海外進出企業インタビュー

掲載日:2015年3月27日

スペシャル

ブルー・オーシャン・シティ特集 〜急成長中! 知られざる注目都市の キーマン・インタビュー〜 ダナン編

プロフィール:1973年生まれ。ダナン外務局副局長、ダナン市駐日代表部副代表、ダナン市ベトナム・日本友好協会副会長を務める。日本企業のダナン進出を多数手がけている。
 
※ 進出企業数などは、全て取材時(2014年10月)のものです。

ベトナム第3の都市は、高学歴・熟練労働力が豊富な製造業のフロンティア!

それでは、まずダナン市について概要を教えて頂けますでしょうか?

わかりました。まず、ダナン市は南のホーチミン市と北のハノイ市のちょうど中間に位置し、ベトナムで第4位の約100万人の人口を有する港湾都市です。
面積は1,285km²。中央直轄市として中部ベトナムの経済・文化の中心となっています。また、ダナン港は、ホーチミン港、ハイフォン港に次ぐベトナム第3位の国際貿易港です。
 
労働人口は約50万人で、産業構成は製造業がおおよそ42%、サービス業が55%、農林水産業がそれ以外となっております。製造業は、自動車産業、電子産業がそれぞれ3分の1ずつを占めています。
 
その他、概要を表にいたしましたので、御覧ください。

ありがとうございます。それでは、ダナン市への進出の魅力を教えてください。

ダナン市への進出の利点は大きく分けて5つあります。財務面でのサポート詳細は、在日ダナン事務所にお問い合わせください。
 
まず、1つ目は「戦略的な位置」です。
ベトナムの中心部に位置しており、また、インドネシア半島を東西に繋ぐ(東西経済回廊)EWECの東側の玄関口でもあります。つまり、全ASEAN地域にアクセスできるロケーションだといえます。
 
次に「インフラ基盤」が挙げられます。
まず、大きなところで言いますと、ダナン港は国際湾口となっています。最大深さ18メートル、ベトナムで3番目に大きな商業港として、45,000 DWTの船舶を収容することができ、600万トンの年間取扱能力を誇ります。香港、シンガポール、日本、台湾、韓国、マレーシアへの直接船便があります。
 
国際空港も年間で600万人に利用され、国際直行便は日本、シェムリアップ(カンボジア)、シンガポール、仁川(韓国)、香港、クアラルンプール(マレーシア)などが就航しておりますし、国内直行便は、ハノイ、ホーチミン市、ニャチャン、トラン、プレイク、ダラットなどがあります。また、チャーター便には、杭州、南京、Kunning、広州、北京、マカオなどもあります。
 
ベトナム国内の鉄道網にもアクセスできますし、国道1A、14B、および9へもアクセスできます。278のホテルとリゾートも抱えています。
 
また、生活インフラは、電気、水の供給も万全で、通信ネットワーク環境も良好です。 その他、整備された道路、橋、国際的観光地と住宅地、ショッピングモール、娯楽施設もあり、充実した都市環境と言えるでしょう。
 
3つ目は、「ダナンの工業団地」です。
進出企業に対して多くのメリットを提供できるコンパクトに組織された工業団地が存在します。「ハイテクパーク」「ダナンITパーク」が代表的で、各国の優良企業が入居しています。
 
4つ目は「豊富な高学歴・熟練労働力」です。
先述しましたが、都市の人口の50%が労働人口であり、労働力が豊富です。また、発達した教育制度を持っており、高学歴・熟練労働力の割合が高いのも特徴です。市内に24の大学やカレッジ、59の職業訓練センターや民間資格学校を抱え、技術、経営·経済、外国語、建築設計、IT、土木・機械・電気工学のトレーニング環境が整っています。
  
最後の5つ目は「ビジネスに適した環境」であることです。
奨励投資分野をきっちりと特定していますし、土地の賃借も合理的な価格で行われています。また、地域の指導者と企業の間で定期的な対話の場を設けていたり、地方当局主導による住民移転と充分な補償も存在しており、地域政府が市内の企業をサポートしていく体制が整っています。
そのため、中小企業に対する各種サポートも豊富で、与信(クレジット)、土地や税制、研究開発、労働訓練などで優遇を得ることができます。

