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世界マーケティング人口24億人!ヤクルトが海外進出で実践した3つのグローバル戦略とは?

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ヤクルトの海外進出について解説します。ヤクルトの海外進出の歴史や、ヤクルト社の海外事業などを解説し、同社の海外進出戦略を紐解きながら海外進出の成功の秘訣を分析していきます。

1935年に福岡市で販売を開始したヤクルト。80年以上の歴史を持つヤクルト社の製品と、それを配達する女性スタッフ「ヤクルトレディ」は老若男女問わず、日本中で親しまれています。そんなヤクルト社が初めて海外進出したのは1964年のこと。海外での歴史もすでに50年以上となり、今や世界中で親しまれる製品となったのはご存じの通り。

本テキストでは、そんなヤクルトの海外進出について解説していきます。

Photo by Gabriel Yuji on Unsplash

▼世界マーケティング人口24億人!ヤクルトが海外進出で実践した3つのグローバル戦略とは?

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1. ヤクルトとは?

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1935年、代田稔 医学博士が福岡市の「代田保護菌研究所」にて「ヤクルト」を製造・販売開始

医学博士であった代田稔博士が強化・培養した乳酸菌の一種「シロタ株(ラクトバチルス・カゼイ・シロタ株:Lactobacillus casei strain shirota、L.カゼイ YIT 9029)」を使った乳酸菌飲料「ヤクルト」は1935年に福岡県福岡市で製造・販売を開始しました。

衛生環境が今ほど整っていなかった当時は、赤痢などの感染症で亡くなる人も少なくありませんでした。代田博士は病気の治療ではなく、病にかからないようにする予防医学に着目。微生物を研究した結果、このシロタ株が生まれたのです。

貧しい人も健康になれる世界を目指した創業者の情熱は、世界中の人々の健康に貢献するという今のヤクルト社の理念にも受け継がれています。

ヤクルトの企業理念

「私たちは、生命科学の追求を基盤として、世界の人々の健康で楽しい生活づくりに貢献します。」ヤクルト社のホームページには企業理念としてこんな言葉が掲げられています。

世界の人々の健康を守りたいと考えた創始者、代田博士が作り上げた「予防医学」「健腸長寿」「誰もが手に入れられる価格で」などの思想を「代田イズム」と呼び、今も事業の原点として大切にし続けている企業です。

ヤクルトの事業形態

ヤクルト社は乳酸菌飲料「ヤクルト」を始めとした食品事業だけでなく、化粧品事業や医薬品事業、国際事業といった幅広い事業展開を行っています。

その基礎となるのは前述した代田イズムであり、乳酸菌や酵素をもとにしたさまざまな製品を開発・販売しています。

2. ヤクルトの海外進出の歴史

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ヤクルトの海外進出は1964年の台湾進出からスタート

1964年、ヤクルト社の海外進出は台湾からスタートしました。その後、アジアやヨーロッパ、オーストラリアや中南米にもネットワークは広がっています。

海外に進出する日本企業の多くが、国内市場での展開に限界を感じて海外へとマーケットを広げる傾向にありますが、ヤクルト社は計画的に海外進出を行ったわけではなく、海外から「ヤクルトという体に良い飲み物をうちの国でも販売してほしい」という依頼を受けて海外市場への進出を果たしているのだとか。

乳酸菌という「生き物」が入った飲料であるヤクルトは、もともと海外への輸出には向かない製品です。現地生産・現地販売を原則とし、まずは進出先の国に工場や事業所を作るところから始めます。

ヤクルト社は、製品だけでなく理念をも現地に根付かせることを重要視しており、ヤクルト社独自の販売システムである「ヤクルトレディ」も現地で積極的に採用。現地の雇用を生み出すことにも一役買っています。

国によっては「菌を飲む」ということに抵抗感を持つ人々もおり、現地の生活文化や食習慣に合わせた健康に関する情報誌の作成やシンポジウムなども開催。

このように、ヤクルトという製品を売るだけでなく、ヤクルト社の理念である予防医学を現地に浸透させてきたことで、世界中の人々の健康に寄与してきたのです。

3. ヤクルトの海外事業の概要

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ヤクルトは40ヵ国と地域で販売を展開中(マーケティング人口は24億人!)

