Digima〜出島〜

海外進出に関わる、あらゆる情報が揃う「海外ビジネス支援プラットフォーム」

海外進出に関わる、あらゆる情報が揃う「海外ビジネス支援プラットフォーム」

海外ビジネスサポート企業はこちら

検索フィルター

検索コンテンツを選ぶ

検索したいコンテンツを選んでください

国を選ぶ

検索したい国を選んでください

業種を選ぶ

検索したい業種を選んでください

課題を選ぶ

検索したい課題を選んでください

三国間貿易とは?仲介貿易との違いや取引方法・メリット、インボイス作成の注意点を解説

掲載日:
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

「三国間貿易」とは、A国・B国・C国の3つの国があったとして、「A国が仲介者となり、B国からモノを買い、C国からモノを売る」貿易形態を意味します。3ヵ国の売買契約を取り仕切るのは、仲介者であり荷送人でもあるA国となり、B国とC国に対して金銭のやり取りをします。

第二次世界大戦以降、世界的に貿易の自由化が進められる中で、「A国がB国にモノを売る」「B国がA国からモノを買う」といった通常の貿易だけでなく、世界情勢や企業のニーズに合わせてさまざまな貿易形態が登場しました。今回は様々な貿易形態のひとつである「三国間貿易(仲介貿易)」について、わかりやすく解説していきます。

本テキストでは、三国間貿易の定義および英語表記、混同されやすい仲介貿易・中継貿易との違い、三国間貿易の仕組みと流れ…といった三国間貿易の基礎的な知識に加えて、三国間貿易ならではのメリットや注意すべきポイントについても詳しく解説していきます。

1. 三国間貿易(仲介貿易)とは何かをわかりやすく解説

三国間貿易とは

冒頭で少し触れた「A国がB国にモノを売る」「B国がA国からモノを買う」という通常の貿易形態は二国間で行われる「二国間貿易」を意味します。

対して「三国間貿易」とは、「A国が仲介者(第三国)となり、B国からモノを買い、C国にモノを売る」貿易形態を指します。3ヵ国の売買契約を取り仕切るのは、仲介者であり荷送人でもあるA国となり、B国とC国に対して金銭のやり取りをします。

図01_ (1)


具体的には、A国は貿易の仲介者(第三国)となり、C国から料金を受け取ってB国に料金を支払い、B国からはA国に直接モノが送られます。

三国間貿易と仲介貿易と中継(ちゅうけい/なかつぎ)貿易の違いとは?

「三国間貿易」と同じ文脈で頻出する貿易形態に「仲介貿易」と「中継(ちゅうけい/なかつぎ)貿易」があります。ここではこれらの違いを解説します。

「三国間貿易」は貿易において、第三国が仲介者となって、二国間でのモノの受け渡しが行われる貿易であり、仲介役となる国が存在するため「仲介貿易」とも呼ばれます。

つまり「仲介貿易」とは「三国間貿易」と同じ貿易形態を指します。

そして「仲介貿易」とは法律用語でもあり、法律においては「仲介貿易」が使われ、一般的な国際ビジネスにおいては「三国間貿易」と呼ばれることが多いという違いもあります。

続いて「中継(ちゅうけい/なかつぎ)貿易」ですが、これもまた「三国間貿易」「仲介貿易」と混同されやすい貿易形態です。

「中継貿易」も3つの国がかかわる貿易形態ではあるのですが、「B国とC国が貿易を行う際に、A国を経由してモノの受け渡しを行うこと」を言います。この場合、A国は加工や保管などを行うだけで、C国における売買はなされません。

つまり「中継貿易」におけるA国は、輸入したモノを自国では売らずに、そのまま(あるいは多少の加工を加えて)他国へ再輸出するのです。

また「中継貿易」は、政治的に直接取引が困難なケースや、免税を目当てとして活用されることが多い貿易形態でもあります。

三国間貿易(仲介貿易)を英語で表記すると?

では三国間貿易(仲介貿易)を英語で表記するとどのようになるのでしょうか?

