【2024年版】マレーシアのEC市場で人気のカテゴリー5選
マレーシアのeコマース市場はアジアの中でも急速に成長しています。2021年には前年比で68%もの成長を遂げ、2022年末には売上高が約92億ドルに達すると予測されています。
さらに、2025年までにはインターネット経済の流通総額(GMV)が350億ドルに到達すると見込まれており、マレーシアのeコマース市場は大きなチャンスです。
この成長を支えているのは、特に人気のある5つのカテゴリーになります。それでは、マレーシアのeコマース市場で注目されているこれらのカテゴリーを詳しく見ていきましょう。
▼ 【2024年版】マレーシアのEC市場で人気のカテゴリー5選
1.LazadaやShopeeの大手ECプラットフォーマーに注目「電化製品」
2023年のマレーシアの家庭用電化製品市場は、収益が55億5,000万ドルに達すると予測されています。このうち、スマートフォンを含む通信製品が大きな割合を占め、市場シェアは22億3,000万ドルです。
そして、LazadaやShopeeといった大手ECプラットフォーマーは、量販店と比較して圧倒的な購買力を持っています。
これらのプラットフォームは価格競争で優位性を保ち、このカテゴリを独占する傾向があります。
また、インターネットが普及し、オンラインで手頃な価格の電化製品が容易に手に入るようになったため、消費者は従来の店舗での購入が減少傾向にあります。
2.日本の人気商品はマレーシアでも売れる?「ファッションと美容」
マレーシアではファッションと美容は人気の高いeコマースカテゴリで、代表的なプラットフォームにはZaloraや韓国の大手11Streetがあります。
東南アジアにおいて、女性が新規のオンラインショッピング客の54%以上を占め、電子商取引の拡大を牽引しています。
Zaloraのレポートによると、ページの閲覧時間が40%増加し、ミレニアル世代の影響力が顕著に見られます。この世代の61%がオンラインでファッションや美容製品を購入しています。
その中でもカジュアルウェアとフットウェアが最も売れているアイテムであり、在宅勤務の文化の普及に伴い、ナイトウェアやアクティブウェアの需要も増加しています。
そして、2023年にはファッション部門が33億1,000万ドルの収益を生み出すと予想され、2027年には53億3,000万ドルに達すると見込まれています。
Shopeeによると日本で人気の商品は、マレーシア現地でも人気が出やすい傾向があります。
日本のドラッグストアで販売されているコスメや、影響力のある美容情報サイト@cosmeのランキングに上位に位置する商品は、地元市場での成功の可能性が高いといえるでしょう。
3.フードデリバリーは生活の一部「食品」
日本に限らず、コロナウイルスの流行を機に、食品衛生や非接触の取引への関心が高まり、フードデリバリーサービスが世界的に人気を博しています。
マレーシアでは、2022年には10人中7人がフードデリバリーを「生活の一部」と感じており、このサービスの利用が日常化しています。2021年末の調査では、過去3カ月間にマレーシア人の約63%が少なくとも1つのフードデリバリーアプリを使用したと報告されていました。
Foodpandaはマレーシアの14州、300以上の地域に物理的な拠点を構え、広範なサービスエリアを持つ大手サービスです。
一方で、フードデリバリーアプリのGrabは、2018年3月にUberの東南アジア事業を買収し、マレーシア最大のフードデリバリーサービスとしての地位を確立しました。2022年には、東南アジア全体のフードデリバリー市場の54%を占めるまでに成長しています。
また、スーパーマーケットチェーンTescoは、2013年にマレーシアで最初の食料品オンラインデリバリーサービスを開始しました。特に2020年以降、生鮮食品から食料品まで最大3,000品目を扱う「クイックコマース」と呼ばれる超高速配送サービスを提供し、さらなる事業拡大を進めています。
4.マレーシアでの必需品「パーソナルケア製品」
マレーシアでは、パーソナルケア製品が必需品とされており、特に大気汚染が原因で増加する皮膚アレルギーや敏感肌向けのスキンケア製品、脱毛関連製品が注目されています。これに加えて、生理用品も売れ筋商品の一つです。
パーソナルケア部門は、2023年から2027年にかけて年間3.10%の成長が見込まれています。この成長は、消費者の健康への意識の高さと製品への需要を大きく関係しているでしょう。
そして。マレーシアの消費者は、世界的なパーソナルケアブランドを特に好む傾向にあります。この高いブランド志向は、化粧品の輸入額にも影響を及ぼしており、2021年の12億ドルから2026年までには14億ドルに増加すると予測されています。
5.高品質と安全性の高い日本製が人気「ベビー用品」
マレーシアでは、2022年時点で人口の23.3%にあたる約919万人が子供であり、特に5歳未満の子供は人口の8%、約260万人を占めています。この大きな若年層の存在が、ベビー用品市場の需要を強力に後押ししています。
ベビー用品の中でも、特にベビー用おむつが売れ筋商品の一つです。マレーシアでのベビー用品の販売において、Shopeeはリーダー的な役割を果たしており、多くの消費者がこのプラットフォームを利用して購入を行っています。
また、マレーシアの富裕層の間では、「子供のためには品質が優れたものを使いたい」という声が特に強く、高品質と安全性で知られる日本製のベビー用品が好まれています。
この需要は、国際ブランドの人気を支え、マレーシアのベビー用品市場での彼らの地位を固める要因となっています。
6.多彩なカテゴリーで急成長するマレーシアのeコマース市場
マレーシアのeコマース市場はその多様性と急速な成長により、消費者にとって非常に魅力的な選択肢となっています。さまざまなカテゴリーが存在する中で、市場の潜在能力を最大限に活用しようと考える事業者にとって、特定の分野に焦点を当てることは非常に重要です。
最後に、マレーシアのeコマース市場で成功させるためには「市場調査」「ターゲット」「販路の選定」の3つがポイントになります。
まず市場調査では、消費者の嗜好、競争状況、市場トレンドを把握することで、事業の方向性を正確に定めることが重要です。
