アパレル・家庭家電用品・雑貨品などの合計187の製品カテゴリーとなっている。従来の関税を平均すると17.3%だった関税は、7.7%へと引き下げられるようだ。この減税内容を見ると今年は、ますます、越境ECを通じた日本商品の購入ニーズ高まることが予測できる。

主要なものをピックアップすると、

  • 乳幼児用小売包装食品 :従来15%→新税率2%
  • ミネラルウォーター :20%→10%
  • ウイスキー :10%→5%
  • 香水/オーデコロン/リップ
  • アイ化粧品/歯磨き粉 :10%→5%
  • ネイル化粧品: 15%→5% ・シャンプー/その他の化粧品
  • 美容用品・スキンケア商品 : 6.5%→2% ・脱毛剤 : 9%→5%
  • 乳幼児用の粉ミルク :20%→0%
  • 紙おむつ・パンツ :7.5%→0%
  • 電動歯ブラシ/電気シェーバー 30%→10%
  • (普通)歯ブラシ 25%→8% ・電動脱毛器 20%→10%
  • 電気アイロン 35%→10%
  • コーヒーメーカー/ウォシュレット 32%→10%
  • パン作り機・トースター/ウォーターサーバー 32%→16%
  • 魔法瓶 24%→8%
    など

 

中国関税の変更
 

◆ まとめ

中国人にとって越境ECの良さは何か?というと、「中国では店頭にない商品が購入できるから」が、トップとなっているが、それ以外の大きな要因としては、日本の商品は「コスパが良い」という点である。

日本製品は中国人にとって決して高くはないということことと、さらに品質が良い、つまり、「安くて良い製品」が日本商品の強みであるという点であり、日本のメーカーの強みでもある。

今後、中国人が訪日した際にはで中国本土には無い、日本の「安くて良い製品」商品を購入してもらい、さらに帰国後、越境ECで再購入していただく戦略を行うことがポイントとなる。今後は中国に限らず、訪日旅行者を如何に取り込むかが重要な視点でもあるようだ。

提供:越境ECソリューション – Live Commerce

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大塚 孝二

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