三国間貿易(仲介貿易)の英訳はいくつかあるのですが、よく使われるのは「intermediary trade」のようです。正確に言うと、三国間貿易という言い方は英語では一般的ではないようで、「intermediary trade」は「仲介貿易」の英訳となります。

「tripartite trade」「triangular trade」という英訳が出てくることがあるのですが、こちらは3つの国もしくは地域がかかわる貿易構造を指す言葉であり、日本語では「三角貿易」と呼ばれるものの英訳となるようです。

「三角貿易」とは大航海時代以降の17世紀から18世紀にかけてイギリスを主体として行われる3つの国や地域間での貿易を指す言葉なので、現代における三国間貿易とは意味が異なることに注意しておきましょう。

2. 三国間貿易(仲介貿易)の仕組みと流れ

三国間貿易がどういったものなのか、概要がわかったところで仕組みと流れについても確認しておきましょう。

三国間貿易(仲介貿易)の仕組みと流れ

先に述べた通り、三国間貿易とは、「A国が仲介者(第三国)となり、B国からモノを買い、C国にモノを売る」貿易のことであり、このケースではA国が貿易の仲介者(第三国)となり、B国は輸出者、C国が輸入者となります。

図01_ (1)


C国からA国に対して注文が入り、A国はB国に商品を注文し、B国からC国へと商品が送られます。C国はA国に料金を支払い、A国もまたB国に料金を支払います。B国とC国の間にはモノの輸送が生じますがお金のやり取りは発生しません。

お金の流れとしては「A国がC国から料金を受け取ってB国に料金を支払う」という流れとなり、モノの流れとしては、「B国からC国に直接モノが送られる」という流れです。お金とモノ、書類の流れについては次の項で詳しく解説します。

3. 三国間貿易(仲介貿易)を理解するポイントをわかりやすく

前項までの解説で、三国間貿易がどういったものなのかおわかりいただけたところで、この項では三国間貿易を理解するポイントについて「お金」と「モノ」と「書類」の3つの軸から解説します。

三国間貿易は「お金」と「モノ」と「書類」の流れを理解するとわかりやすい

三国間貿易を理解するポイントは、「お金」と「モノ」と「書類」という3つの流れをクリアにすることです、

通常の二国間貿易では、A国とB国の2ヵ国間のみで「お金」と「モノ」と「書類」がやり取りされますが、三国間貿易ではここに3つの国が絡むため、少し混乱が生じるケースがあります。

「お金」と「モノ」と「書類」の流れを理解することで三国間貿易のことがぐっとわかりやすくなりますから、それぞれの流れを確認していきましょう。

以下より「A国が仲介者(荷送人)となり、B国からモノを買い、C国にモノを売る」という設定で解説していきます。

三国間貿易における「お金」の流れ

「A国が仲介者(荷送人)となり、B国からモノを買い、C国にモノを売る」場合、お金の流れは2つ。

・A国がB国にお金を支払う
・C国がA国にお金を支払う


図02


A国はC国に対して売主となり、B国に対しては買主になるという図式です。

三国間貿易における「モノ」の流れ

「A国が仲介者(荷送人)となり、B国からモノを買い、C国にモノを売る」場合の、モノの流れについても見ておきましょう。

・B国からA国にモノが送られる

図03


これはとてもシンプルです。(A国に)発注したC国へ、(A国から)受注を受けたB国が、(A国に発注した)C国へ商品を輸送します。

三国間貿易における「書類」の流れ

「A国が仲介者(荷送人)となり、B国からモノを買い、C国にモノを売る」場合の、書類の流れは下記のとおりです。

・B国からA国へと書類が送られる
・A国はB国の書類の中の、インボイスやB/LをA国で発行したものに差し替えて、C国へ送る


図04 (2)


B国とC国はA国を仲介者として貿易を行っているため、お金と書類に関しては必ずA国を通します。インボイスとB/Lについては後ほどさらに詳しく解説します。

4. 三国間貿易(仲介貿易)のメリット

三国間貿易の基礎知識について理解が深まったところで、この項では三国間貿易のメリットを輸出側と輸入側、双方の立場から見ていきましょう。

輸出側のメリット

輸出側にとって三国間貿易は、仲介者を挟むことで販促や交渉の手間やコストを抑えることができる、というメリットがあります。また、仲介者である第三国に代金回収も行ってもらえるため、回収に関するリスクヘッジにもなります。

