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海外ビジネス コラム

ネットビジネス 2021年02月02日

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【注目のグローバルECサービスlingbleのCEOが語る!】
連載・第1弾「グローバルECは料理」

原田 真帆人(Lingble Pte Ltd.)

私は以前クックパッドで働いていたんですが、グローバルECも同様にお料理に例えることができます。上場企業や大手商社、政府なんかも海外向けECに億単位の投資をすることがありますが、うまく行った事例はあまり聞きません。
 
事業の成功とは、消費者が「美味しい!」と言ってくれる料理を作ることに近いと思います。だからこそ、外国人に対して料理を作ったことない人に高スペックなキッチン器材だけ売りつけても彼らが喜ぶ味をプロデュースすることはできないんです。
 
システム受注を受ける開発会社の目的は、見積もりをしてコードを書いて納品することです。つまり、なるべく高価なキッチン器材を納品することであり、美味しい料理を作ることは目的ではありません。
 
「奥さーん、〇〇度まで出るこのオーブンで焼くと本当にうまいんですよ」と言われた主婦は、器材説明を聞いていると夢膨らんでしまいますが、実際には料理したことがない。納品されて、動作確認をし、「壊れたらここに連絡してくださいね」と業者は去っていきますが、高級器材を前にぽつんとひとり。残ったものは支払いだけで、美味しい料理はどこにもありません。 
 
その点、私達の提供しているリングブルのサービスは「料理学校」に近いと思います。器材は揃ってますし、料理のいろはを教えてくれる厳しくも優しい先生がついてきます。そんな主婦はまず「自分は対象が感動するような料理の仕方を知らない」という自覚をし、学ぶ姿勢を持つことが重要です。中には、私の料理は世界一うまい!という自負を持っている主婦もいらっしゃるわけですが、味覚や主観はそれぞれの国で様々です。
 
モンゴル人の主婦も、ソマリア人の主婦も、腕に自身がある人はたくさんいます(ちなみに僕はモンゴルで仕事をしたことがあるのですが、ゲルの中でw 自信満々に出されるチーズは当初なかなか喉を通りませんでした、、)。
 
誰が正しくて誰が間違っているわけでもありません。それぞれの国や文化で味覚やあたりまえは違うんです。でも国内の成功体験から違いを無視しちゃったり、大企業にはそこを地道に学ぶ時間的余裕があまりありません。
 
そして売り手の想いだけで、数寄屋橋次郎のウニをミネソタ人の口にいきなり突っ込んでもうまくいきません。アメリカの内陸地であるミネソタに、僕は住んだことがあるのですが、そもそも魚を食べ物として認識していない人もたくさんいます。我々が昆虫を食べ物だと認識していないのと同じです。アフリカやアジアなんかでは美味しそうに虫を食べますよね。生きたまんまのでっかい幼虫なんかも食べちゃいます。
 
そんなアメリカ人には生のサカナなんてもってのほか。まずはドラゴンロールやアボカドの寿司を作ってあげないといけません。お箸も使えないですから、ナイフとフォークも用意してあげる必要があります。サーモンの寿司、ドラゴンロール、カリフォルニアロール、というステップを経ながらだんだん京都や銀座に近づいてくるんです。
 
こういうふうに、一概にグローバルECといっても、様々な障壁と要素をクリアしてあげないと対象国のユーザーには評価してもらえないんです。食材、料理の腕と経験、器材、全てが揃ってようやく感動する料理ができるわけであり、中長期的な計画を立ててじっくりと進めてゆくことが重要です。

このコラムの著者

原田 真帆人

原田 真帆人

(Lingble Pte Ltd.)

数々のブランドを成功に導いたグローバルECの専門家

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