1日あたり4,111万本が世界中で愛飲されているという乳酸菌飲料ヤクルト。現在、日本を含む40の国・地域で販売されています。ヤクルトレディは世界中で8万人以上。

世界の人口79億人に対して、ヤクルト社が進出している国の人口は合計46億人で、その中でのマーケティング人口は24億人です。

ヤクルトの海外進出エリアは…?

ここからはヤクルトの海外進出エリアを各事業所の所在地を通して見ていきましょう。

■具体的な進出エリア(事業所数)

ヤクルトの海外の事業所は29。具体的な地名と社名は下記のとおりです。

台湾ヤクルト株式会社
香港ヤクルト株式会社
タイヤクルト株式会社
韓国ヤクルト株式会社
フィリピンヤクルト株式会社
シンガポールヤクルト株式会社
インドネシアヤクルト株式会社
オーストラリアヤクルト株式会社(ニュージーランド支店)
マレーシアヤクルト株式会社
ベトナムヤクルト株式会社
インドヤクルト・ダノン株式会社
中国ヤクルト株式会社
広州ヤクルト株式会社
上海ヤクルト株式会社
北京ヤクルト販売株式会社
天津ヤクルト株式会社
無錫ヤクルト株式会社
中東ヤクルト販売株式会社
ミャンマーヤクルト株式会社
ブラジルヤクルト商工株式会社
メキシコヤクルト株式会社
アメリカヤクルト株式会社
ヨーロッパヤクルト株式会社
オランダヤクルト販売株式会社
ベルギーヤクルト販売株式会社
イギリスヤクルト販売株式会社(アイルランド支店)
ドイツヤクルト販売株式会社
オーストリアヤクルト販売株式会社
イタリアヤクルト販売株式会社


2020年3月期のデータによると、ヤクルト社の売上は日本国内飲料事業が2093億8,000万円、海外飲料事業が1,790億500万円。一見海外飲料事業が少なく見えますが、営業利益は日本国内飲料事業が182億900万円に対して、海外飲料事業はなんと445億4,600万円と、国内飲料の数字を軽く上回っています。

「あの飲料は何?」ヤクルトが話題になったNetflixの海外ドラマ

2018年、Netflixで独占配信された海外ラブコメディ「好きだった君へのラブレター」で、登場人物がヤクルトを飲むシーンがSNSで話題になりました。

ヤクルトとして宣伝されたわけではなく、主人公が韓国系アメリカ人という設定からか、劇中では韓国のヨーグルトスムージーとして誤った紹介をされてしまったにもかかわらず、ヤクルトの売上は急上昇したのです。



映画の影響から品薄になってしまったことや、ヤクルトを知る各国のSNSユーザーたちがヤクルトについての投稿を行ったことで、アメリカなど認知度の低かった国での認知度だけでなく、それまでヤクルトを知らなかったユーザーにも知ってもらえるという、思わぬ宣伝効果があったとされています。

ヤクルトレディというグローバルなビジネスモデル

ヤクルトと言えば、ヤクルト社独自の販売システムである「ヤクルトレディ」の存在を忘れてはいけません。

ヤクルト社が「ヤクルトレディ」という販売システムを取り入れたのは1963年のこと。そのきっかけは高松の営業所が主婦を積極的に採用することで業績を上げており、そのほかの事業所でも主婦が販売すると売上が上がったことから来ています。

一般家庭への宅配販売という販売形態から、顧客となる主婦に一番近い存在であるヤクルトレディが業績を上げる結果となったのは、考えてみれば当たり前のことだったのかもしれません。

欧米ではヤクルトレディという販売モデルは採用されていませんが、アジアや南米では現地のヤクルトレディが今日も宅配販売を行っています。

4. ヤクルトの海外展開を成功させた3つの海外進出戦略とは?