輸入側のメリット

輸入側にとっての三国間貿易のメリットも、コストの削減や交渉の手間が省けることです。仲介者を挟む取引ではありますが、商品のやり取りは輸出者から直接輸送されるため、輸送コストも最低限に抑えられますし、消費税も不要となります。

この、消費税がかからないメリットについては次の項で詳しく解説します。

5. 三国間貿易(仲介貿易)は国外取引のため消費税がかからない

前項で、三国間貿易の輸入側にとってのメリットとして、消費税が不要となることを挙げました。では、なぜ消費税がかからないのでしょうか?

海外(国外)取引では消費税は課税されない

消費税とは、「消費者が負担して事業者が納付する」ものですが、その課税対象は事業者による国内取引と輸入取引です。海外で行われる取引については、消費税は発生しません。

例えば日本が仲介者となってA国からB国に輸入が行われたとして、日本は貿易の当事者ではありますが、商品は日本へ輸入されることはありませんから、消費税はかからないということです。

6. 三国間貿易(仲介貿易)におけるインボイス(送り状)で注意すべきポイント

三国間貿易における消費税の扱いについて理解が深まったところで、三国間貿易において注意しておきたい「インボイス」について解説します。

三国間貿易で流通する2つのインボイス

インボイスについては先に少し触れましたが、三国間貿易においては2つのインボイスが流通することになります。

これまでも例として挙げてきた「A国がB国を仲介者としてC国からモノを買う」場合、下記の2つのインボイスが存在します。

① C国からB国に送られるインボイス
② B国からA国に送られるインボイス


インボイスには「輸入者」「買主」「輸入者」「売主」を記載する欄がありますが、輸出者=売主、輸入者=買主となる通常の二国間貿易とは異なり、三国間貿易ではこれらが異なります。

①においては輸入者がA国であり、売主と輸出者はC国、買主がB国となります。 ②においては輸入者と買主がA国となり、輸出者がC国、売主がB国となります。

取引の途中でインボイスがスイッチ(差し替え)されるため、差し替えられた②のインボイスはスイッチングインボイス、スイッチインボイスなどと呼ばれます。

インボイスにおいて仲介者が留意すべきこと

このセクションでは、インボイスにおいて仲介者が留意すべきことについて解説します。 先述したように、三国間貿易には以下の2つのインボイスが存在します。 ① C国からB国に送られるインボイス ② B国からA国に送られるインボイス

仲介者であるB国がA国に対して提示した販売価格には、元値である輸出者の売値に対してマージン(手数料)がプラスされています。そのため、①がA国に渡ってしまうと、B国が上乗せしているマージンがいくらなのかわかってしまうという問題が発生します。

したがって、①のインボイスを②のインボイスに差し替えることは、三国間貿易における実務の中でももっとも重要な項目であると言っても過言ではありません。

もう一つの重要書類B/L

貿易における船積書類のひとつである「船荷証券」を一般的にB/L(Bill of Lading)と略しますが、このB/Lもインボイスと同じく差し替え(スイッチ)することができ、差し替えられたB/Lを一般的にスイッチB/Lと呼びます。

C国からB国へと送られるB/Lは輸出者としてC国が記載されていますが、A国へとB国から送られるB/Lには輸出者としてB国が記載されます。これは輸入者に輸出者をわからないように隠すためであり、これがスイッチB/Lの役割なのです。

仲介者であるB国としては、A国とC国の直接取引を避けたいため、仕入れ先は隠しておきたいところ。そのためスイッチB/Lが必要となります。

しかし、B/Lを差し替えて仕入れ先を伏せたとしても、原産地証明書で判明してしまうリスクもあるため、原産地証明書申請には注意が必要です。トラブルを避けるためにはこのリスクを把握した上で、仕入れ先への確認を必ず行うことが求められるでしょう。