次に、適切なターゲット市場の選定を行います。消費者のニーズに応じて製品やサービスをカスタマイズし、市場に最適なアプローチを考えます。
そして、直販サイトの立ち上げ、大手ECプラットフォームへの参入、または特定のニッチ市場向けの販売戦略など、多様な選択肢から最適な販路を選びましょう。
(参考文献)
- Gross merchandise value (GMV) of digital economy in Malaysia from 2015 to 2022 with a forecast for 2025 | Statista
- Consumer Electronics - Malaysia | Malaysia
- Maturity, Mergers, & Marketing: How E-commerce is Evolving in Malaysia | iPrice
- Zalora Southeast Asia Trender Report 2021 | Zalora
- Shopeeアカウントマネージャーが語る、東南アジア・台湾の人気商品とトレンド | ECのミカタ
- My Food and Grocery Trends 2022 | Grab
- Malaysia Food Delivery Landscape 2021 | Oppotus
- Foodpanda Continues To Expand Footprint In Malaysia With More Than 40 New Areas | Business Today
- Grab tightens ASEAN food delivery grip despite slowing growth | Nikkei Asia
- Beauty & Personal Care - Malaysia | Statista
- Malaysia Cosmetics Industry Outlook 2022 - 2026 | Reportlinker
- Children Statistics Malaysia, 2022 | Department of Statistics Malaysia
- Children Statistics Publication Malaysia, 2018
- Baby Diapers - Malaysia | Statista
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②BtoC販路開拓サポート
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③セカイで法人・店舗開業
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■これまでの支援で最も多かったご相談
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- どこの国が最適なのか、一緒に考えて欲しい
- 進出検討中の国や市場を調査・分析し、自社との相性が知りたい
- 現地競合企業の情報・動向が知りたい
- どんな売り方が最適か、アドバイスが欲しい
- 海外進出事業計画策定を手伝って欲しい
- 事業戦略・マーケティング設計がしたい
- 食品・コスメ・医薬品に必要なFDA申請を手伝って欲しい
- 海外で販路開拓・拡張がしたい
- 海外現地企業と取引がしたい
- 海外現地法人設立(ビザ申請)をサポートして欲しい
- 海外でプロモーションがしたい
- 越境EC(自社サイト・モール)販路を広げたい・深めたい
- 海外のデジタルマーケティング戦略をサポートして欲しい
- 海外向けのウェブサイト(LP)をつくってほしい
- 海外向けのECサイトをつくってほしい
- 海外のSNS・ECの運用を手伝って欲しい
- すでに活動中の現地法人の悩み解決を手伝って欲しい
- 海外で店舗開業(飲食店含む)を総合サポートして欲しい
■主要施策
①BtoB販路開拓サポート
- 海外販路開拓・現地企業マッチングサポート
- 市場調査/現地視察
- 事業計画設計
- 海外ビジネスマッチング(現地企業探索サポート)
- 海外人材 探索・手配サポート
- 翻訳・通訳サポート
- 手続き・申請(FDA申請含む)サポート
- 海外税務/法務/労務/人事 サポート
- 輸出入/貿易/通関 サポート
- 海外販路開拓・現地企業マッチングサポート
- 各種市場調査/分析
↳企業信用調査
↳競合調査/分析
↳法規制調査
↳有識者調査・インタビュー
↳消費者調査・インタビュー
↳現地テストマーケティング
↳ウェブ調査/分析
②BtoC販路開拓サポート
- EC/越境EC運用代行サポート
- 各種サイト運用代行
- SNS運用代行サポート
- サイト(EC/多言語/LP)制作
- コンテンツ(画像・動画)制作デジタルマーケティングサポート
- プロモーションサポート
- SEO強化サポート
- Webプロモーション
↳インフルエンサープロモーション
↳現地メディアプロモーション
↳広告運用(リスティング広告・SNS広告など)
③法人・店舗開業
- グローバル飲食店開業サポート
- 現地法人設立サポート
- 現地視察サポート
- ビザ申請手続き
- 現地人材探索
- MAサポート
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実績:
東アジア(中国、韓国、台湾、香港等)
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南アジア(インド、パキスタン、バングラディッシュ等)
北米(USA、メキシコ、カナダ)、南米(ブラジル、チリ等)
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ヨーロッパ(イタリア、ドイツ、フランス、スペイン等)
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商材は食品、日本酒、医療機器・医薬品、サプリメント、教材・教育玩具、素材、農業資材など多岐にわたります。
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