それでは、日本企業で最も進出を期待する業種は何でしょうか? もし、そうした企業が、ダナン市へ進出した場合、追加の優遇処置を受ける可能性はあるのでしょうか。

ダナン市が進出を最も期待する日本の産業は次に上げる7つの産業です。
まず、①ソフトウェアの製造といったハイテク産業、そして②パーソナルコンピュータ/周辺機器/オフィス機器といった通信機器の製造業、③集積回路、半導体、精密機械といった電子機器の製造業、 ④バイオテクノロジー、⑤新材料の開発、⑥エネルギー産業、⑦宇宙産業となります。
 
2013年、ダナン市はベトナム内の地方競争力指数で1番となりました。ダナン市の積極的なリーダーシップ、情報への透明性、労働訓練を高く評価されたためでした。また、ハイテクパーク、ITパークの投資状況も高く評価を得ました。現在、ダナン市は、日本企業のための工業団地を建設する計画しており、追加優遇策については、これから検討する段階です。

ありがとうございます。次に、ダナン市が用意する外資系企業(日本企業を含む)向けのサポートについて教えて下さい。

半期ごとに、ダナン市と外資系企業との対話の機会を設けています。新しい政策や支援情報を提供するためです。また、日本企業を支援するためにダナン市の日本事務所が都内にあります。

それでは、ダナン市へ進出している外資系企業はどの程度あるのでしょうか。

ダナン市に直接投資した外資系企業として285社あります。
主な企業を雇用者の多い順で挙げていくと、フォスター社(10,000人)、マブチモーター社(5000人)、フジクラ社(3000人)、ダイワ社(2000人)、東京計器社(2000人)などがいらっしゃいます。

そうした外資系企業はなぜダナン市で事業を成功させているのでしょうか。

そうですね、なぜ、外資系企業がダナン市を選び、そして事業を成功したかといいますと、先ほど挙げたメリットによるところが大きいと思います。
 
まず、教育を受け、熟練した労働力があげられます。そして、整理された近代的なインフラ、ダナン市からのインセンティブ政策、これらが十分に機能しているため、これらの外資系企業は、ダナン市で成功したと考えています。

既に進出している日本企業について教えてください。

ダナン市に投資している日本企業は106社です。大企業から中小企業まで規模の大小はありますが、ダナン市として最も期待する産業は、IT、ハイテク産業です。

ホーチミン市に比べて、ダナン市の投資環境の強みはなんでしょうか。

そうですね。今日、ベトナムで日本語を学ぶ学生の数はますます増えております。また日本への留学も増えております。
ダナン出身の学生だけでなく、ダナン出身以外の学生も日本から戻ってきて、ダナン市の日本企業での就職を希望しています。つまり彼ら・彼女らは日本に対して好意的で、また日本企業文化を吸収しようとする姿勢を有する優秀な人材です。
この優秀な人材がホーチミンに比べて比較的安価に供給できるのが、ダナン市の強みといえると思います。

それでは最後に、ベトナムに進出を検討している日本企業に向けて一言いただけますでしょうか。

ダナン市と日本は朱印船貿易時代から経済交流に関する深い関係を持ってきました。ダナン市だけではなく、ベトナム国民は皆、日本が日本企業に対して好意的なのです。
事実、これまでの日本とダナン市との交流に関する歴史的な資料を展示する公園が建設予定です。
 
ダナン市では、日本の行政や企業と連携して、日本企業がダナン市へ投資しやすい体制作りを進めております。
 
IT産業やハイテク産業だけではなく、リゾートホテルや高齢者向けのサービス業などもダナン市へ進出してくださる事を期待しています。日本の「おもてなし」文化は、国際的にみても素晴らしい品質であると思っています。そうした日本企業とご一緒させていただきたいです。
 
是非一度ダナンにお越しください。

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