原産地証明書は、FTAやEPAを活用する際に重要な書類です。FTAおよびEPAについての詳しい解説は、下記の記事をご参照ください。

次の項では「三国間貿易におけるFTAやEPA」について解説します。

6. 三国間貿易(仲介貿易)におけるEPAについて

原産地証明書に輸出元が記載されることによるトラブルに注意

FTAとは特定の国・地域間において、関税などの障壁を削減または撤廃することを目的とした協定であり、EPAとは貿易の自由化だけでなく投資や人の移動なども含む幅広い経済関係の強化を目的とした協定のことです。

たとえばA国とB国とC国での三国間貿易において、C国がB国に現地法人を設立し、B国を仲介者としてC国からA国へ商品を輸出することで関税を抑えることができるため、三国間貿易とFTA・EPAは非常に相性がいいと言われています。

三国間貿易ではこれらの協定を締結している国同士であれば、原産地証明書を提示することで関税が優遇されるため、ぜひ活用していきたいところです。

しかし、前述したように、原産地証明書に記載される仕入れ先(輸出元)が判明することによるトラブルが起きないように注意が必要なことはしっかりおさえておきましょう。

7. 優良な海外進出サポート企業をご紹介

御社にピッタリのアメリカ進出サポート企業をご紹介します

日本は世界4位の貿易大国です。貿易に支えられ、貿易によって発展してきました。ここ最近は円安のニュースが連日多くのメディアで報じられています。輸入業者やさまざまな業種に影響を与える円安ですが、輸出を行う側としてはこれを好機と見る企業も多く、海外向けの商品を展開したり、積極的に海外へと乗り出したり、といった企業も増えているようです。

大きく変わり続ける世界経済や各国の最新情報を知ることは、海外進出を考える企業にとって非常に重要なことです。しかし、調査や分析を自社だけで行うのは難しいと頭を抱えている経営者や担当者は少なくなく、「Digima〜出島〜」にも多くのお問い合せをいただきます。

海外への事業展開を考える上で、現地の事情や法律に詳しい専門家のサポートは必要不可欠と言えるでしょう。

『Digima〜出島〜』には、厳正な審査を通過した優良な海外進出サポート企業が多数登録しています。当然、複数の企業の比較検討も可能です。

「海外に自社商品を輸出したい」「海外から商材を輸入したい」「通関や輸出入許可の申請をサポートしてほしい」「海外へ進出したいが何から始めていいのかわからない」…といった国際貿易に関する課題はもちろん、多岐に渡る海外進出におけるご質問・ご相談を承っています。

ご連絡をいただければ、海外進出専門コンシェルジュが、御社にピッタリの海外進出サポートサポート企業をご紹介いたします。まずはお気軽にご相談ください。

失敗しない海外進出のために…!
最適サポート企業を無料紹介

カンタン15秒!無料相談はこちら

(当コンテンツの情報について)
当コンテンツを掲載するにあたって、その情報および内容には細心の注意を払っておりますが、掲載情報の安全性、合法性、正確性、最新性などについて保証するものではないことをご了承ください。本コンテンツの御利用により、万一ご利用者様および第三者にトラブルや損失・損害が発生したとしても、当社は一切責任を負わないものとさせていただきます。
海外ビジネスに関する情報につきましては、当サイトに掲載の海外進出支援の専門家の方々に直接お問い合わせ頂ければ幸いです。

この記事が役に立つ!と思った方はシェア

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

海外進出相談数 2,000 件突破!!
最適サポート企業を無料紹介

\ 3つの質問に答えて /
コンシェルジュ無料相談

コンシェルジュに無料相談する

入力1

入力2

確認

送信

課題やお悩みをカンタンヒアリング。
下記の項目に答えるだけでサポート企業をご紹介します。

連絡先を入力する

役職

個人情報保護方針利用規約 を必ずお読みになり、同意いただける場合は次へお進みください。

前に戻る

もっと企業を見る

海外進出・海外ビジネスで
課題を抱えていませんか?

Digima~出島~では海外ビジネス進出サポート企業の無料紹介・
視察アレンジ等の進出支援サービスの提供・
海外ビジネス情報の提供により御社の海外進出を徹底サポート致します。

無料相談はこちら

0120-979-938

海外からのお電話:+81-3-6451-2718

電話相談窓口:平日10:00-18:00

海外進出相談数
22,000
突破