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このセクションではヤクルトのグローバル戦略について分析していきます。

自ら進んで海外進出したわけではなく、望まれて進出したヤクルト社ではありますが、ここまでの成功をおさめた背景には、3つの戦略があるのです。

① 世界で活躍するヤクルトレディの存在
② BOPビジネスへの先見性
③ CSRに繋がる健康教育という啓蒙


それぞれを詳しく見ていきましょう。

① 世界で活躍するヤクルトレディの存在

前述したとおり、ヤクルト社独自の「ヤクルトレディ」という販売モデルはアジアを中心に海外へとその環を広げ、今では世界で8万人以上ものヤクルトレディたちが活躍しています。

ヤクルト社は「ヤクルトレディ」モデルを採用するだけでなく、彼女たちが働きやすい環境を作ることにも尽力しています。それは託児所などの社内環境だけではありません。それまでガラス瓶を回収して洗浄する方式だったヤクルトの容器をプラスチックに変えた一因には、ヤクルトレディたちの労力を軽減するという配慮もあったのだとか。

② BOPビジネスへの先見性

ヤクルトレディは、雇用の創生だけでなく女性の社会進出にもつながるため、持続可能な開発目標「SDGs:Sustainable Development Goals」にも貢献しています。SDGsとは国連総会で採択された、世界が取り組むべき目標のことで、その目的は世界から貧困や飢餓をなくし、環境を破壊しない経済発展にあります。

このSDGsを達成する手段として近年注目されているのがBOPビジネスです。

BOPとは低所得者層のことを指す言葉で、BOPビジネスとはBOPに対して製品やサービスを供給することで、新市場の開拓を行うとともに、格差や貧困問題をも同時に解決できるビジネスのことです。

SDGsおよびBOPビジネスについて理解を深めたい方には、こちらのコンテンツもぜひご覧ください!

ヤクルト社がヤクルトレディという販売モデルを作り出した時代にはこのような言葉はありませんでした。

つまり、意図したわけではなく、ヤクルト社が理念に基づいて行っていたことに対して、時代の流れが追いつき「BOP」という概念が誕生した…というところでしょうか。

90年近くも前に「世界の人々を健康にする」という理念を打ち立てた代田博士の目標は、現在において貧困国の健康をアップさせ、ヤクルトレディという女性の雇用促進につながり、健康だけでなく世界の経済発展にも寄与することとなっています。

③ CSRとしての健康教育という啓蒙

「CSR:Corporation Social Responsibility」とは企業の社会的責任のこと。企業には、利益の追求だけでなく環境への配慮や、従業員や消費者に対する配慮、社会に貢献していかねばならないという責任があります。

ヤクルト社の理念はまさにこれにつながります。

同社はCSRに力を入れており、2012年に「CSR基本方針」を制定。世界の人々の健康に貢献するためには、人だけでなく環境への配慮が必要であること、地域社会の問題解決に貢献することが必要という考えを事業活動にも生かしています。

ヤクルト社はさまざまな国や地域において、現地の健康に関する教育の場を設けています。その啓蒙は現地消費者の健康意識を向上させ、結果的に市場開拓につながっているのです。

製品とともに予防医学の知識を現地に浸透させてきたことで、世界中に拡大している新型コロナウイルス感染症によってヤクルトの売上が上がるという、思わぬ効果も出ています。ミャンマーでは免疫力の向上につながるとして、感染が広がり始めた2020年2月から4月にかけて、ヤクルトの販売量がそれまでの2倍に増えました。

5. 優良な海外進出サポート企業をご紹介

御社にピッタリの海外進出サポート企業をご紹介します

今回は「ヤクルトの海外進出」と銘打って、ヤクルト社の海外進出の歴史と海外事業の概要、さらにはヤクルト社の海外進出戦略を紐解きながら、同社の海外進出の成功の秘訣を分析しました。

感染症で亡くなる人々を救うために予防医学を志した代田博士の、人々に対する健康への思いである「ヤクルト」は現在、世界中で多くの人々を救っています。それは結果的に腸内環境の改善からくる健康だけでなく、ヤクルトレディというビジネスモデルで経済の面でも大きく世界に貢献することにもつながりました。

企業理念を体現することや、浸透させることは社内だけでも並大抵のことではなく、それによって利益をも上げていくとなると、さまざまな企業がその難しさを感じていることでしょう。ヤクルト社の事例は、理念に基づいた経営の理想形とも言えるのかもしれません。

とはいえ、ヤクルト社も理念だけで海外展開を行ったわけではなく、しっかりと現地に製品を根付かせるためのさまざまな工夫を凝らしています。 海外に根付くためには現地の習慣や最新事情を知ることが重要。ですが自社で調査を行うのは決して容易ではありません。

『Digima〜出島〜』には、厳正な審査を通過した優良な海外進出サポート企業が多数登録しています。当然、複数の企業の比較検討も可能です。

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